「敵のアジト」「悲しみのぼた餅」「間引き」「事故の会話」「サバよみ」
本エントリーでは、意味がわかると怖い話(意味怖・意味深)を扱っております。なぞなぞ感覚でお楽しみください。
謎が解けた後、すっきりするわけでなく、ゾッとするような「意味が分かると怖い話」。幣ブログでは時々ご紹介しております。
今回も前エントリー同様、5つ集めてみました。
http://sfushigi.com/2017/04/08/horror-riddle-4/
私なりのヒントや解説も記載しておりますので、解説などがお嫌いな方はご注意ください。
目次
敵のアジト
本文
俺とAは任務で敵のアジトに潜入していた。
俺は地上3階、Aは地下3階でそれぞれ作業をしていた。
任務は順調に思えたが、上司から即時撤退の指示が出た。
潜入は敵にばれていて爆弾が仕掛けられていたらしい。
急いで出口に向かう、転げ落ちそうになりながら階段を降りていく。
Aは大丈夫だろうかと考えたが奴は足の速さだけは凄かった。
階段を下る俺と階段を登るアイツで同じ速度だったし心配はいらないだろう。
俺が脱出すると同時に建物は爆発した。
爆発の衝撃で俺は少しの間、意識を失っていたようだ。
Aは無事だろうかと辺りを見渡すと少し離れたところに居やがった。
Aが手招きをしている、何か言ってるようだが爆発の影響か聞こえない。
まぁ、助かったんだ任務は成功とは言えないが二人で酒を飲みに行こう。
ヒント
主人公が階段を下りる速度と、Aが階段を上る速度は同じなのです。
解説
アジトに潜入した2人の避難経路の距離を考えてみてください。
主人公は地上3階から避難したので、3階→2階→1階と2フロアの移動ですよね。
Aは地下3階から避難したので、地下3階→地下2階→地下1階→1階と3フロアの移動が必要なわけです。
そして主人公はギリギリ爆発前に脱出できたと…。
つまり残念ながらAは爆発に巻き込まれてしまっているという解釈になります。では少し離れたところから手を振っているAは…。
悲しみのぼた餅
本文
去年、友人の妹が車にはねられて死んだ。ひき逃げだった。
犯人はまだ捕まっていない。
その悲しみせいか、去年の誕生日に友人は祝ってくれなかった。
今日の誕生日、友人は久し振りの笑顔を見せた。
そして、誕生日プレゼントがあると言われた。
「直接渡すのは恥ずかしい。紙に書いておくから、俺が帰ってから探してくれ。」
と言われた。
友人が帰ったら、俺はプレゼントを探しはじめた。
すると、友人が置いて行ったのか紙に、調味料の棚の、お酢の上の段の布の中にある。
と書かれていた。
自分はすぐにそこに行って確かめた。
あの友人が何をくれるのか楽しみだった。
布と一緒においてあった紙には、腐る前に食べてくれ。
と書かれていた。
布の中には俺の大好きなぼた餅がくるまれていた。
まだ食べていないがとても美味しそうだ。
友人には何を返そうかな。
ヒント
友人が「棚からぼた餅」というギャグをかまそうとしたとして、「調味料の棚のお酢の上」…。何故そこまで棚の具体的な場所まで指定してきたのでしょうか。
解説
このお話でご注目していただきたいのは、ぼた餅の隠し場所。
「お酢の上の段」
「布の中」
まず「お酢の上の段」について。「す」という平仮名は国語的に言えば、「さ行のう段」。この上の段と言われたら「さ行のい段」、すなわち「し」を示すのです。
次に「布の中」について。まず「布」を平仮名にすると「ぬの」。「な行」は「なにぬねの」。「ぬ」と「の」の間には「ね」が入っていることから、「布の中」は平仮名の「ね」を示しているといえます。
上記より「お酢の上の段の布の中」は「しね」というメッセージ。
友人は主人公がひき逃げ犯であるということに気づき、復讐のぼた餅を仕組んだのでしょう。おそらくこのぼた餅には毒が…
間引き
本文
街の大富豪が死にかけた。死に際の夢で、彼は赤鬼達の雑談を聞いた。
「忙しくなるな」
「街の生者を半分まで間引くとは、思い切ったことよ」
「地鳴りに話をつけるとは、閻魔様もやりおるわ」
「8月の13日の正午か、その前日は酒を控えにゃいかんの」
「失敗があったらいかんからな」
「形代には気をつけんとな、わしらには人との見分けがつかん」
「わしは風船が特に苦手じゃあ」
「わしもじゃ、特に赤いのが見分けがつかん」生還した男は、赤い風船を買い集めた。実に街の人口の半分もの数の風船を用意した。
