本エントリーは一部怖い話を扱っております。ご注意ください。
皆様は心霊現象がどのようにして起こるか説明できますでしょうか。
例えば、何もないはずの空間から聞こえてくる「ラップ音」。
ラップ音は「建材が温度差により伸縮して軋む音」とされることが増えてはおりますが、やはり不思議ですよね。
このラップ音などの心霊現象の原因を「エクトプラズム(ectoplasm)」という物質で説明する方々もいらっしゃいます。
今回はこの心霊現象の原因となる物質「エクトプラズム」についてご紹介させていただきたく存じます。
目次
エクトプラズムとは?
そもそも自然科学の用語として「エクトプラズム」という単語はございません。
このエクトプラズムという単語は、「アナフィラキシー・ショック」の研究で1913年にノーベル生理学・医学賞を受賞したシャルル・ロベール・リシェ氏という生理学者さんの造語なのです。
※アナフィラキシー・ショックとはアレルギー反応のひとつで、アレルギー物質に体が過剰に反応し、ショック状態に陥ってしまうことをいいます。
外の物質
エクトプラズムの語源はギリシャ語です。具体的には、
Ecto(エクト)=外の
Plasm(プラズム)=物質
つまり「外の物質」というギリシャ語から造られた言葉なのです。
主な意味
エクトプラズムは現在でも一部の心霊研究家・自然科学者によって研究がなされております。エクトプラズムの主な定義としては、
「霊能者などが霊の姿を物質化、視覚化させたりする際に関与するとされる半物質、または、ある種のエネルギー状態のもの」
霊能者などの霊媒体質の強い人は、幽霊に意識的・無意識的に干渉することで、幽霊を見たり、音を聞いたりすることができるわけです。
その際に用いられているのが体の中で作られるエクトプラズム。霊能者が自身のエクトプラズムを利用することがある一方で、霊が霊能者のエクトプラズムを利用してくることもあるそうです。
※上記の考え方に対して、エクトプラズムは「霊能者の肉体と強い霊が交わって作られる」という考え方もあるようです。
そもそも半物質って?
上記のエクトプラズムの定義の中で登場した「半物質」という言葉。
原子核の研究などで登場する「反物質」の誤字ではないの?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、全くの別物とお考えください。
幽霊と同じように、実在するかどうかわからない物質なのです。
西洋において、霊能力者はあの世とこの世を媒介する役割として、時に「ミディアム(中間)」と呼ばれます。
このミディアムと同じような感覚で、自然界と霊界を媒介する物質は「半物質」と呼ばれているのですね。
トンデモな物質です。
エクトプラズムの性質
エクトプラズムは自然界にある物質とは全く異なる性質を有しているといいます。
エクトプラズムは、蒸気のような状態で現れたり、粘りのある液体(流動体)のようになったり、固体のように硬くなったり、生き物のように動き回ることもあるとか…
一説によると、唾液や爪や髪の毛に似た成分をしているそうです。
エクトプラズムの研究
さて、リシェ氏によってエクトプラズムという概念が生み出されたわけでございますが、彼だって何の研究もなしにそんなものを信じていたわけではありません。
むしろ、心霊現象研究協会の会長を務めるなど、心霊については懐疑的な立場であったのではないかとも思えます。
彼は熱心な研究の結果、霊体を視覚化することに成功し、その際に媒介されたと思われる物質をエクトプラズムと名づけたのです。
体から出るエクトプラズム
エクトプラズムは万人が有していると言われております。
しかし、体外にエクトプラズムを出すことができる人は限られており、そのような人が一般的に霊能力者と言われている人なのです。
リシェ氏を始め、多くの心霊現象研究家たちが当時有名だった霊能力者を研究しました。
例えば、
鼻からティッシュが出ているのではないか、とお思いになるかもしれませんが、このティッシュのように見えるものがエクトプラズム。
基本的に暗い場所でしか出すことができないそうです。
触ったり強い光はアウト?
体からこんな物がでてきたら、触りたくなる人もいらっしゃるかもしれません。
また、写真撮影をしたくなるかもしれません。暗闇ですから、フラッシュを焚かなければいけませんが…。
しかし、できないのです。
もしエクトプラズムに触ったり、強い光を当てた場合、エクトプラズムを出している霊能力者の肉体に甚大な被害をもたらし、最悪の場合死んでしまうことまであったとか。
たとえば、コナン・ドイルの霊を物質化したとされるヘレン・ダンカン氏は交霊会でフラッシュ撮影をされ、お亡くなりになっております。
このような一種のごまかしが効くような制約から、エクトプラズムは手品師によるインチキだという意見もあとを絶たちませんでした。
赤外線撮影などの光学技術が発達した現在では、エクトプラズムの撮影も安全に行えるはずですが、あまり例を見ません。
霊能力者の体重に変化?
エクトプラズムの熱心な研究家の1人にウィリアム・ジャクソン・クロフォード氏という人物がおりました。
彼はエクトプラズムの質量に研究の重点を置きました。
つまり、エクトプラズムに重さがあるのか。あるとしたら、エクトプラズムを出した霊能力者の体重はどのように変化するのか。
ということを研究したのです。
その研究の結果、エクトプラズムが物質化を起こした際には霊能力者の体重が減少すること、減少した重量がエクトプラズムの重さと等しいことがわかりました。
さらに、時には霊媒の体重が半分以下にまで低下するようなケースがあることも報告しているのです。
ダイエットには効果的なのでしょうか。
まとめ
エクトプラズムの存在を証明することは、幽霊の存在を証明することと同じくらい難しいのでしょう。
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最後までお読みくださいましてありがとうございました。