「販売規則」「ひいひいじいちゃんの手紙」「母の遺したカセットテープ」「出会い系で再会」「サツキとメイへの手紙」
本エントリーでは、意味がわかると怖い話(意味怖・意味深)を扱っております。なぞなぞ感覚でお楽しみください。
皆様、意味がわかると怖い話、好きですか?
謎が解けた後、すっきりするわけでなく、ゾッとするような話。
今回も前エントリー同様、5つ集めてみました。
私なりのヒントや解説も記載しておりますので、解説などがお嫌いな方はご注意ください。
目次
販売規則
本文
スーパーで買い物していた男が、ドッグフードを2缶持ってレジの所へ行った。
キャッシャーが尋ねる、
「犬を飼ってらっしゃるのですか?」
「ええ、そうですよ」
「犬はどこですか?」
「家ですよ」
「申し訳ありません。犬を確認しないことには、ドッグフードはお売りできないんですよ。規則なんです」次の日、その男はキャットフードを持ってレジに並んだ。
「猫も飼ってらっしゃるんですか?」
「ええ、でも家に置いてきてますけど」
「申し訳ありません。猫を確認しないことにはお売りできないんです。規則なんですよ」また次の日、その男は紙袋を持ってレジに並び、キャッシャーに言った。
「ちょっとこの紙袋に手を入れてみてくれないか?」
「何かしら、温かくて軟らかいものが触れたわ」「今日はトイレットペーパーを買いに来たんだ」
ヒント
この店には
・ドッグフードを購入するには、犬を確認させなければならない。
・キャットフードを購入するには、猫を確認させなければならない。
という規則があるようです。
トイレットペーパーを購入する際には、何かを確認してもらう必要があるのでしょうか?
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解説
物語の男性は、2回も販売規則から買い物を失敗なさっております。
そこで男性は「この店で買い物するには、本当に必要かどうか示さなくてはいけないんだ」と思い込んだのかもしれません。
つまり、トイレットペーパーを購入するために、排泄物を確認させてきたという汚い話です。
出だしから、申し訳ございません。
ひいひいじいちゃんの手紙
本文
俺が子供の時、ひいばあちゃんが言った。
大正五年生まれのウメばあちゃんだ。
ウメばあちゃんは、生まれてすぐにお父さん(源次郎さんという名前だ)が失踪して、 苦労したらしい。
ウメばあちゃんのお母さん、つまり俺から見たらひいひいばあちゃんにあたるヤスばあちゃんは、 気が強くて、世間からつまはじきにされていたらしい。
「あたしたちはほんといろいろ嫌がらせされたねえ。ずいぶんひどいことも言われたし」
「どんなこと?」
「おっかさんが嘘つきだとか、自分の亭主を殺したんだろうとか。もちろん、あたしゃそんなこと信じてないよ。おっかさんはやさしい人だったよ」
「ふうん、ずいぶんひどいことを言われたんだねえ」
「そうさ、あいつら何にも知らないくせにおっかさんのことを人殺しだなんて。どれ、おまえに見せてやろう。あたしのおとっさんはね、大陸に行ってたのさ」
そう言って、古い便箋を取り出してきた。そこにはこう書いてあった。『ヤス、ウメ。
突然いなくなってしまって済まない。実は今、大陸にいる。詳しくは言えないが、お国の仕事だ。
今、おまえたちも知っているとおり、第一次世界大戦の真っ最中だ。
私は国の仕事で大陸の情勢を調べなければならない。危険な任務だ。
もしかしたら生きては帰れないかもしれない。
もし私が帰れなくても、おまえたちは強く、しっかり生きていきなさい。
ヤス、ウメのことを頼む。
大正七年一月』「あたしも大人になった頃だね、どうかしてたんだろうね、おっかさんに本当はおっかさんがおとっさんを殺したのかって聞いたんだ。
そうしたら、おっかさんがこの便箋を見せてくれてね。お国の仕事だから今までおまえには言えなかったけど、おとっさんは死んだとしても国のために死んだんだよ、って言って」
でも俺は気づいてしまった。
そのことは、ひいばあちゃんには言えなかった。
ヒント
主人公は手紙のあるおかしな言い回しに気づきました。
手紙の中には、書かれた時には存在しないはずの表現が隠されているのです。
解説
ひいひいおじいちゃんの手紙として、おばあちゃんが受け取った手紙。
ここで皆様に注目していただきたいのは、
「第一次世界大戦」
これは少なくとも第一次世界大戦当時は、用いられるはずのない表現です。第二次世界大戦が起こって初めて、第一世界大戦と呼ばれるようになるはずではございませんか。
よって、主人公は、この手紙が戦後、ひいひいばあちゃんによって捏造された物であるということに気づいてしまったのです。
母の遺したカセットテープ
本文
近所の開業医が病に倒れた。
我が家では、親子2代に渡って世話になった医者だ。
俺は残念ながら、母親の死に目に会うことはできなかったが、
母親の最後を看取ったのも、その医者だった。見舞いに行くと、1本のカセットテープを渡された。
医「君のお母さんが、死に際に録音したカセットだ。」
俺「なんで今まで・・・。」
医「墓まで持っていくつもりだったが、今の君なら乗り越えるだろう。」カセットテープなんて前時代的な代物、見るのも初めてだ。
幸い、古いAV機器を収集している友人がいるので、頼むことにした。 友「これが巻戻し、再生、早送り、一時停止、停止。」
友「で、この赤いボタンが録音だから、押さないように。」
友「カセットの爪を折っておくと、録音できないようにできるぞ。」
友「爪を折ってしまっても、セロテープを貼ると録音できるんだ。」
友「更に、このボタンが押してあると、ぎゃ!」いつ終わるとも知れない友人の説明に、うんざりしていた俺は、
