『ぼくのなつやすみ』の怖いバグ「8月32日」

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皆様は『ぼくのなつやすみ』というゲームをプレイなされたことはございますか?

私は『ぼくのなつやすみ』を発売日に購入して、ひたすら昆虫採集をしていた記憶がございます(外で遊べ!)。

さておき、この『ぼくのなつやすみ』にはとあるバグがあるのです。

なんでもそのバグ、
『ぼくのなつやすみ』の雰囲気に反してかなり不気味だとか。

今回はこのバグ「8月32日」についてご紹介したく存じます。

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ぼくのなつやすみ

バグについて言及させていただく前に、『ぼくのなつやすみ』をプレイなされたことのない方もいらっしゃると存じますので、『ぼくのなつやすみ』の概要をご紹介させていただきます。

なくしたもの思い出しゲーム

『ぼくのなつやすみ』は2000年6月22日にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたPlayStation用ゲームソフトです。

当時の『ぼくのなつやすみ』のキャッチコピーは

「なくしたもの思い出しゲーム」

と大変すてきなキャッチコピーです。

ゲーム内の時代は1975年。

『ぼくのなつやすみ』では、北関東に存在しているという設定の架空の村「月夜野」を探検することになります。

『ぼくのなつやすみ』の説明書では、

「大人のだめをどんどんやりましょう。ダメなことほどやりたいこと。大人のだめをどんどんとことんやりましょう。」

と推奨されております。

『ぼくのなつやすみ』では昆虫採集を始め、釣り、いたずら等、様々な憧れの「なつやすみ」を体験できるゲームです。

ストーリー

ゲーム中は、昆虫採集などの要素に夢中になり、ストーリー面を軽視しがちになってしまうこの『ぼくのなつやすみ』でございますが、ストーリーがございます。

9歳の主人公の「ボク」は、お母さんが臨月を迎えたため、夏休みの1ヶ月間田舎の親戚のところに預けられることになります。そこで悠々自適な夏休みを過ごしましょう。

というのが、『ぼくのなつやすみ』のメインストーリー。

他にも、亡くなった親戚の長男の話、診療所の謎のおねえちゃんの話など興味深いサブストーリーが溢れているのも、このゲームの魅力といえますが、ここでは大変恐縮ですが、割愛させていただきます。

8月32日バグ

さて、『ぼくのなつやすみ』自体はほとんど怖くないゲームだということをご理解いただけましたでしょうか(多少怖い演出はございますが)。

しかしながら、今回ご紹介する「8月32日」バグについては、ほのぼのとは言えない不気味さを持っているのです。

動画

以下は、8月32日バグを試みた方のYouTube動画です。

再現方法

まず、『ぼくのなつやすみ』には様々なリメイクがリリースされておりますが、PlayStationでのオリジナル版をご用意ください。

  1. ゲームクリア後、タイトル画面で「夏休みの思い出」を選択。
  2. データロード後、「絵日記」を選択。
  3. 「もどる」にカーソルを合わせ、コントローラーの↑ボタンを押すと、カーソルが左上に移動し、ライトの紐がないのにも関わらず「おやすみ」と表示される。そこを選択する。

    ▲プレイ内容によって日記の内容は異なります。

    「絵日記を書いて寝ますか? はい いいえ」と出るので、「はい」を選択する。
    すると8月31日の日記が上書きされ、就寝のムービーが流れる。もし大切なセーブデータであるならその後上書きしないようにご注意ください。

バグ内容

諸事情により動画を閲覧できない方もいらっしゃると存じますので、私なりに解説させていただければと存じます。

8月32日

朝食はなく、朝食後からのスタートのようです。
一見普通ですが、家の中には親戚の姿は見当たりません

ゲームの拠点的存在である「ボク」の部屋。入ることができません。

開放されているのに、縁側から外に出られません。

玄関からも出られません。

テレビを見ても「ボク」が一瞬スクワットするだけです。
しかし、そのモーション後、何故か縁側の外に出られるようになりました。

「ボク」の部屋にも入れるようになりました。

ここで動画では机の絵日記を調べ、先ほどと同様の方法で無理やり寝ています。
上書きされた絵日記。なんだか上のほうがバグってます。

セーブのシステム画面も相当バグで荒れています。

8月33日

今回は朝食から始まるようです。
なんという地獄絵図。
おじ「じゃあ、いただきます」って…
「ボク」を含めて親戚がバグっています。

朝食を食べ終わり、散る親戚。
プレイヤーはバグっている「ボク」を操作することに。

相変わらず、家の中には誰もいません。先ほどの親戚はどこへ?
「ボク」の部屋へ。
日記が地獄絵図。道具画面のテクスチャがバグっているのでしょうが、
「ボク」はピカソにでもなったのでしょうか。