そして迎えた8月13日、朝。彼は一斉に風船を空に飛ばした。街の人々の身代わりになり、天まで届けと願いを込めて。
ヒント
風船を飛ばすと、鬼にとって村の人口はどのように見えるでしょうか。
解説
赤い風船を鬼は生きた村人であると認識します。
一見、赤い風船を飛ばせば必ず被害を減らすことが出来ると思いがちですが、赤い風船は囮にはなってくれないという点に留意する必要がございます。鬼は赤い風船にも村人にも無差別に襲ってくるのです。
仮に村の人口を100人としましょう。
まず赤い風船を一切飛ばさなかった場合、その半分が鬼によって間引かれてしまうわけですから、犠牲者は50名で確定ですね(被害50%)。
次に赤い風船をお話通り人口の半分(50個)飛ばした場合、鬼にとって村の人口は150人に見えるのです。その半分が間引かれてしまうので、風船を含めて75の個体が間引かれることになります。
運よくすべての風船が間引かれた場合、犠牲者は25名になり、作戦は成功したと言えるでしょう(被害25%)。
しかし運悪く、すべての風船が間引かれなかった場合、その犠牲者は75名(被害75%)。
必ずしも犠牲者を減らせるとは限らないどころか、犠牲者を増やしてしまう危険性もあるのです。
事故の会話
本文
俺とA君B君C君の4人は、いつも一緒で、あの日も俺の車に乗って、皆で出かけたんだ。
A「もう動いても平気なのか?」
B「うん、ただの捻挫だから、外出して良いって。」
俺「車はグチャグチャの全損だったけどなwww」
C「後で聞いたんだけど、猫だったらしい。」
B「で、即死だったって・・・。」
俺「ぬこ好きの俺としたら、車よりもそっちのほうが悲しいよ。」
A「そっか・・・今度お供え物を持って、もう一度あそこへ行かないか?」
俺「いや、でも車はもうオシャカだし・・・電車で行くのか?」
C「そうだな、もう車は懲りたし、今度はバイクで行くか。」
俺「いや、お前らと違って俺バイク持ってねーしww」
B「そういえば皆の中で、俺君だけバイク持て無かったね。」
A「ああ、それでいつも俺君に車出してもらってたんだったな。」
C「それが、こんなことになるなんて・・・。」
俺「おいおい、そんな暗くなるなよ、ちょうど買換えたかった所だしさw」
B「そうだよ、僕がバイクで2ケツすれば・・・。」
俺「それイイな!たまにはそういうのも悪くない。それで行こう!」
C「そろそろ行くか、始まりそうだ。」
B「僕、初めてなんだけど、ちゃんと出来るかな。」
A「他の人の真似をすればいい。」
俺「ちょw初めてって!やっぱりAの後ろに乗せてくれwww」
ヒント
会話にどこか違和感を感じませんか?なんだか若干噛み合っていないような部分があるというか、あるべき反応がないというか…。
解説
実は交通事故で亡くなったのは主人公なのです。
主人公のセリフだけ抜いても会話が成立します。友人達は主人公のことを偲ぶような会話をしているのです。
しかし主人公は死んだことに気づかず、会話しているつもりになっているんですねー。
サバよみ
本文
近所に80歳の爺ちゃんが居たんだ
金を持ってて、コチ亀両津の爺ちゃんを想像してくれたら良いと思う有るとき凄く若く可愛い女性を連れていたので、「お孫さんですか?」と
聞いたら「嫁じゃ」「妻です」と同時に帰ってきた。
聞けばつい最近結婚して籍を入れたとの事。あとで爺ちゃんにこっそりどうやったのか聞くと、
「な~に、20歳ほど年齢をサバ読んで求婚しただけだよ」って笑ってた。
ヒント
80歳の御老人が普通にサバ読みしたところで、果たして若くて可愛い後妻ができるでしょうか。
解説
80歳のおじいさんが若くて可愛い後妻を持つには、汚い話になりますが、やはり遺産をちらつかせるのが手っ取り早いです。
ただ平均寿命が延びている近年、統計学上、平均寿命より長く生きている方はそうそうお亡くなりにならないことがわかります(実は中途半端に若い方が死亡リスクが高い)。
80歳では後10年は連れ添わなければいけない可能性が高いのです。
そこで逆にサバ読みして100歳と偽れば、さすがに先は長くないだろうとお金目当ての女性も考えるわけですね。
まとめ
こういう文章を書けるようになりたいものです。
<<Annie96が入力しています…(Creepypasta)>>
最後までお読みくださいましてありがとうございました。