人生には様々な選択が付き物です。
たとえば今日の夕飯は何にしよう、今週末はどこへ出かけよう…と予定を立てるときにはもちろん、左に避けるか右に避けるかという咄嗟な選択も含めると、人生は常に選択と申し上げても過言ではないのではないでしょうか。
仮に他人の選択を自在にコントロールできるようになったら、その人の人生をコントロールできるようになったとも思えます。
…実は世の中には完全にとは申し上げられませんが、ある程度期待した選択を引き出すテクニックがあるそうなのです。それは詐欺師やカジノディーラーが用いているとか、いないとか…。
今回は皆様にコントロールされる側を疑似体験していただきたく存じます。
心理テスト
それでは早速、心理テストをはじめます。
「テスト」とは銘打っておりますが、別に知識を試すものでなければ、人格を試すものではございません。まずは特に勘ぐることなく、直感でお答えになってみてください。
質問①
次に挙げる8つの単語の中から1つだけ選んで頭に思い浮かべてください。
スキー 鼻水 コップ 温泉
ゴミ箱 コーヒー 冬 お土産
質問②
質問①にて選んだものと「関係があると思うもの」を次の8つから選んでください。
電卓 雪 針 ティッシュ
米 まんじゅう 牛乳 電話
質問③
質問②にて頭に思い浮かべたものを強くイメージして、その頭に思い浮かべたものの「特徴」を次の中から1つ選んでください。
大きい 遅い 白い 鋭い
暗い 甘い 赤い 狭い
質問④
次の中から先ほど選んだ「特徴に当てはまるもの」を1つ選んでください。
ナイフ ピラミッド 砂糖 亀
犬小屋 宇宙 血 深海
これでテストは終了です。
結果はいかがでした?
この心理テストで皆様の何がわかるかと申し上げますと、「何もわかりません」。
ところで皆様の最後の質問の答えは何になりました?
もしかして
砂糖
ではございませんか?
違うよ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、おそらく多くの方が砂糖をお選びになられたことかと存じます。
実は砂糖を選びやすくするように質問が作られていたのです。
なんでそうなったの?
それぞれの質問で8つの選択肢から任意で一つ選んだのに、何故最後の答えを概ね収束させることができるのでしょうか。
それを知るには「それぞれの質問で8つの選択肢を与えられている」ということがそもそもの認識の誤りであることに気づく必要がございます。
質問②
質問①について8つの選択肢が与えられているということは疑いの余地はございません。
それでは質問②について見てみましょう。
電卓 雪 針 ティッシュ
米 まんじゅう 牛乳 電話
質問①で「スキー」を選んだ場合、多くの方が雪を選ぶことでしょう。ここで①とは結びつかなそうな選択肢は
- 針
- 電話
この段階で多くの人が6つのルートに絞られてしまっているのです。
質問③
質問②の答えに対する形容詞を選択する質問③。
大きい 遅い 白い 鋭い
暗い 甘い 赤い 狭い
一見、解答者側に選択の余地を与えてくれているように思えますが、実はここでルートを一気に絞っております。
- 大きい
- 遅い
- 暗い
3つの形容詞が質問②の8つの全ての選択肢に当てはまりません。さらに
- 鋭い
- 赤い
- 狭い
上記3つは質問②でダミーであった「針」「電話」だけに関わりそうな形容詞であり、これについても解答者側のルートとしては除外されるでしょう。
つまり残るのは
- 白い
- 甘い
と2つのみ。
質問④
ここで「白い」「甘い」どちらかに該当する単語は以下にあるかを探してみます。
ナイフ ピラミッド 砂糖 亀
犬小屋 宇宙 血 深海
そうすると「砂糖」しか残らないのです。
そしてこの質問④にも解答者にカラクリを悟らせないような仕掛けが施されております。
- 鋭い→ナイフ
- 大きい→ピラミッド
- 遅い→亀
- 狭い→犬小屋
- 大きい・暗い→宇宙
- 赤い→血
- 暗い→深海
上記の組み合わせは一例ですが、質問③の形容詞は質問④の名詞にすべて繋がるようにできているのです。
でも実際に選ばれる可能性があるのは、
- 白い→砂糖
- 甘い→砂糖
…これがカラクリのある心理テストと知らない限り、何も疑問を持つことなくテストを終えるでしょう。
まとめ
始めと終わりが大事で中はどうでもいいって糸井重里が言ってたわ
最後までお読みくださいましてありがとうございました。