くねくね。
インターネット発祥と言われている都市伝説です。もし皆様が現代のオカルト話にお詳しい方でいらっしゃるならば、その話をお聞きになられたことがあるかと存じます。
いまさら「くねくね」かよっ!と突っ込みたくなるお気持ちもわかりますが、私自身が「くねくね」に詳しくないものでして。
調べるついでに、まとめられたらなと思い、投稿に至った次第でございます。
よろしければ、お付き合いください。
目次
くねくね話の例
まずくねくねに関する話をいくつかご紹介いたします。
本項では某掲示板からの引用が多くなります。あらかじめご容赦ください。
分からない方がいい
わたしの弟から聞いた本当の話です。
弟の友達のA君の実体験だそうです。A君が、子供の頃A君のお兄さんとお母さんの田舎へ遊びに行きました。
外は、晴れていて田んぼが緑に生い茂っている頃でした。せっかくの良い天気なのに、なぜか2人は外で遊ぶ気がしなくて、家の中で遊んでいました。ふと、お兄さんが立ち上がり窓のところへ行きました。A君も続いて、窓へ進みました。お兄さんの視線の方向を追いかけてみると、人が見えました。
真っ白な服を着た人、(男なのか女なのか、その窓からの距離ではよく分からなかったそうです)が1人立っています。
(あんな所で何をしているのかな)
と思い、続けて見るとその白い服の人は、くねくねと動き始めました。(踊りかな?)
そう思ったのもつかの間、その白い人は不自然な方向に体を曲げるのです。とても、人間とは思えない間接の曲げ方をするそうです。くねくねくねくねと。
A君は、気味が悪くなり、お兄さんに話しかけました。
「ねえ。あれ、何だろ?お兄ちゃん、見える?」すると、お兄さんも
「分からない。」
と答えたそうです。
ですが、答えた直後、お兄さんはあの白い人が何なのか、分かったようです。「お兄ちゃん、分かったの?教えて?」
とA君が、聞いたのですが、お兄さんは
「分かった。でも、分からない方がいい。」
と、答えてくれませんでした。あれは、一体なんだったのでしょうか?
今でも、A君は、分からないそうです。「お兄さんに、もう一度聞けばいいじゃない?」
と、私は弟に言ってみました。これだけでは、私も何だか消化不良ですから。
すると、弟がこう言ったのです。
「A君のお兄さん、今、知的障害になっちゃってるんだよ。」
わカらナいホうガいイ
これは小さい頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事である。
年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎで兄と外に遊びに行った。都会とは違い、空気が断然うまい。僕は、爽やかな風を浴びながら、兄と田んぼの周りを駆け回った。
そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風か止んだ。と思ったら、気持ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。僕は、
『ただでさえ暑いのに、何でこんな暖かい風が吹いてくるんだよ!』
と、さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。その方向には案山子(かかし)が ある。
『あの案山子がどうしたの?』
と兄に聞くと、兄は
『いや、その向こうだ』
と 言って、ますます目を凝らして見ている。僕も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと見た。すると、確かに見える。何だ…あれは。遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。しかも周りには田んぼがあるだけ。近くに人がいるわけでもない。僕は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。
『あれ、新種の案山子(かかし)じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かったから、農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』
兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた。
風がピタリと止んだのだ。しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。
兄は
『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』
と驚いた口調で言い、気になってしょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。兄は、少々ワクワクした様子で、
『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』
と言い、はりきって双眼鏡を覗いた。すると、急に兄の顔に変化が生じた。みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、ついには持ってる双眼鏡を落とした。
僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、 兄に聞いてみた。
『何だったの?』兄はゆっくり答えた。
『わカらナいホうガいイ……』すでに兄の声では無かった。兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。
僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちてる双眼鏡を取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。しかし気になる。遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。しかし、兄は…。
よし、見るしかない。どんな物が兄に 恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。その時、祖父がすごいあせった様子でこっちに走ってきた。
僕が
『どうしたの?』
と尋ねる前に、すごい勢いで祖父が、
『あの白い物体を見てはならん!見たのか!お前、その双眼鏡で見たのか!』
と迫ってきた。僕は
『いや…まだ…』
と少しキョドった感じで答えたら、祖父は
『よかった…』
と言い、安心した様子でその場に泣き崩れた。僕は、わけの分からないまま、家に戻された。帰ると、みんな泣いている。僕の事で?いや、違う。よく見ると、兄だけ狂ったように笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。僕は、その兄の姿に、あの白い物体よりもすごい恐怖感を覚えた。
そして家に帰る日、祖母がこう言った。
『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう。あっちだと、狭いし、世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…。』僕はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。以前の兄の姿は、もう、無い。また来年実家に行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。何でこんな事に…ついこの前まで仲良く遊んでたのに、何で…。僕は、必死に涙を拭い、車に乗って、実家を離れた。
祖父たちが手を振ってる中で、変わり果てた兄が、一瞬、僕に手を振ったように見えた。僕は、遠ざかってゆく中、兄の表情を見ようと、双眼鏡で覗いたら、兄は、確かに泣いていた。表情は笑っていたが、今まで兄が一度も見せなかったような、最初で最後の悲しい笑顔だった。
そして、すぐ曲がり角を曲がったときにもう兄の姿は見えなくなったが、僕は涙を流しながらずっと双眼鏡を覗き続けた。
『いつか…元に戻るよね…』
そう思って、兄の元の姿を懐かしみながら、緑が一面に広がる田んぼを見晴らしていた。そして、兄との思い出を回想しながら、ただ双眼鏡を覗いていた。
…その時だった。
見てはいけないと分かっている物を、間近で見てしまったのだ。
ちょうちんび
この前久しぶりに会った地元(秋田)の女の子にあって、 ここで読んだくねくねの話したんだけど、 その女の子も昔同じようなもの見たってびっくりしてた。
その子は今年21才なんだけど、 9才のとき、田舎のおじいちゃんが亡くなったそうで葬式に行ったんだって。 葬式の日はばあちゃん家に泊まって、次の日の昼過ぎごろの帰り道の話。
その帰り道その女の子(以後Sちゃん)はずっと窓の外見てたんだけど、ふと前の方を見ると遠くの田んぼで白いなにかが揺れてるのが見えた。Sちゃんは気になってずっと見てたんだけどそれはやっぱり何か分からなくて、お母さんに
「あれ何?」
って聞いてみた。両親もしばらくそれを見ていて、
お父さんが
「かかしが陽炎でゆれて見えるんじゃないの?」
とか言ってたらしい。Sちゃんとお母さんはずっとそれを見てたらしいんだけど、 Sちゃんはそれが近付くにつれ、無性に怖くなり泣き出したそうだ。
そしてお父さんに
「あれが怖いからこの道は嫌だ」
って駄々をこねたらしい。両親は笑いながら
「大丈夫、かかしだよ。」
って言ってそのまま車を走らせていた。Sちゃんは怖かったので座席につっぷして白いゆれるものを見ないようにしてたんだけど、
お母さんが
「いやだ・・・・何あれ・・・?」
って言ったので、気になってまた窓から外を覗いた。さっきまですごく遠くにあった白いものは大分近くまで来ていて、結構はっきり見えたらしい。 Sちゃんはギャーと叫んで泣き出し、両親も得体の知れない何かが怖くなり急いで車を走らせたそうだ。
その白い何かはここでもでてる通り手足の長い人のようなものだったらしい。それはやっぱりくねくね動いていたんだけど、なんかぶれているような感じで、そこにないような感覚、まるで幻のようだったと言っていた。
Sちゃんはそれからしばらくふさぎ込んだらしくて、心配したお母さんが田舎のばあちゃんに白いものについて聞いてみたんだけど、
おばあちゃん曰く、
「ちょうちんびかものう」
と言っていたそうだ。それからSちゃんの家ではその白いものは「ちょうちんび」で決定していたらしい。今でも思い出すとゾッとするって言ってた。ちなみに気が狂った人はいない。
おじさんの隣
5年程前親が病気で、その間親の田舎へ置いてもらうことになった時の話なんだが、田舎の駅でおばあちゃんが迎えてくれて、駅からおばあちゃんの家へ車で移動する途中。
結構山奥へ入ってきた頃、畑の真ん中で踊り狂うおじさんが、一瞬怯んだが興味で更に観察すると、 なんか・・おじさんの隣にくねくねするなにかが。
その後、何故か必死でおばあちゃんに目を塞がれました。しばらくしてから、その事を聞くとすごい剣幕で怒られました。ふだん怒らないおばあちゃんだったので、 よほどのことだと思い、その後は聞かなかったんだが・・・。
今思うと、あれがくねくね?だったのか・・?
