ユンゲラーの件でユリゲラーが任天堂を訴えたのは事実だった

Pocket

初代から登場しているおなじみのポケモン「ユンゲラー」

右手にスプーンを持った強力なエスパーポケモンです。

このユンゲラーはある人物がモデルになっております。その人物とはイギリスの有名な超能力者「ユリ・ゲラー」氏。

このユリ・ゲラー氏は日本でもスプーン曲げを始めとする超能力で一世を風靡した有名人です。

さて、ユンゲラーに関して噂されている都市伝説に…

ユリ・ゲラー氏は「ユンゲラーは私のパクリだ!」
と任天堂相手に訴訟を起こした

というものがございます。

実はこの都市伝説は事実なのです。

今回はユンゲラー・ユリゲラー事件についてご紹介したく存じます。

スポンサーリンク
レクタングル大

ユンゲラーとユリ・ゲラー

まずはポケモンのユンゲラーと超能力者のユリ・ゲラー氏ついてそれぞれご紹介いたします。

ねんりきポケモン「ユンゲラー」

初代ポケモン(赤・緑・青・黄)から登場したねんりきポケモンのユンゲラー。

「ケーシィ」というポケモンの進化形で、かなり強面なポケモンです。

ポケモン図鑑

ユンゲラー


ポケットモンスター ユンゲラー ポケモンカード

分類:ねんりきポケモン
タイプ:エスパー
高さ:1.3m
重さ:56.5kg

あるあさのこと。 ちょうのうりょく しょうねんが ベッドから めざめると ユンゲラーに へんしん していた。

からだから とくべつな アルファはが でていて そばに ちかよるだけで あたまが いたくなってくる。

ユンゲラーが ちかくに いると とけいが ぎゃくかいてん したり おかしなことが おこるらしい。

と上記から相当な超能力を持ったポケモンであることが伺えます。

「ちょうのうりょく しょうねん」とは進化前のケーシィのことなのでしょうか。

進化系

先ほどユンゲラーはケーシィの進化形であるという旨を述べましたが、ユンゲラーには前後の進化系がございます。

進化前

ケーシィを16lvまで育てるとユンゲラーに進化します。

ケーシィ


ポケットモンスター ケーシィ ポケモンカード

分類:ねんりきポケモン
タイプ:エスパー
高さ:0.9m
重さ:19.5kg

1にち 18じかんは ねている。ねむってる あいだでも さまざまな ちょうのうりょくを つかう。

あいての かんがえてる ことを よみとって ピンチに なるまえに テレポートで にげてしまう。

1にちに 18じかん ねむる。きけんが せまると ねたままでも テレポートして にげる。

寝すぎですね。ちなみにケーシィは実在した予言者「エドガー・ケイシー」氏から名前を取ったと言われております。

進化後

ユンゲラーを通信交換するとフーディンに進化します。

フーディン


ポケモンカード フーディン

分類:ねんりきポケモン
タイプ:エスパー
高さ:1.5m
重さ:48.0kg

ちからわざを あまり このまず ちょうのうりょくを じざいに あやつって あいてを たおす。

スーパーコンピュータより すばやく けいさんする ずのうを もつ。ちのうしすうは だいたい5000。

なんでも おぼえることができる。たいけんした あらゆることを わすれないので あたまがいいのだ。

なんだか進化前の2種類のポケモンよりも説明文があっさりしている気がしますが、ともかく頭が良いポケモンだということがわかります。

ちなみにフーディンにも名前の由来があり、アメリカ史最大の奇術師と呼ばれている「ハリー・フーディーニ」氏からきていると言われております。

ねんりきおじさん「ユリ・ゲラー」

ユリ・ゲラー氏は中東のイスラエルから突如アメリカにやってきました。

本物の超能力者?!

ユリ・ゲラー氏をイスラエルから連れてきたのが、アメリカの超心理学者アンドリア・プハリッチ氏。


アンドリヤ・H・プハーリック (著), 井上篤夫訳 (著)

1972年、プハリッチ氏は本物の超能力者としてユリ・ゲラー氏をアメリカに連れてきたのです。

プハリッチ氏によると、プハリッチ氏とユリ・ゲラー氏のふたりは何兆光年も離れた惑星フーバの宇宙船からコンピューターで操作されているとのこと。

そんなとんでもないコンビが結成されたのです。

最大手の研究機関のテストもパス…?

渡米直後の1972年、ユリ・ゲラー氏はアメリカの最大手の研究機関「SRIインターナショナル」にて超能力テストを受けることに。

まず簡単なテストが行われました。

テレパシー簡易テスト…通過

透視簡易テスト…通過

と、一見超能力を駆使しているように見えたユリ・ゲラー氏。SRIインターナショナルの研究員たちも興味津々。ユリ・ゲラー氏により厳密なテストを受けてもらおうとしましたが…

なんとユリ・ゲラー氏は一方的にテストの終了を宣言し、帰ってしまいました。

来日し、大ブーム!

