ピザ配達人首輪爆弾事件

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本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。

警官「両手を頭の上に、膝を地面につけろ!」

犯人「お、おいちょっとまってくれ!首に爆弾が巻いてあるんだ!助けてくれ!」

警官「な、なんだってーーーー!?」

皆様は、人に脅迫され、何かを強要されたことがございますでしょうか。そのときどのように振舞いましたか?

もし、自分の命がかかっていたら…

今回ご紹介するのはアメリカで実際に起きた凄惨な事件。

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ピザ配達人首輪爆弾事件

その事件は「ピザ配達人首輪爆弾事件」などと呼ばれております。以下、その一部始終をご紹介いたします。

PNC銀行を襲った強盗

2003年8月28日午後2:20、アメリカ・ペンシルバニア州・エリーにあるPNC銀行に1人の男性が強盗に入りました。行員を脅した強盗犯は250,000ドルを要求。行員はその場凌ぎで、8,000ドルを渡すと同時に、他の行員と連携して警察への通報に成功します。

午後2:28、強盗犯は銀行から逃走。しかし行員から早い段階から通報を受けていた警察はあっという間に犯人を拘束。逃走から拘束の間、わずか5分にも満たない逃走劇でした。

助けを求める強盗犯

拘束された強盗犯は当時、街で宅配ピザ屋の店員を務めていたブライアン・ウェルズ氏(46)。ブライアン氏を逮捕し、事件は一件落着かと思われました。しかし、彼から思いもよらぬ発言が。

首に爆弾を巻かれてるんだ。助けてくれ!」

手錠をかけた警察官がブライアン氏の首元に目をやると、確かに首輪をつけておりました。しかし、爆弾にしては小さく、最初は懐疑的であった警察官。

しかし、万が一の場合に責任問題になったら困るので、至急当局の爆弾処理班を要請しました。

生中継された一部始終

彼から距離を置き、包囲する警官隊。そして、助けを求め叫びながらも、腰が抜けてしまったのか、その場に座り込むブライアン氏。

穏やかなはずの昼下がりの街は、不安と緊張に包まれ、それは電波を通じて全米に広がりました。

パトカーの横で座るブライアン氏を写す報道カメラ。

しかし、爆弾処理班は到着せず、ブライアン氏の首元の爆弾が炸裂してしまいました。あろうことか、その映像が全米で生中継されてしまったのです。

この映像はあまりにもショッキングですので、ハイパーリンクでの対応とさせていただきます。ご興味のある方は大変お手数ですが、下記のハイパーリンクより動画サイトにジャンプしてください。

Pizza Man Explodes(YouTube)

ちなみに、ブライアン氏の着ていたTシャツ。「Guess」とかいてあるのですが、ブランドの「Guess」ではなく、手書きで「Guess」と書かれていたのです。これは一体何を意味しているのでしょうか。

後日の捜査で判明した真実

さて、最悪の結末を迎えてしまったこの事件。「ブライアン氏の持っていた犯行指示書」「ピザ屋への注文の電話がなされた公衆電話周辺の聞き込み」「ブライアン氏の身辺調査」等が行われましたが、深層につながりそうな情報は少なく、捜査は難航しました。しかし事件から3年半後、別の事件で逮捕されていたマージョリー・アームストロング氏という女性が容疑者として挙がります。

マージョリー氏の事件

2003年9月20日、当局がウィリアム・ロス・スティーン氏(60)という男性から「冷蔵庫に遺体が入っている」との通報を受けました。警官が通報された場所に駆けつけると、通報どおり巨大な冷蔵庫の中からジェームズ・ローデンという男性の遺体を発見。

マージョリー氏は被害者のジェームズ氏と浮気していたのですが、痴情のもつれによるものなのか、彼女は彼をピストルで撃ちぬき、遺体の処理をウィリアム氏に頼んだそうです。

この結果、マージョリー氏はサツ害容疑、ウィリアム氏は死体遺棄容疑で逮捕されました。

FBIのプロファイル

その取調べの結果、マージョリー氏は兼ねてから爆弾の被害者であるブライアン氏のピザ屋の常連であり、かつ、狡猾な女性で、過去2人の夫が不審な最期を遂げていることが明らかになりました。

そこでFBIはマージョリー氏が首輪爆弾事件に何らかの関与をしているのではないかと疑い始めます。

しかし、マージョリー氏がいくら狡猾であるとはいえ、専門知識がなければ、先の事件で用いられたような精巧な爆発物を作成することは困難です。事実彼女はその専門知識を学んだ経歴はございませんでした。

そこで挙げられたのは、死体遺棄容疑で彼女と同時に逮捕されたウィリアム氏。実は彼は機械工学に長けており、自宅に本格的な工房をかまえておりました。ジェームス氏の遺体遺棄に用いた巨大な冷蔵庫も彼お手製の代物だったのです。

そこでFBIプロファイラーはある仮説を立てました。

強盗役:ブライアン氏
主犯格:マージョリー氏
技術役:ウィリアム氏

推理は正しいと思われたが…

FBIはこの仮説がおおむね正しいものであると考え、逮捕した2名から自供を得ようとしました。

しかし2004年7月にウィリアム氏が急性白血病でこの世を去ってしまいます。

そして2005年7月、刑務所の移動を条件に、マージョリー氏から証言を得ることができました。彼女はウィリアム氏に爆弾を作らせ、その情報を漏らそうとしたジェームズ氏を撃ったと自供したのです。

しかし、マージョリー氏の弁護側により、精神鑑定を請求されこの自供は証拠として扱われることができなくなってしまいました。

ここで、再び警察は手詰まりになってしまいました。

現われた新たな容疑者

自供から2年、必死の捜査を進めていたFBIはブライアン氏の友人から極めて事件に関連のある証言を得ることができました。

「ブライアン氏とケネス・バーンズという男の家に行き、そこでマージョリーにあった」

新たに登場したケネス・バーンズという名前。FBIはケネス氏を取り調べる際、司法取引を持ちかけました。証言をすれば、ケネス氏の刑を軽くするといったのです。

ケネス氏はすんなり自供しました。

  1. ブライアン氏はピザの配達途中、ウィリアム氏の家に寄った。
  2. あくまで偽者の爆弾であると言い、ブライアン氏の首に首輪を着けた。
  3. 装着後、ブライアン氏に実は本物であると伝えた。
  4. 動揺したブライアン氏は指定された金額よりも遥かに少ない金員しか強盗できなかった。
  5. それを知って、現場近くに待機していた彼らはブライアン氏を待たずに逃走した。
  6. ブライアン氏が亡き者になった以上、他のメンバーに捜査の手が伸びるとは思ってもいなかった。

ちなみに彼によると主犯格はマージョリー氏。つまり、使えない仲間を切り捨てて、逃げるという正に外道の行いをやってのけたわけです。

それを受けてマージョリー氏は?

ケネス氏の証言を受けてマージョリー氏は2007年7月に起訴されました。

しかし弁護側の請求で再び精神鑑定にかけられており、未だに無罪を主張しているとのことです。

まとめ

私は最近ではブルゾン・ちえみ氏あたりが危ないと思う。

ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございます。

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