半ば強引にカセットデッキを奪い取った。俺「おう、それだけ聞けば十分だ、悪いが借りていくぞ。」
友「いいけど、大切に扱えよな!」早速、家に帰って再生してみると、
ガタガタと騒がしい音が入っていた後、
しばらくして人の声が聞こえ始めたが、
はっきり言って、意味不明だ。「えにせにせにせにす
いのなねさわいそまみ
あべれかねらむえあせあも
いうきなげあも」後日、その真意を知ったとき、
俺は本当に悲しかった。
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ヒント
古いラジカセ。主人公は友人がとある機能の説明をしている最中にラジカセを取り上げております。なので、主人公は、あるボタンが押してある状態のまま、再生ボタンを押してしまったのです。その結果、
「えにせにせにせにす
いのなねさわいそまみ
あべれかねらむえあせあも
いうきなげあも」
という意味不明な言葉が。
解説
当時、多くのラジカセには逆再生機能が搭載されておりました。その操作方法は、大体が巻き戻しボタンを押しながら、再生ボタンを押すというもの。
主人公の友人はその機能を説明しようと巻き戻しボタンをおしましたが、再生ボタンを押す前に、主人公にラジカセを取り上げられてしまいました。
主人公はその巻き戻しボタンが押し込んである状態でテープを再生したので、一見意味不明な言葉が録音されたテープだと思ったのです。
「えにせにせにせにす
いのなねさわいそまみ
あべれかねらむえあせあも
いうきなげあも」
の逆再生。これを解読するにはいったんローマ字にした方がわかりやすいかと存じます。
「ENISENISENIS
INONANESAWAISOMAMI
ABEREKANERAMUEASEAMO
IUKINAGEAMO」
これを逆から読むと
「OMAEGANIKUI
OMAESAEUMARENAKEREBA
IMAMOSIAWASENANONI
SINESINESINE」
「おまえがにくい
おまえさえうまれなければ
いまもしあわせなのに
しねしねしね」
主人公にはつらすぎる言葉です。
出会い系で再会
本文
暇つぶしに出会い系を見ていたら、中学時代の友人だったSという子のプロフを見つけた。
HN、趣味などはテキトーだったが、写メを見た瞬間Sだとわかった。
△△市(私の地元)在住とあるので、間違いない。
これは連絡をとらなくてはと思い、すぐに貼られていた捨てアドにメールをしました。
私『Sだよね?覚えてるかな、中学で一緒だった○○だよ』
すると、すぐに返事があった。
S『○○ちゃん?うわー懐かしい!』
私『あの掲示板で見つけてびっくりしたよ!変わってないね~やっぱり可愛いなぁ。今はどうしてるの?』
S『学校に通ってるよ』
私『あっ、じゃあもしかして□□大学?家近かったよね!』
S『そうだよ!』
私『すごい!!中学から成績優秀だったもんね~』
S『そんなことないよ。しかも最近、裏の道路が工事中で勉強に集中できないんだ』
私『裏の道路って□□通り?』
S『そうそう!なんか新しい店つくるみたい』
私『そうなんだぁ。コンビニの隣ってずっと空き地だったもんねぇ』
S『うん。○○ちゃん、よく覚えてるね』
私『だってSの家はしょっちゅう遊びに行ってたじゃん!中学近かったし、隣の公園でサボってアイス食べるのとか最高だったよね(笑)』次に来たメールを見た時、私は背筋が凍った。
S『特定した。ありがとう』
ヒント
Sのアカウントが提供している情報は、住んでいる市町村のみです。
その他の具体的な情報は主人公から発せられています。極めつけは最後のSのメール。
解説
メールの送信主はS本人ではなく、Sを隠れて探している人物だったのです。
その人物に主人公はポロポロとSの情報を垂れ流し、結果Sが特定されてしまうことになります。
皆様は、情報の管理をしっかりなされるよう、ご注意ください。
サツキとメイへの手紙
本文
先日病院のお母さんに
トトロに会ったことを書いて手紙を送りました
そしたらすぐにお返しの手紙が来ました
本当にすぐに来たんです!
かなり急いだのかところどころ字がまちがってますサツキとメイへ
『お手紙読みました。
とってもすできですね。
今日は体のぐめいが悪くてお散歩にいけません
薄暗い病院に要ると気が滅入っちゃう
はやくげ源気にならなくちゃ
またおて神書きますいつのまにか五時前です
サツキ、メイをよろしくお願いね』おかあさんったらどうしたのかしら
いっぱい字をまちがえてるわ
お手紙はゆっくり丁寧に書けって
いつも言ってたのにあらこんな時間にだれかしら?
ヒント
おかあさんの手紙には字の間違いが散見されます。たとえ急いでいたとしても、これだけ間違えることはないかと存じます。
ところで、字の間違いって別の表現でなんと言えばよろしいのでしたっけ?
解説
字の間違い⇒誤字
おかあさんの手紙には
「いつのまにか五時前です」。
五時前⇒誤字の前
ここから手紙中の誤字に注目します。
サツキとメイへ
『お手紙読みました。
とってもすできですね。
今日は体のぐめいが悪くてお散歩にいけません
薄暗い病院に要ると気が滅入っちゃう
はやくげ源気にならなくちゃ
またおて神書きますいつのまにか五時前です
サツキ、メイをよろしくお願いね』
「でめ要源神」…まだ意味不明です。
ここでもう一度、五時前を意識してみてください。
今注目したのは、誤字です。その前の言葉を抜き出すと…
「すぐににげて」
なにがあったんや…
まとめ
手紙系は本当に伝えたいなら、ここまで難解だと絶対に伝わりませんよね。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。