本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。
皆様は、ウェブカメラ、使ってますか?
最近は安いものも多く、スカイプや個人ライブサイトなどでよく利用されてますよね。
私は持ってないですけど
今回はアメリカから、そんなウェブカメラにまつわる都市伝説。
なんでも
アガモン
という化け物が、ウェブカメラを通じて出てくるそうなのです。
今回はこの都市伝説についてご紹介したく存じます。
目次
『Don’t Turn off the Webcam』
以下は海外のとある匿名掲示板の書き込みを私なりに翻訳したものです。
美女との出会い
リンと僕は2008年に会った。彼女はワシントンの人口500人にも満たない小さな村の出身だった。当時、僕はポートランドでイベントバーテンダーとして大学の学費を稼いでいた。ある日、リンの従兄弟が結婚するということで、僕の働くコロンビア川沿いの高級ホテルで結婚式が行われることになった。彼女に会ったのはその式でのことだ。
僕はすぐにリンの存在に気がついたよ。でも、彼女は僕みたいな男がご一緒させていただくには、あまりにも美しすぎる、僕はそう自分に言い聞かせて自分を制していた。夜が更けると、ついに彼女が僕のバーにやってきて、白ワインを注文したんだ。バーテンとしての仕事の一環で、彼女とポートランドについて話した。
僕は彼女のような女の子には自分からは近寄れない性格だから、それはもう汗ダラダラだったよ。彼女はあと2日間、ポートランドにいる予定だというもんだから、おすすめの観光地とか、いろいろ話してあげた。
「うわー!わたしだけのツアーガイドさんになってくれないかしら?!」
と彼女は言った。僕の腕を掴んで笑ってる。こんなこと僕の人生でほとんどないことだった。どう反応すれば良いのかわからなかった僕は、
「いつでも、ご案内いたしますよ」
と冗談を言ってみた。その後の彼女の言葉に度肝を抜かれた。
「えーっと、じゃあ明日の午前10時半なんてどう?」
交際スタート
そしてリンとの関係が始まった。彼女は魅力的だ。無邪気で明るい。僕はすぐに彼女と恋に落ちた。僕達の間には乗り越えなければならない障害がいくつかあった。彼女はまだワシントンにいる上、俺はオレゴン州で卒業間近だ。更にリンはベトナム人で、白人の彼氏を絶対に認めない超典型的な頑固親父がいたんだ。
彼女の母親は数年前にお亡くなりになっており、彼女はその頑固親父との二人暮らし。僕なんかがヤーロウ・ポイント(ワシントンの地名)に彼女に会いに行くなんて言語道断だった。彼女がインターンシッププログラムを装って、3週間ごとに僕に会いにくるような生活が続いた。
遠距離恋愛なもんだから、しょっちゅう電話もしたし、メールも送った。
光回線がワシントンの小さな村に開通したときには、僕はウェブカメラを使って彼女を驚かせた。僕達は遠距離でも繋がれる、ウェブカメラがそれを実現してくれた。
先述通り、彼女は僕なんかにはふさわしくないほど美しいかった。だから、交際してわずか2年だったんだけど、僕はどうにか彼女と結婚できないか考えていた。早くしないと誰かに盗られてしまう。
今思うと、当時、ずっとそのことだけを考えてたなぁ。
彼女の父の他界
2010年、リンの親父さんが心臓発作で突然亡くなった。
彼女にとって親父さんはすべてだった。彼女は悲しみに打ちひしがれた。
お葬式が行われ、親父さんが埋葬されたフロリダ州から帰ってきた彼女は、両親のいない家で一人ぼっちだった。
リンの親父さんが亡くなり、僕はついに彼女に会いにいけるようになった。僕の大学の卒業式が終わった2、3週間後に、会う約束をしていた。
