『パワーパフガールズ』の呪いのDVD「悪霊バブルス」

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本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。

皆様は『パワーパフガールズ』というアメリカのアニメをご存知でしょうか。

科学実験によって生み出されたスーパーパワーを持った3人組の女の子が町の平和を守る子供向けのアニメです。

日本でも『パワーパフガールズ』は人気で、日本発の『出ました!パワーパフガールズZ』というアニメまで放送されたことがございます。

さてそんな『パワーパフガールズ』なのですが、アメリカではしばしば怖い話が流れます。今回ご紹介するのは呪われたDVD。その名も

「悪霊バブルス(Akuryō Bubbles)」

というド直球のもの。バブルスはパワーパフガールズのメンバーで青い服に金髪をした女の子です。

今回は『パワーパフガールズ』より「悪霊バブルス」の都市伝説をご紹介したく存じます。

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悪霊バブルス

以下は海外の都市伝説を翻訳したものです。

娘へのプレゼント

親御さんならばお子様には最高のものをプレゼントしたいと思うのではないでしょうか。

私の娘のリリーは、カートゥーンネットワークの『パワーパフガールズ』というアニメのファンでした。リリーは以前はよく腕を伸ばして、風を切る音を口にしながら、キッチン中を駆け回るなどパワーパフガールズごっこをして遊んでいました。それはもう親としては微笑ましかったですよ。

たしかにパワーパフガールズのアニメは多少暴力的な表現もあったかもしれません。しかしリリーがそれを真に受けて実際の行動に移すなんてことはありえないと思っていたので、特に気にはしておりませんでした。

とはいえ、私も1人の親。娘が正しい道を歩めるよう導かなければならないことは自覚しておりました。

娘の誕生日がそう遠くなくなってきた頃、私は娘には忘れられない、想像もできないような本当の宝物のような物をプレゼントしたいと思っておりました。

eBayで発見したレアDVD

そこでアマゾンやeBayを目を皿にして探し回りました。検索結果はどれも素晴らしいように思えました。子供にとってはたしかに宝の山のような検索結果だったでしょう。

しかしほとんどがフィギュアであったり、ぬいぐるみであったり…私にとってはそういったものはありきたりで…。

しかし、あるDVDのジャケットの画像を見てピンときました。黒と青を基調とした魅力的な色合い。パワーパフガールズのバブルスの顔の上半分が覗いていました。上の方には「悪霊」(私にはこの意味がわからなかった)という日本語の文字が書かれていました。『パワーパフガールズ』のロゴはいつものピンクと黒の太字で表示されていました。

おかしなことにその作品に関する情報はほとんどありませんでした。とはいえ、日本からの出荷で郵送にしばらく時間がかかるようでした。娘の誕生日に間に合わせなければ!と思った私は早速出品者に連絡し、購入の意思を伝えました。

そしてDVDが手許に届きました。リリーに渡す前に中身を確認するべきだと思いました。娘のために最高のものが欲しいのです。最高のものかどうか確認しなければなりませんでした。娘が寝るまではDVDを隠し、夜遅くノートパソコンを開いてDVDを再生したのです。

外見

現物のDVDジャケットはeBayのページに表示されていたように、詳細が記載されておらず、絵だけ。バーコードやクレジット表示すらありませんでした。カバー自体は光沢のあるプラスチック製。それを開けると同じ見た目の2枚のDVDが入っていました。

よく見ると年齢認証のレーティングが18(イギリスの認証でした)。え、R18?私は娘のプレゼントとして購入したのにですよ?

出品者に返品しようとeBayのアカウントをチェックしたのですが、そのアカウントは既に削除されてしまっていました。やられた。本当にどうしようかと思いました。はぁ。

DVDの内容について娘に見せてよいものかは私自身が確認しなければ、と思いました。内容も見ず、私がそのDVDを捨ててしまう理由なんてありませんからね。なにせ『パワーパフガールズ』でしたし。

確かに出品者は軽く詐欺まがいのことをしたのは確かですが、私が好奇心に負けたのも事実。…ぬいぐるみかなんかを買ってあげてればよかったんです..。

私は日本から日本語のタイトルのDVDを購入したわけですが、製造・認証はイギリス…?細かい出所は不明でした。もしイギリスが認証した作品ならば、本来なら他にも同じタイトルのDVDが沢山市場に出回っているはず…。

