皆様はルージュラというポケモンをご存知でしょうか。
初代ポケモンから登場し、バリヤードなんかと並んでなんだか人間ぽくてコミカルな印象がかわいらしいポケモンというイメージがございます。
さて、今回ご紹介するのはポケモンのルージュラに関する都市伝説。
実はルージュラは、
人種差別批判を受け、色彩が変更された
というのです。
目次
アメリカの文化評論家による批判
『ポケットモンスター』は日本だけでなくアメリカ等の諸外国でも人気のタイトルです(海外版の名称は”Pokémon”になっております)。
今からご紹介するのは、アメリカでポケモンの人気が爆発した頃の話です。
ルージュラはアフリカ系アメリカ人の差別の象徴だ!
ルージュラにメスを入れたのは、文化評論家のキャロル・ボストン・ウェザーフォード氏。
以下、キャロル氏のエッセイを翻訳したものです。
国民に良くないポケモン
2000年 キャロル・ボストン・ウェザーフォード
私は後悔しています。ポケモンブームに屈したのです。週末、息子を「ポケモン映画」に連れて行ったのです。息子はポケモンバトルも甘ったるい教訓めいたシーンも夢中で見ておりましたが、私はそのくだらない映画、全く何も考えられていないプロットにうんざりしていました。
既に息子に『レッド』『ブルー』『イエロー』『ピンボール』を買い与えておりましたが、映画を見てこの現象に気が付きました。日本の任天堂社によって発売されている『ポケモン』ではプレイヤーはポケモンを捕まえ、育てを繰り返し、最終的に150種類を集めることを目標としますね。私には2人の子供達がいるのですが、ポケモンに夢中。中毒性があるんです。
でもその中毒性はゲームだけには留まらないのです。ポケモンカードはゲームの人気を理由に沢山売れます。私は息子にねだられたことがありますが、最初は抵抗しました。普通のおもちゃを買って与えていたのです。
ほどなくして息子は友人から60枚ほどのダブったポケモンカードを譲ってもらいました。そして私もついに買ってあげてしまったのです。スターターキットに、テーマデッキ、何パックものブースターパック。
このように私はポケモンブームに屈服したのです。もしゲーム屋さんのクリスマスのチラシで『ポケモンスナップ』の情報を得ることができていたなら、多少値が張っても予約してしまっていたでしょう。
しかし任天堂社は需要を少なく見積もっていたのでしょうか。ほとんどのポケモングッズを感謝祭に合わせて発売したのです。その結果、クリスマスプレゼントは『ポケモンスナップ』に集中、予約すらできない状態。私はクリスマス商戦後、再び探すことを強いられました。
しかし私は『ポケモンスナップ』を購入することはありませんでした。見つけてしまったのです。ポケモンのテレビアニメはほのぼのしたものなんですが、それを見て私は戦慄してしまったのです。
No.124のポケモン「ルージュラ」には明らかに人間的な特徴があります。艶のある黒い肌、目、ブロンドのストレート、胸部を広く見せたような体、そして太いピンクの唇。これは『ちびくろサンボ』(かつて人種差別主義の象徴であると廃盤になった絵本)に類似しているのです。
10歳くらいの子供達には「ルージュラ」がいかに差別的であるかわからないかもしれませんが、彼らの両親や祖父母はきっと気づいているはずです。そして私達ははっきりと物申します。私達はいままで十分人種差別の象徴的なものを目にしてきたんです。
例えば『スター・ウォーズ エピソードⅠ』の「ジャージャービンクス」。彼については果たしてインディアンを意味しているのかどうかについては明確ではなく確かに議論の余地はあります。
しかし「ルージュラ」、これに関してはもう議論の余地すらないのです。「ルージュラ」はアフリカ系アメリカ人、特に黒人女性を中傷しています。全く、20世紀の終わり、グローバル化が進みゆく時代に何故日本はこのような無粋なことをしてくるのでしょうか。
アジアには第二次世界大戦後も、戦前のステレオタイプの人種差別的思考がしぶとく根付いております。
コルゲート・パーモーリブが香港の歯磨き粉会社を1985年に買収した時、ブランド名だけでなく、黒人がシルクハットを被りニヤリと歯をみせるロゴも買い取りました。それに目をつけた人権団体は、コルゲートのライバルであるプロクター&ギャンブルと協力し訴えを申し立てたわけです。
結局ロゴの廃止を強いられ、ブランド名も変更されましたが、いまだ中国では「黒人男性歯磨」と呼ばれています。日本人は沖縄から米軍基地が本土に移動するのを頑なに拒んでいます。それは10年前の統計結果、アメリカの犯罪率よりも日本の犯罪率の方が圧倒的に低いというものの要因が、日本の民族が少ないからであると考えられているからではないでしょうか。
ですから、ルージュラを発案することに驚きは感じませんが、それにGoサインを出した会社の重役には驚きです。
さらに「Jynx(ルージュラの英名)」という名前にすら悪意を感じます。不運をもたらすという意味があるのです。さらにブードゥ教の魔術師とのつながりも考えられます。アフリカに根付く文化ですが、西洋ではしばしば嘲られております。
以下略
キャロル・ボストン・ウェザーフォード氏とは?
先のルージュラを始め、日本に対する熱い批判を書いた人物、キャロル・ボストン・ウェザーフォード氏とはどのような人物なのでしょうか。
彼女はアフリカ系アメリカ人で、主にアフリカ系アメリカ人の差別を批判する文化評論家として執筆を中心に活動しております。
上記の『ポケモン』ルージュラの批判を始め、『ドラゴンボール』のミスター・ポポの批判もするなど、割と日本の文化に関心を持っているようです。この人に持たれたくないけど
ルージュラ史
さてキャロル氏の批判を受けて任天堂を始め、ポケモン関係の企業はルージュラの修正を強いられました。
以下にその波乱のルージュラさんを比較したいと存じます。
初代ルージュラ
さて、まず批判を受ける前のルージュラさん。
ゲーム
これはゲームボーイで、白と黒でしか表現できないので特段問題は発生しないと思うのですね。しかし…
1999年に発売された金銀でゲームボーイ・カラーに移行しましたので、56色表示が可能となり、ルージュラにも当然色がつけられました。肌が黒いですね。
アニメ
アニメでも肌が黒く描かれておりました。
手は紫なんですね。
批判後のルージュラ
さて、キャロル氏の批判はルージュラさんにどのような影響を与えたというのでしょうか。
ゲーム
実は、金銀から批判の影響は出ているんです。エッセイの発表が2000年、金銀のアメリカでの発売が2000年10月14日であったため修正が入ったのです。
明らかに黒かった部分が紫色にベタ塗りされております。時間が無かったのか黒と赤で自然な色合いを出していたのに、黒の部分を紫に変えてしまったことにより、赤が悪目立ちしております。
アニメ
さてポケモンのアニメは?
顔も紫になりました。ちなみに再放送などで、昔のルージュラが放送される際も、軒並み修正が入っており、黒いルージュラを電波で見ることはもうできないのかもしれません。
まとめ
批判が全うかどうかは置いといて、色を紫に変えればそれでいいんかい?!
最後までお読みくださいましてありがとうございました。