ヒョウセエ
俺は幼少期、G県の山間部に住んでいた。
まあ田舎にありがちな話だけど、隣近所は全部自分の一族。
イトコや、ハトコ?っていうのか?そういう諸々とよく連れ立って遊んだもんだった。
中でも一番俺が懐いていたのは、年の近い(といっても10くらいは上だったようだけど)父方の叔父。なんでもよく知っているし、絵や楽器も上手くて、俺と同じくらいの年齢の親戚ガキ共はみんな彼によく懐いていたらしい。
「らしい」っていうのは、つい最近まで俺も、俺の兄貴も弟も、彼の存在を忘れていたから。法事でつい最近G県を訪れた折に、従姉がふと彼の名前を出して、ようやく思い出した。今にして思えば、なんであんなに親しくしていたのに忘れていたのか、さっぱりわからないんだけれどね。
その日、俺の兄貴が「小学○年生」みたいな(もしかしたら「てれびくん」とかだったかなあ)雑誌の付録で、手作り日光写真機を入手して、俺や弟が「自分たちも欲しい」とダダをこねた。
すると叔父さんがヒョイッと現れて(いつも不意に現れる人だった記憶がある)、「よし、そんなら叔父ちゃんがこさえてやる」みたいなことを言って、翌日には手作りらしい写真機を俺と弟、従姉にくれた。
叔父さん、俺、兄貴、弟と従姉、5人でどこかの・・どこだっただろう、境内みたいな場所だったと思うんだけど、とにかく見晴らしと日当たりのいい場所で早速撮影開始。
・・と言っても、日光写真ってものはだらだらと待つ時間ばかりが長くって、当初のワクテカも、数枚の作品が完成する頃には飽きに変わってしまっていた。
叔父はそれを見越していたのか、伸縮式の望遠鏡を持参しており、俺たちに順繰り順繰り見せてくれた。 何度目かの俺が覗く番が回ってきた時、俺はなんだか妙なものを見つけた。
刈り取りが済んで一面さみしくなった田んぼの、すごく遠くの一枚に、変な人影?がいた。毛の黄色い、白い?猿?みたいな生き物が、ふらふらしている。「ふらふらしている」と書くと衰弱とか泥酔みたいだけど、そういうんじゃなくって、妙な踊りを踊っているみたいだった。タコみたいにくにゃくにゃしてて、やけに気味が悪かったのを覚えてる。
少し寒気を感じた俺は、叔父に
「変なのがいる」
と望遠鏡を渡した。叔父は望遠鏡をあちこちに向けて、俺の言う変なものを探していた。そしてややあって、
「お、これかあ。確かにこれは妙な」
とまで言って、叔父は黙ってしまった。みるみるうちに顔色が悪くなって、露骨なくらい震えていた。
俺はすぐに「これはただごとじゃない」と察した。俺の後に望遠鏡を覗く順番だった弟もそれを見ていたが、何が起こったのかわからない様子だった。確か、兄貴と従姉は少し離れたところで日光写真機をいじっていたと思う。
それからどうやって帰ったのか覚えていない。
記憶の中でのシーンは、本家の座敷に飛んでいる。俺、兄、弟、従姉、4人並んで正座させられ、目の前には顔なじみの神主のじいさまがいる。無理に酒を飲まされ、頭に変な粉をかけられた。俺は粉のことをはっきり覚えてはいないんだけど、従姉と弟が言うに、あれは一握りの灰だったらしい。
じいちゃんは怒っていた。ばあちゃんは泣いていた。
「ヒロヤス(叔父の名)はアテラレてしまった、ヒョウセエ(?)を見てしまった」
と親父が叔母に言っていた。「気違いになってしまった」
「一生治らないの?」
「治るってのは聞いたことがない」
みたいな会話があったそうだ(俺は覚えてない。兄の記憶だ)。あの踊っていた猿?のようなものは、ヒョウセエというバケモノだそうで、
「間近でヒョウセエを見ると、ばかになる」
と聞いた。俺のように、「何か妙なものがいるぞ」というくらいではなんともないが、その顔を見てしまったら、もうダメらしい。
「叔父さんはそれから亡くなったの?」