私は熟考の結果、半ば無理やり自分を納得させました。このDVDは独特の製品、例えば一部の関係者に配られたようなレアなものなのだと。恐らく出品者の日本人はそういった関係者だったのでしょう。

1枚目「episode」

私はノートパソコンに最初のディスク、「episode」と書かれていた物を入れました。ヘッドフォンを差し込んで、音量を設定していると、なんとも無機質な再生画面が。黒い背景にただ白い字で「episode」

再生するとほんの1フレームくらいの間でしたが突然画面が白く輝き、ちょっとビックリしました。とはいえ、その段階ではただのエラーか何かだろうと思うことに。

空を見上げる博士

『パワーパフガールズ』のいつもの冒頭のシーンはありませんでした(「お砂糖、スパイス~」のくだり)。物語は博士(何博士だったか…ユートニウムとかだったと思います)が彼の家の庭で夜空をじっと見上げているシーンから始まりました。

あまりにも静か過ぎたので、音量設定を間違えたかと思って再度確認しましたが設定自体に問題はありませんでした。最大音量でしたから。

博士はただただ空の月をじっと見つめており、周囲の気配は一切ありませんでした。その後彼は自宅に歩き、暖炉の前の椅子に座ったのです。博士は全体的に濃い色で描かれており、他に比べて際立っていました。

バブルスのサブリミナル

サブリミナル的なものなのか、それともビックリ要素なのか、バブルスの画像が一瞬大きく映し出されました。バブルスは怒った表情で、瞳の周りの輪郭は赤く描かれていました。

そのシーンは娘がかつて見たエピソードにあった気がします。

確かバブルスが姉のブロッサムを襲おうと角に追い込んだときだったような。

私はその回を詳しく見ていたわけではありませんが、どことなく恐怖心を感じた記憶があります。そのシーンと同じような画像だったと思います。

怯える博士

ともあれ、映像が戻ると、暖炉のちらつきのみが照らす暗い部屋の椅子にすわった博士を後から移すようなアングルが映し出されました。

アニメーションは普段より多少重厚に見えました。彼の顔の色は…ほぼ現実と同じ。

暖炉の明かりのちらつきにより、時折彼の顔や様子を確認することが出来ました。前にうずくまっていて、自分を抱きしめるように肩を持ち、心の底から怖がっているようでした。

ヘッドフォンから聞こえたのは彼の呼吸音のみ。一体何が起こっていたと言うのでしょう。

現実世界とリンク?

ふと私のいたリビングルームで何か泣き声のようなものがし、閉じたはずの側のドアが開いていることに気づき驚きました。

娘のリリーにプレゼントのことがバレたのではないか、と一瞬気負ったものの、こんな雰囲気が延々と続くようなDVDならばプレゼントするつもりは毛頭ありませんでした。

動悸を感じていたので、すこし深呼吸をして、落ち着くまで待ちました。娘に少しでも勘付かれないように暗闇の中でひっそりと見ていたのですが、後悔しました。

博士の移動

ともかく、DVDの確認を再開しました。博士は階段の上の子供部屋から聞こえてくる泣き声を聞いていました。

先ほど現実世界で起こったことに似ていたので、ちょっと笑ってしまいました。もちろん引きつった苦笑いです。自分を落ち着かせるために、開いてしまったドアを再び閉め、お茶を飲みました。

画面に目を戻すと、博士の目は先ほどより瞳が大きくなっており、白目は真っ赤に充血しておりました。

このDVD、人気がなかったからマイナーなのではと思い始めました。不気味すぎます。スピンオフか、大人向けのファンに販売されたのかもしれません。ただ『パワーパフガールズ』は小さい女の子向けのアニメ。こんな不気味なものがヒットするはずがありません。

博士は椅子から立ち上がり、ゆっくりと階段に向かって歩き始めました。カメラは彼の肩の揺れと一緒に揺れたので、まるで見ている側としては彼と一緒に歩いているかのようでした。

階段は遠く離れているように見えました。するとふい彼の目の前に何かぼんやりとした姿が現われました。彼は凍りつきました。私もです。彼は冷や汗をかき、走り出しました。謎の姿は気味悪く笑って、消えてしまいました。

走っているうちに、博士は図らずも階段を上っていました。廊下の向こうから何かが近づいてくることに気づいた彼はガールズのいる子供部屋のドアノブをつかむため再び走り出しました。

最終的に博士は謎の黒い影に出くわし、対峙することに。黒い影が博士に向かってスライドし、画面が不安定になりました。イヤフォンからは博士の呼吸音が聞こえてきました。正直不気味すぎます。これは一体なんだったのでしょうか。

