ゲームの墓場?クソゲーが埋められた砂漠

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面白いと思えるゲームは人により様々。

レビューサイトを念入りにチェックして地雷を踏まないようにしても、自分にとってつまらないゲームを手にしてしまうことはございます。

とはいえ、いわゆる「クソゲー」というものに関しては総じてレビューが低く、多くの人が購入を避けるようになります。それにより大量の在庫を抱えてしまうわけです。

中には不良在庫を抱えたまま、倒産してしまったゲーム会社もございました。

そんな会社の抱えていた不良在庫のゲームはどうするのでしょうか?保管しておくにも費用がかかります。

歴史に残るゲーム会社「アタリ」はある答えを出しました…

砂漠に埋めればいいや

今回はアタリ社が伝説のクソゲー『E.T.』を砂漠に埋めたという都市伝説をご紹介したく存じます。

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アタリ社の『E.T.』

砂漠に埋められたゲームは、アタリ社が発売した『E.T. The Extra-Terrestrial』という「Atari 2800」用のゲームでした。

アタリ社

アタリ社(ATARI)は1972年に「ノーラン・ブッシュネル」氏が設立したアメリカのゲーム会社です。個人用テレビゲームを作ることを主な事業内容にした最初の株式会社なのです。

テーブルテニス『ポン』

まだまだゲームセンターにあるようなアーケードゲームが主流だった1974年、アタリ社は家庭用ゲームとしてテーブルテニス『ポン』を発売。これが大ヒットし、家庭用ゲームの市場が動き出しました。

Atari 2600構想

上記のテーブルテニス『ポン』に続き、『ポンダブルス』や『スペースレース』などのヒットゲームを発売。大金を稼ぐと同時に、先駆者としてゲーム市場を切り開きました。アタリ社以外にも様々な会社がゲーム市場に参入してきたのです。

さらにアタリ社は次世代のカセット式ゲームの「Atari 2600」の構想を立ち上げました。

ワーナーからの融資

アタリ社がAtari 2600を開発するために必要になったのが莫大な資金でした。

しかし、アタリ社は融資を受けることがなかなかできませんでした。なぜならば、当時家庭用ゲームに関する規制が整備されておらず、ゲーム業界はコピーや改造がまかり通っているようなヤクザ的な業界であるという認識が広まっていたのです。

しかし、アタリ社には類稀なゲーム開発の技術があったのです。そこに目をつけたのがバックス・バニーでお馴染みの「ワーナー・ブラザース」社。ワーナー社の買収により融資を得たアタリ社は1977年に見事Atari 2600を発売することが出来ました。

ワーナー社からの刺客

苦労してリリースしたAtari 2600でございましたが、ゲームを制作するサードパーティが次々と倒産するなどの不運なアクシデントに見舞われ、売り上げは不振でした。

そんなアタリ社の業績を見兼ねたワーナー社は、繊維業界の営業職として業績を上げていた「レイモンド・カサール」氏を派遣してきたのです。

カサール氏によりAtari 2600の厳しい売り上げ目標が掲げられ、ゲーム内容はお構いなし、売り上げだけを重視する経営に変わっていきました。

創業者追放

カサール氏の経営方針の改革も功を奏さず、Atari 2600の売り上げは依然として伸び悩んでおりました。そこでワーナー社はAtari 2600の事業縮小・中止を提案。

アタリ社の創業者であるブッシュネル氏はそれに猛反発し、1978年12月に仲間達と共にワーナー側の人間を抜きに重役会議を行いました。

後日その話を聞いたワーナー社はブッシュネル氏の不誠実さに激怒。ブッシュネル氏をアタリ社から事実上強制的に追放してしまいました。

創業者が自分で立ち上げた会社にいた期間は6年にも満たなかったということに…

アタリショック

その後、紆余曲折を経て、先のワーナー社からの堅物カサール氏がアタリ社の社長に就任しました。

カサール氏の功績は『スペースインベーダー』をAtari 2600に移植したことでした。そう、彼には新しい面白いゲームを生み出す能力がなかったのです(部下が提案しても却下される等)。