ある夜、恒例の就寝前の通話でリンが、彼女の親父さんは亡くなる前の数日間、奇妙な行動をしていたと言ってきた。親父さんは朝も昼も夜もリンの様子を何度も何度も確認し、家中に何かの宗教的な小道具を置き始めたのだという。
彼女は、これらの行動は、親父さんらしくないと感じているらしかった。
ベトナムの文化や宗教観は僕にとってはちんぷんかんぷんだ。リン自身も、僕と同じでちょっとばかばかしいと思う点がいくつかあるみたいだ。彼女は親父さんのいない生家で一人でいるのはあまりに辛く、気が狂いそうだと言ってきた。
彼女はそんな孤独に酷く嫌悪感を感じているようだった。彼女はウェブカメラに映る僕を見ていると、なんだか家族がいるみたいと言ってくれたので、僕はウェブカメラをオフにしないと約束した。
僕にとっては彼女が全てだった。不謹慎だが、僕は喜びの渦の中にいた。
ある深夜の通話
週末ついにワシントンに会いに行く、という週の火曜日のこと。僕達は就寝前のカメラ通話にてワクワクしながら週末の計画について話し合い、僕は知らぬ間にダイニングテーブルに突っ伏して寝てしまった。ながく話したんだなぁ。
僕が目を覚ますと、リンも画面の中で寝ていた。
午前3時、携帯電話が鳴った。僕は転げ落ちて、時計を見た。そして、この電話は彼女からに違いないと思った。
彼女はよく真夜中に僕を起こしては、ただ飲み物を飲んだりするだけのこともあれば、面白い夢を見たと教えてくれることもあった。
誰もがこんなノロけ話聞きたくないのはわかってるけど、彼女の可愛らしいイタズラは、睡眠なんてどうでもいいと思えるほど、幸せだった。
「私、悪夢を見たの!」
彼女が話す。
「あなたが私の友達の前で全裸で踊ってたのよ!」
ついに笑いを堪えられず、吹き出す彼女。
「遅くまで何をやっているんだい、ハニー?
朝には仕事に行かなくちゃいけないんだろう?」
僕は言った。
「喉が渇いてね、下にお水を飲みに行ったの」
「うん。ともあれ、もう寝よう。明日があるから。」
「ふええぇわかった」
彼女は認めた。
「ねぇ、ところで、わs--」
カシャカカという音と破裂音の後、通話が切断された。僕はリンの持っている携帯電話が嫌いだった。彼女が持っているのは古いガラケーで、1日に3回は勝手に通話が切断される。僕は#1を押し、リンに電話をかけなおした。呼び出し音はせず、留守電に繋がった。
僕は何度か電話をかけようとしたんだけど、そのたびに留守電。
僕は疲れてた。リンが好きで好きで堪らなかったのは確かだけど、正直寝たい。今にも目蓋と目蓋がくっつきそうだ。
そうじゃいけない。僕はそう思って、台所に水を飲みに行くことにした。寝る前に空けた2本のワインボトルの口がもう乾いている。僕はコップに水をいれ、食洗機の上に置いた。ふとダイニングテーブルの上のパソコン画面に目が行った。
そこにはウェブカメラの映像が表示されていた。2本のふわふわした足が、彼女のカメラの前で水の中を泳いでいるかの動きをしている。僕が近づくと、2つの笑顔が目に入った。1つは彼女の愛犬、もう1つは僕の彼女。
そっか何かの原因で一時的に通話ができなくなっちゃったんだな、そう思った。
怪物登場
僕は「おやすみ」といってあげようかどうか悩んだ。でも、この光景、あまりにも微笑ましい。しばらくそっとしておこうと思った。深夜3時に下着姿で立っている僕、うたた寝している彼女とその愛犬を見つめながら。
僕はおやすみの代わりに、ウェブカメラのレンズにキスをして離れ…
僕は凍りついた。
僕は目を擦って、もう一度見た。
そこに。
ソレは…部屋の隅に立っている。ソレは…
彼女を見つめている。
皺くちゃの。怒り狂い、捻じれ曲がった口。
憎しみの目。
一体何だ?