生暖かい感触

生暖かい感触を私自身の肩にも感じ、耳のそばでは誰かの息を感じていました。私は叫んで、無我夢中で暗闇のリビングから外に出て、リビングの明かりをつけてみました。

何もない。娘を起こしてしまったかもしれないと思いましたが、起きた様子はありません。

DVDを止めるべきだとも思いましたが、私は娘のために必死でした。これが大人向けのバージョンのDVDだったとして、リリーが大きくなったら… そのときはまだそう思っていましたが、今となってはこれを娘に渡すわけにはいきません。

灰色の化け物

再び再生を押すと、黒い影が博士から若干離れていることに気がつきました。

そして容姿もなんとなくわかりました。丸い灰色の顔で、窪んだ目で彼を見上げていました。

ソレは口をゆっくり広げ、大きく息を吸い込みました。同時に息を吸うような音も流れたのですが、次第に音は高くなっていき、ありえないほど高いピッチの音になりました。その音が今度は次第に低くなると、画面はどんどん歪んでいきました。

ホワイトノイズが一瞬鳴り響き、黒い影の姿が消え、画面も元に戻りました。博士は周りを見回し、黒い影がいなくなったことを確認しました。ソレはどこへ行ったのでしょう。彼の幻覚だとでも?彼の想像上の出来事?あるいは私の想像上の出来事?

彼はカメラに向かって向きを変えました。その瞬間、画面一面に大声で叫ぶ化け物の顔が映し出されたのです。これにはビックリ。私は音量を下げ、ガタガタ震えました。別のフレームが一瞬映りました。

私はこのフレームを確認すべく、DVDを巻き戻して一時停止しました。ソレは灰色の服を着た姉妹で、顔や服の様子から腐敗しているように描かれていました。

エンディング

視聴を再開すると、博士は子供部屋に逃げ込み、2人のパワーパフガールズが穏やかに眠っていることを確認しました。バターカップに、ブロッサム、…バブルスがいません

ただ博士はそれに全く驚く様子もありませんでした。彼はベッドサイドに膝を立てて座り、彼女たちが寝ている様子を見ました。

彼は微笑み、バターカップの髪をなでました。彼は窓辺まで行き、金髪の女の子(バブルス)が本来ならば寝ているはずの場所に目をやりました。

すると白い影が画面端から現われ、博士の目が真っ黒になり、口が引き裂かれ、絶叫。画面がブラックアウトし、音も消え、タイトルの「episode」が再び表示されました。終わったのです。

私はあまりの驚きに叫ぶことも出来ず、凍り付いてしまいました。

2枚目「Real」

何をすべきなのかすらわかりませんでした。何をすべき…もう一つDVDが入っていました。私自身見たくはありません。しかし、娘が今後これを手に入れて見てしまうような事態を防ぎたかったのです。

私は次のDVDを挿入しました。「Real」というタイトルでした。

博士の実験

こっちのDVDはいつものようなオープニングから始まりました。テーマソングが流れ、私自身落ち着きを取り戻していると実感できました。

そしてタイトルの「Real」が表示されました。しかしクレジット表示はやはりありませんでした。その後、画面がブラックアウトし日本語のレタリングで「遊ぶ(Asobu)」と表示されました。

再び画面がブラックアウトしたのですが、その前に工場で録画されたような、騒々しい映像が一瞬流れました。

博士は実験室にいました。何らかの薬品を調合しているようでした。

ガールズは「ケミカルX」という薬品を持って彼の後ろから姿を現しました。そして博士の薬品に満遍なく注ぎました。

混合物からは煙が上がり、バターカップが注意を促すと、ガールズたちは怖がって距離をとりました。

バブルスの異変

博士はガールズたちを自分の後ろに避難させていたのですが、バブルスは回り込んで煙を放つ混合物に近づき、覗き込んでしまいました。

煙はバブルスの顔を覆い、喉を通って進入したのです。危機を感じたバブルスは逃げようとしましたが、時既に遅し。吸い込んでしまったのです。

それからバブルスは全く面白いことを言わなくなりました。意味不明なことばかりつぶやきはじめました…。

ふとリビングルームの明かりが勝手に点灯し、私は飛び上がりました。再び落ち着くためにDVDを一時停止しました。ここで確かめたいことがあったのです。

バブルスの意味不明な発言。そのとき数多くのフレームが点滅したのです。悪役達がコテンパンにやられている場面が表示されていました。その中には私も見たことのある回のシーンも入っていました。ときには「発狂していたり」「死んでいる」ように見える画像もありました。