そんなユリ・ゲラー氏はじわじわとアメリカやイギリスのメディアに出演するようになりました。

しかし既にダイナミックな手品が流行っていた欧米諸国では、彼の超能力は脚光を浴びることはありませんでした。

そこで目をつけたのが、日本。彼は颯爽と来日し、様々なテレビ番組に出演しました。

彼の代表的な超能力「スプーン曲げ」は日本国民を虜にし、皆がこぞってスプーンを握り締めた時代もございました。

そんなこんなで日本では「超能力者といえばユリ・ゲラー」「ユリ・ゲラーといえばスプーン曲げ」というマジカルバナナができたのです。

ちなみに当時スプーン曲げの真似をしていた人は「ゲラリーニ」と呼ばれておりました。


ユリ・ゲラーのあなたも超能力者になれる!!

ユリ・ゲラー裁判

さて、ここからが本題。

超能力者のユリ・ゲラー氏がポケモンのユンゲラーを理由に任天堂を相手に裁判を起こしたというのですが本当なのでしょうか。

来日した際にクリスマスの東京で…

時は1999年の12月。ユリ・ゲラー氏は仕事で東京に滞在しておりました。

クリスマス商戦でごった返しているおもちゃ屋さん「ポケモンセンター」の店頭にて、ユリ・ゲラー氏は驚愕しました。

・・・その目に映っていたのはユンゲラーのポケモンカード

彼はそのポケモンカードから

  • スプーンを持ったポケモンがいる。
  • エスパータイプらしい。
  • 名前はなんと「ユンゲラー」!

ということを知り、憤慨してしまいました。

・・・600億ポンド(約8兆円)もの市場規模を形成した任天堂が俺のイメージと名前を無断に使ってるじゃねーか!!

ユリ・ゲラー怒りのコメント

以下が当時のユリ・ゲラー氏の怒りのコメントを私なりに翻訳したものです。

任天堂は俺の名前とイメージを使ってお金を稼ごうとしただけでなく、ポケモンカードの流通を利用して俺の知名度も下げようとしているのかもしれない。

俺は何通もメールを貰ったよ。「本当にユリゲラーのカードなの?」とか「任天堂に名前を使ってもらえるなんてスゲーじゃん」とかね。

この件に関してはかなり憤りを感じてる。許すつもりはないよ。何せ俺をモデルにして悪いキャラクターが作られたんだからね。

昔から俺の超能力が本物かどうかについての議論がなされてきたけど、今回はそれとは全く違う。これは正しく俺に対する名誉毀損だ。

かなりお怒りだったようです。ユンゲラーは悪いポケモンというわけではないですが、たしかに「わるいユンゲラー」というカードもございますものね。


わるいユンゲラー ポケモンカード

2000年ロサンゼルス連邦裁判

そしてユリ・ゲラー氏は翌2000年にアメリカのロサンゼルス連邦裁判所にて任天堂を相手に訴訟を起こしました。

求めた損害賠償金額はなんと

6,000万ポンド(約101億円)

判決

この訴えに対し、ロサンゼルス連邦裁判所の判事は

問題のポケモンの名称は欧米においては「Kadabra(カダブラ)」であり、「ユンゲラー」という名称は日本版のポケモンのみの設定である。

日本で発売された商品には米国の法を適用することができない。

という旨の判決を出しました。つまり任天堂は勝訴、ユリ・ゲラー氏は敗訴したのです。

嘘の判決

この都市伝説につきまとうのが、

任天堂側がユリ・ゲラー氏に直接「このキャラクターは超能力を使えますが、あなたの権利を侵害しているというのならこの場で超能力を見せてください」と言い放った。

ユリ・ゲラー氏はぐうの音も出ず、敗訴した。

というものがございますが、これは嘘なのです。

裁判の余波

上記「ユリ・ゲラー裁判」で任天堂は晴れて勝訴したのですが、結局ユンゲラーはその後肩身の狭い思いをすることを強いられました。

ポケモンカード

まず、ユリ・ゲラー裁判の火種となったポケモンカード。

2001年に発売された「ポケモンカードe」というシリーズより後、ユンゲラーのカードは一切登場しなくなりました。現在でもユンゲラーのカードは復活しておりません。

ちなみにケーシィやフーディンも巻き添えを食らい、2006年までリリースされませんでした。

アニメ

ユリ・ゲラー裁判はアニメ『ポケットモンスター』にまで影響を与えました。

アニメではカントー地方のヤマブキシティのジムリーダー「ナツメ」のポケモンとして恐るべき実力を発揮したユンゲラー。

しかしその後はユリ・ゲラー裁判の影響で登場回数が著しく減ってしまったのです。

酷いケースでは、「ミルというキャラクターのパートナーは原作ではユンゲラーであったのに対し、アニメ版ではケーシィに変えられた」などがございます。

まとめ

そんなん言うたら、サワムラーのモデルの沢村忠さんはどうなるんだい?

<<ポケモンの都市伝説まとめ>>

<<『アンパンマン』のチーズは元々はバイキンマンの手下だった>>

<<『ドラえもん』の幻の回「タレント」>>

<<ハンドスピナーブームは悪魔崇拝者によって起こされた>>

<<「マイアミゾンビ事件」本当にあったゾンビ事件>>

ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

スポンサーリンク
レクタングル大