憎悪に満ちた目。
彼女を見てる。
失神した主人公
2時間後、ダイニングルームの床で目が覚めた。耳鳴りがするし、後頭部には痛みが走る。僕はすぐに何が起こったのか把握できた。初めてではなかった。
突然極度のストレスが僕にパニック症状を引き起こし失神してしまうことが何度かあったんだ。起こったことを思い返した。そのときほど恐怖を感じたわけではなかったが、リンの事が脳裏をよぎったとき、2度目の発作が起こった。
僕は世界の何よりも彼女を愛していた。数分経って、ようやく僕はノートパソコンを見る勇気を振り絞った。画面にはスクリーンセーバーが映し出されている。僕はタッチパッドに指を触れ、画面から咄嗟に離れた。目を開けるのに2分はかかった。
リンは彼女のベッドで眠っていた。とても安らかに見える。ウェブカメラのほうに顔を向け、横向きで眠っている。僕は何が起こったのか把握できず、とんでもなく混乱はしていたものの、彼女の無事を確認できたので、とりあえず安堵した。たぶん、ワインを飲みすぎたんだ。たぶん、泥酔して床に転げ落ち、見ていたものはすべて悪夢だったんだ。
僕は彼女を見つめた。彼女を愛していた。たぶんこんな言葉じゃ表現できないほど、僕は彼女を慕っていた。なんて美しく、安らかな寝顔なんだろう。
携帯電話
彼女のテレビの光が彼女のベッドをチラチラ照らしている。私が見守っていると、彼女の手が動き始めた。
ゆっくりと。
不自然に。
彼女は眠っていたが、彼女の指は何かに届くまでベッドの上を動いた。…携帯電話だった。
彼女の手は蜘蛛のように動き、ぐにゃぐにゃと携帯電話のキーを押している。
なんなんだよ、一体?
ブーブーブーブーブーブー
僕の携帯のバイブが振動している。
「新しいメッセージ:シナイデ…」
ブーブーブーブーブーブー
「新しいメッセージ:ニ…」
ブーブーブーブーブーブー
「新しいメッセージ:オフ」
ブーブーブーブーブーブー
「新しいメッセージ:ソノ」
ブーブーブーブーブーブー
「新しいメッセージ:ウェブ」
ブーブーブーブーブーブー
「新しいメッセージ:カメラ」
すべてのメッセージが僕の携帯電話に表示され、背筋が凍りついた。
「新しいメッセージ:ソノ」
「新しいメッセージ:ウェブ」
「新しいメッセージ:カメラ」
「新しいメッセージ:オフ」
「新しいメッセージ:ニ…」
「新しいメッセージ:シナイデ…」
僕がノートパソコンに目を戻すと、恐怖は床を這う影として僕に向かってこようとしているようだった。何かがテレビの前を通り過ぎた。リンに近づいているんだ。
僕は、それは彼女の犬だと自分に言い聞かせた。うん、それが妥当だ。…部屋の隅で眠っている子犬に気づいたとき、その説は否定され、顔は真っ青になった。
僕は電話を取って、リンに電話をかけた。何を言えばいいのかわからなかったけど、すぐにそこから出て帰っちゃいけないことを伝えないとと思ったんだ。クソ!留守電だ!あのポンコツガラケーめ!!