と俺が聞くと、従姉は
「生きてる」
と答えた。
「生きてるけど、会えないよ」特別な療養所(精神病院のことだろうかと思う)に今もいるらしい。
「完全に精神を病んでるから、会わないほうがいい」
と、彼女はうつむいたまま言った。なんでも、従姉は3年ほど前に会ったんだそうだ。見るかげもなくやつれていて、へらへら笑ったまま、くにゃくにゃと変な動きをしていた、らしい。
読んでも怖くないかもわからんね。
ついさっきまで楽しく笑いあっていた人が、ほんの一瞬でアレになってしまうという出来事が俺的にものすごく怖かったんだけどさ。
海のくねくね
小学4年生くらいのことなんだけど、親戚が水泳教室を開いていて、そこの夏季合宿みたいなのに参加させてもらった。海辺の民宿に泊まって、海で泳いだり魚を釣ったり山登ったりする。
小学生が十数人と、あとは引率の先生が男女あわせて4人くらいいた。俺は同年代のいとこがいたせいで、すぐに他の生徒ともうちとけ、1週間毎日楽しく過ごした。
その最終日前日のことだったと思う。
運悪く台風が近づいてきているということで、海でも泳げず俺たちは 部屋でくさっていた。
みんなは部屋で喋ったりお菓子食べたりテレビ見たりしてたが、俺は 目の前の海を、民宿の2階の窓からぼんやりと眺めてた。強風で物凄い高さの波がバッコンバッコンやって来るグレーの海。
「なんだあれ?」
思わず声が出たのかもしれない。気がつくと後ろにKちゃんもやってきて一緒に窓の外を見ていた。2つ上の6年生で、虫取りが上手な奴だったと記憶している。「え、あれ・・・」
Kちゃんも浜辺のそれに気がついたらしく、目が大きく見開いている。荒れ狂う海のすぐそばを、白いモノが歩いてくる。歩いてくる? というか移動してくる。男か女かも分からない。
俺は近眼なんで良く見えない。
服とか着てるようには見えないんだけど、全身真っ白だ。
真っ白のウェットスーツ? そんなものあるのか?
動きはまるでドジョウ掬いをしているような感じで、両手を頭の上で高速で動かしている。
俺の真後ろで突然やかんが沸騰した。
「ピーーーーーーーーーー!」
いや、ちがう。Kちゃんの叫び声だった。引率の先生が飛んできた。
Kちゃんは何回もやかんが沸騰したような音を出して畳をザリザリとはだしの足でこすって、窓から離れようとしていた。その後引率の先生と他の先生とがKちゃんを病院に連れて行ったような気がする。
その日はみんな怖くなって布団をくっつけあって寝た。
Kちゃんは戻ってこなかった。
数年後親戚の集まりでいとこと会ったので、その夏の事を聞いてみた。いとこは何故か露骨に嫌な顔をした。Kちゃんはストレス性のなんとかで(脳がどうとか言ってたかな)その後すぐに水泳教室をやめたらしい。水泳教室自体も、夏季合宿の類を中止したそうだ。
Kちゃんは何を見たと言っていた?俺が聞きたいのはこれだけなんだが、どうしても聞きだせなかった。俺は、その夏季合宿の後すぐ眼鏡をかけるようになった。
でも今でも、その夏季合宿の時に眼鏡をかけていたら・・と思う。
Kちゃんは一緒に森を探索したときに、木に擬態しているような虫も 真っ先に見つけるほど目が良かった。
Kちゃんはきっと、その浜辺で踊っていたモノ(踊っていたとしか言い様がない)を、はっきりと見てしまったに違いないんだ。
くねくねの概要
上記の物語から読み取れるくねくねの特徴としては、
- 白い
- 人型
- 四肢や胴体の動きが人間とは思えない
- 激しく動く
- 狂って踊っているようにも見える
- 水辺でのお話が多い
- くねくねを見ただけでは影響はない
- くねくねの正体を理解した場合、気が狂ってしまう
- 地方のご老人が知っている可能性がある
妖怪なのか?
