車椅子の老婆(短編)

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年をとると足腰が弱っていくのは仕方の無いことです。

私も学生時代に比べると体が衰えていると感じることが多々ございます。

ただご老人だからと言っても侮れないケースもあります。

それが

車椅子生活の老婆

であったとしても。

今回は短編ですが、ミステリ調の都市伝説。1980年代のアメリカの事件らしいのですが、実際に起こった事件かどうかまでは把握できませんでした。

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階段

以下は海外の都市伝説を翻訳したものです。

要介護の老婆

1984年、1人の老婆が二階建ての家に住んでいた。彼女は自力で動くことができず、車椅子生活をしていた。彼女の夫が不審な死を遂げてからは、毎日ヘルパーが介護しにきていた。

とりわけ大変だったのが、自宅の階の移動であった。当然エレベーターなどの昇降機はない。そこで老婆が階を移動する際、ヘルパーは彼女を運ばなければならなかったのだ。

ヘルパー殺人事件

ある日、地元警察はその老婆から通報を受けた。彼女の家で殺人事件が発生したと言うのだ。

その日は警察署の刑事のほとんどが他の事件で出払っており、さらに殺人犯はその場から逃亡したということから、刑事1名が派遣された。

彼が現場に到着すると、一階には老婆のヘルパーが変わり果てた姿で倒れていた。喉元が引き裂かれ、家の一階は血の海と化していた。

老婆はというと、階段の上から刑事のことを唖然として見ていた。車椅子の上でショックで動けない様子であった。

一階

刑事はここで推理した。

現在階段の上にいる老婆は車椅子生活を強いられており、自力で階を移動することが出来ない。したがって、事件発生時も二階から動けなかったはずである…と。

ただ何年も前に起こった老婆の夫はこの一階のソファで似たように殺害されている。

現場にいる刑事は彼1人。まずはマニュアル通り、現場状況の保存・記録をしなければならない。手袋をして、写真を撮り、証拠品を回収。検死官が到着するまで被害者の遺体をビニールで覆った。

一階をあらかた調査し終わった刑事は、二階を見せてくれるかと老婆に尋ねた。彼女は一日中2階から動けなかったが、2階には誰も来なかったから何もないと主張した。とはいえ、相手は刑事。刑事は老婆の言葉を無視し、ズカズカと2階に上り車椅子の老婆の横をゆっくりと通り過ぎていった。

二階

二階には狭い廊下に扉が3つ。刑事はそれぞれの部屋を見て回った。

亡き夫の寝室…何の家具もない。お風呂場…何も。一番奥にある老婆の寝室に向かう…

扉を開く。一見、何もおかしなところはない。ベッド、洋服ダンス、ベッドサイドテーブルにその上のランプ。壁をなめるように隅々まで捜索した。

刑事はついに発見した。「ない」ということを発見したのだ。

老婆の夫の死の際に警察は見落としていた「あるものの欠如」。

上の階には電話が無かったのだ。

それに気づいた瞬間、刑事の後ろで物音がした。彼はピストルを抜き、急いで部屋を抜け出したが、そこにあったのは空の車椅子だけであった。

まとめ

実は足腰が丈夫。

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ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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