アガモン
謎の影全体がリンに覆いかぶさる。
彼女の手は痙攣しつつ、携帯を開いた。
僕の電話が鳴っている。
僕は出た。
「リン!!聞こえるか?!君はーーー」
大きな破裂音がし、僕は咄嗟に電話を耳から離した。
ウェブカメラの画面でリンの唇が動くのを見た。目は閉じているが、彼女は何かを話していた。
彼女の声が電話口から聞こえてくるのを聞いていたが、何かがおかしい。彼女が話しているんだが、第2の、より低い声がそれと一緒に聞こえてくるようだった。
「ソノ ウェブ カメラ オフ ニ シナイデ。アガモン ガ オマエニ アイタガッテイル。
ソノ ウェブ カメラ オフ ニ シナイデ。アガモン ハ オマエニ アウ ジュンビ デキテル。」
「誰なんだ?何なんだよ?ソイツは何を望んでるんだ?」
僕は絶望の中、叫んだ。
「アノカタ ハ オマエノ ヒフ ヲ タベタイ」
通話が切断された。
リンのベッドの影が方向を変えた。
ソイツはベッドから離れ、彼女のノートパソコンに…ウェブカメラに向かってきた。
影の移動と共に、灰色の液体がレンズに向かって流れてきている。
僕のモニターの映像は激しく乱れ始めた。
ソイツはもうほとんどこっちに来そうだった。僕はソイツの頭を目視することができたんだ。ソイツは明らかに僕に向かってきていた。顔の上には銀と黒の髪の毛が垂れ下がっている。僕はソイツの憎悪に満ちた目を思い出した。ソイツが頭を上げようとした途端、僕はついに理性を失った。
PC破壊
そしてついにやった。
僕はパニックに陥り、発作で倒れる直前に、ノートパソコンを閉じ、床に叩きつけたんだ。
僕はこのパニック発作が意識を奪い、悪夢を終わらせてくれることを期待したんだけど、今回はそうもいかないみたいだった。
僕は壁を頼りに這い上がり、明かりという明かりを全てつけた。キッチンカウンターに飲みかけのワインボトルがあるのに気づき、それを一気に飲み干した。僕は酔っ払って、玄関のドアを開け、アパートの廊下に上半身を出して寝そべったので、孤独を感じなかった。哀れな臆病者がコンクリートの上に寝ているだけだ。気にすんなってね。
僕の電話が鳴った。
僕はそれに這いよった。発信者はリンだ。僕はそれを手にして、恐怖で震え上がった。
そして呼び出し音が止まった。
僕はもう一杯ワインを飲んで、勇気を出して折り返し電話をかけてみた。そして留守番電話につながった。何度も、何度もかけたが、留守電だ。
だんだん眠気もワインの酔いも覚めてきたから、僕は姿勢を整え、もう何回か電話をかけなおしてみることした。
結局、繋がらない。数時間後、何本もワインボトルが空になっており、ノートパソコンがぶっ壊れていたのにも関わらず、僕はいままでのことがただの悪夢だったのではないかと思い始めた。
視界の隅、携帯電話に青い光が点滅しているのに気がついた。
「新しいボイスメールがあります。」
ボイスメールを聞くためのパスコードを入力する手が震えている。
メッセージに既読がついた。どうやらリンからのボイスメールらしい。
彼女の声。泣いて怖がっているようだ。
「約束したよね…何で、何で、ウェブカメラを…オフに…したの?」
「彼の…あの方の…舌が…燃えている」
カシャカカという音で通話が終了した。
あれから
その夜から2年。僕は再びリンに連絡することはなかった。翌日出勤したか、職場にも連絡することはしなかった。ワシントンのヤーロウ・ポイントにも行ってない。彼女は僕の運命の人なんかじゃなかった。僕がこの凶事を引き起こさせてしまったといっても過言ではない。「僕は彼女にはふさわしくない」、そう思ったあの夜、その考えは決して間違ってなかったんだ。
僕がこの話を匿名で投稿している理由は、依存症の相談員の方がこれを勧めてきたからだ。だから投稿した。僕は自分の人生の愛と想像を絶する悪夢から自分自身を守ることを天秤にかけた。そして、自分自身を守ることを選んだ。僕にとって最悪なのは、その選択に後悔を微塵も感じないということだ。
もう一杯、飲んでも構わないかな?
匿名
まとめ
私もその選択でいいと思います!アガモン怖し(雑)
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最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。