そしてアタリ社は伝説のクソゲーを開発してしまったのです…

『E.T. The Extra-Terrestrial』。詳しくは後述しますが、超人気映画『E.T.』のゲーム版で鳴り物入りでの宣伝が行われました。

しかし実際のゲームの出来は酷く、大失敗

そんな迷走しているアタリ社を尻目に、他の競合企業が次々と次世代ハードをリリースしていきました。

アタリ社はさらに焦り、次世代機「Atari 5200」をリリース。しかし旧世代のAtari 2600のカセットに互換性がない等の致命的な欠点があり、こちらの売り上げも振るいませんでした。

これを受けてカサール氏を社長から解任するも時既に遅し。

アタリ社はワーナー社から切り離され、2社に分社されました。

『E.T. The Extra-Terrestrial』

さてアタリ社の失敗の始まりとなったゲーム史上最低のゲーム『E.T. The Extra-Terrestrial』。以下にその概要を記載いたします。

概要

タイトル:E.T. The Extra-Terrestrial(E.T.)

ジャンル:アクションゲーム

開発元:アタリ

発売元:アタリ

対応機種:Atari 2600

ゲーム内容

ゲーム内容としてはスティーブン・スピルバーグ監督の映画『E.T.』に登場する宇宙人「E.T」を操作し、6つのフィールドに点在する通信機のパーツを3つ集め宇宙船に逃げ込むというゲームになっております。


※上記の画像の上部の黄緑色の恐竜のようなキャラがE.T.です。

フィールドにはアイテムを回収しに襲い掛かるFBI捜査官や、E.T.を別のフィールドにワープさせる科学者などの敵キャラが存在します。

アイテムを探して手に入れるためには、一々フィールドに空いている穴に落ちなければなりません。これがかなり面倒です。

参考までに実際のプレイ画面につきましては以下の動画をご参照ください。

ビデオゲームの墓場

先述の通り、上記の『E.T.』のゲームは全く売れませんでした。

在庫を保管しておくのにも費用がかかりますので、カサール氏が解任された後にアタリ社の社長に就任した「ジェームズ・モーガン」氏に任されたのは『E.T.』などの不良在庫の処分でした。

ニューメキシコ州アラモゴード

1983年9月、アタリ社は売れ残った数百万本ものゲームソフトをアメリカのニューメキシコ州アラモゴードにある市有埋立地に埋めてしまいました。

もはや砂漠ですね。

これを1983年9月27日にUPI通信社が報道。あくまでも目撃者からのタレコミがあったという体で記事が出されました。さらに9月28日には別の報道機関が地元の子供が埋立地からゲームを盗んできているという記事を出すなど、アタリ社の在庫処分問題は世間を騒がせました。

後日9月29日に行われた処分では、廃棄物をコンクリートに固めてから埋めるという異例の処分方法がとられました。当時の廃棄作業員曰く、「動物の死骸があり、興味本位に掘り出した子供達が怪我すると危ないから」とのこと。

しかし、多くの人が「アタリ社はゲームを捨てたんだ。コンクリートに固めたのは盗られないようにするためだ!」と考えていました。

ともあれ、これだけ大規模な廃棄がいつまでも認められるわけがなく、即座に地元の管理官に停止が命じられたのです。

都市伝説

時は流れ、次第に上記のニューメキシコ州アラモゴードにゲームが埋められているなんて考える人は少なくなり、上記のアタリの廃棄は嘘のように語られるようになりました。

アラモゴードの砂漠には、アタリ社のゲームカセットが何百万本も埋まっている

…今の皆様が何の前知識もなしにお聞きになられたら、突拍子も無い都市伝説感に呆れてしまうほど嘘くさいですよね。

次第にこの噂は嘘だという説が主流になってきてしまいました。

発掘作業

しかし、2013年5月、この「ゲームの墓場」を発掘するプロジェクトが立ち上げられました。立ち上げたのはカナダのエンターテインメント企業「フューエル・インダストリー」。

アラモゴード市も半年間の発掘とドキュメンタリー映像の撮影を許可し、2014年に入ってニューメキシコ州環境局の許可も下りました。

2014年4月26日にアラモゴードの発掘が行われ、その結果、なんと『E.T.』が発掘されたのです。

実際に廃棄されたのは百万本に近いゲームカセットでしたが、この発掘では1,300本ものカセットの回収に成功しました。

まとめ

都市伝説が本当のこともあるんだなぁ

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ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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