上記の物語の中に登場する妖怪として
- ちょうちんび
- ヒョウセエ
が挙げられます。これらは一体どのような妖怪なのでしょうか。
ちょうちんび
「ちょうりんび」が妖怪だとすると、該当するのは「提灯火」という妖怪だと思います。
この提灯火は田園地帯の畦道などに頻出すると言われている妖怪です。明かりもないはずの場所に突如現われる炎、いわゆる「ひとだま」のような妖怪です。その形は炎でありながら、人の形をしております。
この提灯火、基本的に近づくと消えてしまうので無害の存在とされています。
しかしながら、少ないですが提灯火の犠牲者もおります。
時は江戸、今の奈良県にあたる地方にて、小右衛門という人物が提灯火の正体を突き止めようとしたところ、目の前から急に提灯火が現われ頭上を飛び越えたそうです。
驚いた小右衛門が手にしていた杖で提灯火を叩くと、火は数え切れないほどの数に分裂し、彼を取り囲みました。さらに仰天した彼はその場を逃げ、無事に帰ってくることができたのですが、その夜から高熱にうなされ、あげく、亡くなってしまったそうです。
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より
提灯火は「くねくね」に該当するのでしょうか。
先に挙げた掲示板の物語でも
気が狂った人はいない。
と書かれていることから、くねくねを至近距離で見ても、正気を保つことができています。くねくねの正体は子供が見ても、はっきり見えさえすれば理解できることが他のお話から推測できます。
したがって、家族が見たのは「提灯火」であり、「提灯火」はくねくねではないと考えられるのではないでしょうか。
ヒョウセエ
ヒョウセエは「ひょうすべ」という河童のような妖怪の別称です。
体の毛深い一方、頭は禿げ上がっている妖怪で、豊作の神様とされる一方、人々に害をなす妖怪としても扱われております。
ヒョウセエの好物はナスで、ナス畑に頻出するそうです。ナス畑にはその年に始めて採れたナスを長い串に刺し、ヒョウセエにお供えする地域もあるとか。
ヒョウセエを見たものは、熱病に感染し、その熱病はさらに疫病として人々に感染するそうです。
さらに民家や公衆のお風呂を使用することもあり、その後のお湯は悪臭を放ち、水面には大量の毛が浮いていたという情報もあります。その湯にもやはりヒョウセエの瘴気が残っており、その湯に触れたものは亡くなってしまったそうです。
佐脇嵩之『百怪図巻』より
「提灯火」に比べて、たしかに「くねくね」に近いような感じがします。しかし、都会からア来た現代の子供が、ヒョウセエを見て、「あ、ヒョウセエか…」と理解できるかどうかを考えた場合、やはり理解はできないのではないかと存じます。
仮にヒョウセエをはっきり目視した場合、目視した人物に強制的に理解させるという能力があれば話は別なのですが…
まとめ
結局、くねくねの正体はわからずじま…
よマなイほウがヨかッタかモ・・・
<<ロボトミー手術?ノーベル賞を受賞した怖い精神外科手術>>
最後までお読みくださいましてありがとうございました。