「それだけではない」

バブルスは再び静かになり、赤い目で画面を見つめてきました。灰色と元のバブルスの色が揺らぎ、テーマソングが逆再生を始めました。

バブルスは天井を突き破り、どこかへ飛んでいってしまいました。他のガールズは追うことはせず、天井の穴をじっと見ていました。

私は…このDVDを決して忘れられないでしょう。

次の場面は幼稚園の教室の先生のシーンでした。先生はバブルスの入った扉の方を見て、発狂し歯茎を出して笑い始めました。笑い声はしずかに響き渡り、次のシーンに移る前に、彼女自身で身を投げて死んでしまいました。

実写パート?

次のシーンを文字に起こすのは難しいです。実写だったのです。

画面が表示されたとき、多少の揺らぎが出ました。録音は不安定で、聞き取りづらいものでした。正装の男性がカメラマンに向かって近づいてきているようでした。会話自体は日本語で、男性は異様に大柄で、笑顔でした。

彼は笑ってはいましたが、彼の目にはカメラに対する嫌悪感が宿っていました。周りの様子から空港のように見えました。

私は唐突の場面転換に眉をひそめました。

すると1人の少女が映し出されました。誇らしげな彼女の手には私が購入して今見ているDVDと全く同じDVDのジャケットが。やがて画面がぼやけ、場面が映りました。

私は激しい動悸を感じ、椅子の手すりを固く握っていました。

日本の教室のような部屋でカメラが固定されたのか映像の揺れや動きが止まりました。さきほどの正装の男性が部屋の隅でひどく動揺し泣き叫んでいました。日本語で話しておりましたが、パニクっていることはわかりました。

そして私の心はもう限界に達しつつありました。

なぜなら部屋の反対側の隅に、灰色の人物が死角から見え隠れしていたのです。

先ほどのカメラマンと思われる声が呼びかけました。恐怖と悲しみに満ちた泣き声を放つ男性は、廊下に出て、そこにいた謎の子供に助けをもとめようとしたようでしたが、その瞬間大量の血液がカメラを覆いました。そして映像は再びアニメに…。

カメラマンの正体

私は上記の実写部分を見て何か違和感を感じました。カメラマン、そうこの一部始終の記録者であるカメラマン。教室のようなところでカメラを固定しているシーンも映っていたのですが、この顔…。私にDVDを売った人物のものでした。私は彼のアカウントから顔を知っていたのです。

はぁ、神様…。これは警告だったんですね。ただの不気味なDVDではなかったんですね。

バブルスの悪霊

再び音が流れ始め、群集がバブルスの周りに集まっていました。ブロッサムは悲しそうにバブルスの死体を見つめながら、うなだれています。バターカップは博士の側にいて、博士は慰めていました。黒い部分が画面を次第に侵食していき、最終的に画面は真っ黒になりました。

つぎのシーンで画面はゆっくりと行進する、激しく憤り、赤い目をしたバブルスが映し出されました。苦しそうな重い呼吸は、バブルスが近づいてくるにしたがって大きくなってきました。

そして突然タイトル画面へ。無音。終わったのです。

呪いのDVD

ショックのあまり、動くことが出来ませんでした。1分後、イヤフォンに手を伸ばし、耳から外しました。ノートパソコンからDVDを取り出し、ケースに戻しました。

この目で見たものでしたが、信じることはできませんでした。寝室に行き、電気を消したあと、妙なシューっという音を聞きました。囁き声のような…廊下の向こう側から聞こえてくるようでした。

鳥肌が立ちました。とはいえ、確認せねば。廊下の奥を凝視しました。階段の方に小さな黒い影が…。正直怖くてしかたがありませんでした。自分の部屋に戻り、ドアを閉めました。あまりの緊張で動くことはおろか、呼吸すらままなりませんでした。

しばらくしてある程度自由が利くようになった後、私はドアをノックし必死に叫びました。リリーが起きてくれるかも!勇気を持って唇を噛み、肌を掴んで、ドアを勢いよく開けました。

リリーがいました。

謎の大きな袋が彼女の足元に置かれていて、言いました。

「わたし、こわい夢を見たの…」

まとめ

今日も皆救われた!サンキュー、パワーパフガールズ!!(小堺 一機)

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ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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