弊ブログの過去エントリーでアニメ『サザエさん』の「父さん発明の母」という一風変わった回についてご紹介いたしました。
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今回もサザエさんについて。
冬の『サザエさん』でお馴染みなのが「こたつ」ですよね。そんなこたつに焦点を当てたお話が放送されたことがあります。
こたつ依存症
という回なのですが、どうにもこの回の終わり方が不気味ということが噂されております。
内容としては全く不気味ではございません。しかし、終わりのシーンを見てしまうと「磯野家が死に絶えてしまった」かのように思えてしまうというのですが…
今回はアニメ『サザエさん』より「こたつ依存症」についてご紹介いたします。
こたつ依存症
問題の回「こたつ依存症」は2007年1月21日に放送されました(作品No.5822)。
脚本は城山昇氏、演出は村山修氏によるものです。
サザエさん 【こたつ依存症】(Youtube)
冒頭
こたつに入って思い思いにくつろいでいる磯野家でしたが、サザエさんが勝手口の戸締りを忘れてしまったことに気がつきました。
寒さに腰が重くなる中、思い切って台所へ行こうとこたつから出ると、家族の皆から「トランプ持ってきて」やら「お茶」「みかん」「新聞」などなど様々な要求をされてしまいます。
そう、舞台は真冬。普段は活発な磯野家の皆もそんな寒さの中ではこたつで休んでいたいと思ってしまうのです。
こたつの取り合い
冬の寒いある日の昼下がり。
カツオ君は学校から帰ってくるや否や、ランドセルも下ろさずにこたつに飛び込み、サザエさんに呆れられてしまいます。この際にこたつの中にいた愛猫のタマがカツオ君を引っ掻いてどこかへ行ってしまいました。
ワカメちゃんが帰ってくると、カツオ君は「冷えた体で入られると、こたつがぬるくなる」と超絶パワハラを見せつけてきます。それでも果敢にこたつに入ったワカメちゃんでしたが、カツオ君は既にこたつの大部分を占領していたのです。…カツオ君はかなりの高身長。
サザエさんも台所が寒いからとこたつでホットケーキ作りを行い、フネさんに叱られてしまいました。しぶしぶ台所で調理を行うものの、焼き始めてからはこたつから出たり入ったり… カツオ君たちからは寒くて迷惑だから止めてくれと文句を言われる始末。
カツオ君はしみじみ言いました。
「こたつが一つしかないと、本当に不便だよ」
そしてある考えを思いついたかと思うと、こたつからすっと出てどこかへ行ってしまいました。
小さいこたつ
サザエさんが廊下を歩いていると、子供部屋からワカメちゃんとタラちゃんの声が…
「狭いですぅ…」
「やっぱり大きいほうがいいわね」
不審に思ったサザエさんが引き戸を開けると、そこには小さめのこたつが置かれていて2人が入っていました。
ワカメちゃんによると、カツオ君が友だちの西原君からもう使っていないこたつを借りてきたというのです。そしてカツオ君は「宿題をやるのに邪魔だから入っていろ」と見事なパワハラぶりを発揮し、2人を借りてきた小さなこたつに追いやったと…。
サザエさんがカツオ君の様子を見に行くと、カツオ君は勉強道具を広げてはいるものの、こたつに入って居眠りをしていました。
それに憤慨したサザエさんはカツオ君も小さなこたつに追いやりました。結果的にサザエさんが大きなこたつを独占することに。
こたつの罠
こたつは人の腰を重たくするという魔力を持っています。
こたつに入ったサザエさんは、お昼のサスペンスドラマを見ようとテレビをつけました。これを見計らってカツオ君はすかさず落花生を差し出しました。
このこたつの中にサザエさんを留まらせておくことで、備蓄してあったみかんや干し柿などのお菓子を見張る者を排除することができるのです。
小さなこたつに追いやられた3人の子供たちはそれらを自室に持っていき、好き勝手食べるという夢の生活を実現することに成功しました。
フネさんがお出かけから家に帰ってくると、子供部屋には食い散らかして寝てしまっている3人の子供達がおりました。そしてサザエさんもリビングのこたつで寝てしまっていたのです。
波平さんも依存症
夜、波平さんが帰宅すると、波平さんの部屋にあの小さなこたつが…。なんでもカツオ君が貸してくれるというのです。
これには波平さんもご満悦。しかし子供達の本音は「大きなこたつに冷たい体のまま入られては困るから、まずは小さなこたつで暖まれ」という辛辣なものでした。
しばらくしてマスオさんも帰ってきたのですが、いつまで経ってもリビングに現われません。実はマスオさんと波平さんは小さなこたつで晩酌をしていたのです。波平さんに至っては、夕飯もそっちで食べると言い出す始末。
就寝前
就寝前、この日の夜の冷え込みは半端ではなかったようです。カツオ君とワカメちゃんは暖を取るべく、タマを探しに大きいこたつに向かいました。しかし、こたつにタマはおりませんでした。
結局タマは見つからず、諦めて寝ることに。
ここでワカメちゃんがカツオ君に箴言。
「こたつはやっぱり大きなこたつに皆で入ったほうがいいんじゃない?」
カツオ君もこれには同意しました。明日返しに行くようです。
一方、まだ小さいこたつで暖まっていた波平さん。しかしゴミ捨てを横着し、ゴミ箱を倒してしまいました。
しぶしぶ片付けていると、フネさんが布団を敷くついでに片付けてくれるというので、布団が敷けるまでリビングのこたつで暖まろうと… リビングのこたつの電源は既に落とされていました。がっかりする波平さん。
問題のラストシーン
そしてここからが問題のラストシーン。
異常に寒がる波平さんに対して、静かに眠る他のメンバー。そしてBGMには雫の落ちるような謎の音。
そしてしばらく誰もいないリビングが映し出されて…
タマがこたつから出てきて寒そうに鳴きます。
突然、こたつで団欒する磯野家の画像が表示されてこの回は幕を閉じます。
夕食後のサザエさん
確かに明らかにラストシーンだけ浮いている回ですね。さらによくよく見ると不可解な点があるのです。
それは物語終盤、夕食のシーン(波平さんとマスオさんがリビングに来ないという宣言をしているシーン)以降、最後のこたつでの団欒の画像を除いて、主人公のサザエさんが一切登場しないのです。
例えばマスオさんとタラちゃんが寝ているシーンがあるのですが、通常ならその横にサザエさんが寝ているはず。しかし何故か描かれていないのです。
このサザエさんの消失がラストシーンの不気味さを際立たせているともいえるのかもしれません。
ちなみにこのサザエさんの消失から「ラストシーンはサザエさんの死を暗示している」という解釈もなされております。
まとめ
やっぱりこたつは皆で入ったほうがいいよね。
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最後までお読みくださいましてありがとうございました。