セーブのシステム画面のバグが進行しています。
想定外の操作に耐えられなくなってきているのでしょうか。

8月34日

朝食がありました。
親戚のテクスチャバグも進行しています。子供達は透明人間に。

朝食を食べ終え、散る親戚。「ボク」も透明人間のようです。

絵日記。もはや規格外です。

セーブシステム画面は前回とほとんど変わりませんでした。

8月35日

朝食。絵の具をぶちまけられたようです。

動画以外に確認された現象

上記に参照したYouTube動画では確認できませんでしたが、他にも様々な怪奇現象が確認されております。

おじさんの陶器工房

動画では8月32日に外に出られることを確認しましたが、外に出た後、おじさんの工房に向かってもやはりそこにおじさんの影はありません。

しかし、棚を調べると…

急に登場。しかも、上半身だけです。

おわりに

このバグは不安定なものなので、ゲームの乱数などにより発現するバグが異なる場合がございます。あらかじめ、ご了承ください。

製作者本人のコメント

上記のバグ。一見、「ほのぼの系ゲーム」にとって致命的なバグのように感じますが、『ぼくのなつやすみ』の製作者の方はどのように感じているのでしょうか?

『ぼくのなつやすみ』の製作者の一人である綾部和氏は以下のように語っております。

せっかくなので8月32日を発明してしまった責任者としてはその話をしましょうか? …あれはぼくなつ1の発売後2年ほど経過してから発見されたものなんです。症状を聞いた瞬間「なんてナイスなバグなんだ」と不覚にも思ってしまいましたw その時点では単なる「就寝せずに翌日へ行けるバグ技」です

絵日記画面では就寝時にのみ左上にスタンドのヒモが表示されて、クリックすると絵日記を書いて寝ることができるんです。ところが発売から2年後にヒモが出てない時でもカーソルがそこに移動でき、クリック可能なことが判明しました。いつでも眠れて翌日へ行けるんですw

夜以外はヒモのグラフィックが表示されていないから、まさかそこにカーソルが移動できて、クリックできるバグが潜んでいるとは誰も思いませんでした。あれはかなりかっちりデバッグしてるゲームなんですw

ゲームのルールを無視していつでも就寝して翌日へ行けるわけですから、シナリオはむちゃくちゃになりますが、ある意味便利でアナーキーなバグなんです。バグの隠れ方も(言ってはまずいかも知れないけど)結構好きでしたw

ところがゲームクリア後の「思い出画面」から「絵日記」に入っても同じことができるんです。クリア日付が31日だから、翌日になっちゃって32日に行けます。これはまさに想定外の想定外でした。

8月32日なんてデータは用意されていませんから当然むちゃくちゃになりますが、その部分はプログラミングが優秀なので、ドライバーが堅牢で、データが存在しない日時に突入してもボロボロになりながら動いてるんです。ある意味すごいことなんだけど、

さすがにデータがないまま動き続けるのは無理なので、ああいうホラーな見た目になっているんです。メモリーの狭間にある各種のドライバーにとっては無意味な情報を、無理やり視覚化するとああいうグラフィックになるということですね。

ちなみにこれは(最初の)『ぼくのなつやすみ』PS版で出るバグです。残念ながら移植した『ぼくのなつやすみポータル』では発生しません。おしまい。

僕もまだちょっと不思議に思ってます>データもないのにどうして動くんだ? と不思議でした

▲引用:綾部和氏のツイッター(@ayabekaz

『ぼくのなつやすみ』のスタッフが別に敢えてホラーを仕組んだわけではないのですねー。

移植版では再現されなかったことも明言していますので、もし「8月32日」バグをやってみたくて『ぼくのなつやすみ』の購入を検討なさっている方はご注意を。

まとめ

ところで、子供時代に戻りたい。

<<ゲームの都市伝説・裏設定まとめ>>

<<『アンパンマン』のチーズは元々はバイキンマンの手下だった>>

<<保存したら変わる画像『沙耶の唄』>>

<<『R-TYPE』ゲームの怖い裏設定>>

<<新品のiPhoneに怖い画像が入っていた>>

ボーン

最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。

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