出会い系で知り合った妻

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本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。

皆様は「出会い系」というジャンルに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。

ガラケー主流時代にはかなり怪しいというイメージがございましたが、最近ではアプリなども開発されてどんどんソフトなイメージになっていってますよね。

本質は変わらず「怪しい」というのが私の見解ですが、実際のところはどうなのでしょう。

今回は外国の都市伝説Creepypastaから。

外国にも当然出会いに飢えた方々はいるようで、出会い系サイトがあるようなのです。

ある男性は出会いに成功し結婚までしたというのですが、どうにも様子が…

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My Wife

以下は海外の都市伝説を翻訳したものです。

人生の欠け

俺の人生は概ね上手くいっていた。州立大学で学士号を取って、入社後は部長職としてかなり経済的に充実していた。

ただ、常に何か欠けているような気がしていた。

恋愛経験がなかったんだ。同僚に良い相手がいないか…とも考えたんだが、事務所での女性の知り合いはたった1人。ちなみに彼女は没だ。

出会い系

長い残業を終えて帰宅したある夜、俺はコーラを片手にパソコンを起動した。特にその時期、俺は恋に飢えていて、できるだけ早く恋人を見つけたかった。

そんな俺には出会い系サイトが唯一の選択肢に思えたんだわ。人気のあるサイトに登録し、検索に引っかかるようにあらゆる自己PRを書きまくった。

翌朝目を覚ますや否や、パソコンを起動した。2名の女性しかアプローチをかけてくれなかった。

そこでまず吹いてしまったのが、その2名の内、1人がなんと先述の同僚だったんだ。まあこいつは論外だから、実質1人しかアプローチしてくれなかったんだな。

運命の相手

そのもう1人の女性はプロフィール画像を設定していなかった。名前もどうも怪しい。明らかに詐欺っぽいという考えもあったんだが、俺は賭けてみることにしたんだ。

その「女の子」にDMを送って、当日の夜に近所の喫茶店で会いませんかと誘ってみた。約3分後には返事が来て、大丈夫とのこと。もう俺、ワクワク。ただ下心によるワクワクもさることながら、どうなるかどうかが楽しみだった。詐欺だとしても笑い話にはもってこいだからね。

その日もいつものようにかなりハードな仕事だったが、夜は早めに仕事をきりあげ、直ぐに着替えて喫茶店へ向かった。その喫茶店は家から車で5分。

駐車場に車を停め、喫茶店に入った。騙される覚悟はできてた。

…だが、驚くべきことに美しい女の子が近づいてきたんだ。俺がこれまで見た中で一番美人。一番の特徴は目の色かな。世界一ゴージャスなグレーの瞳をしていた。

「こんばんは」

彼女は笑顔で話しかけてきた。

「私はクリスティっていいます。あなたはデイビッドですよね。あのサイトで画像を見ました。」

「俺は見てないけどねっ」

俺とクリスティは直ぐに意気投合。まるで初対面じゃないかのように話すことができたんだ。

その日のデートは本当に楽しくて、お互い多くの共通点を見出すことが出来た。最後は彼女の住んでるアパート(結構ボロかったw)まで車で送って、車でキスしてお別れよ。この時、俺は世界一の幸せ者だと思った。

結婚

その後も交際は続いたんだが、4ヶ月も経たないうちに俺から彼女に結婚を提案した。彼女も大興奮でOKしてくれた。

結婚式も素晴らしかった。欲を言えば出席者が少なかったかな。出席者は俺の母、クリスティの父、俺の職場の同僚数人、彼女の友達数人。

ま、クリスティが素晴らしいから良かったんだ、そんな細かいこと。

結婚式の日の夜、俺は初体験を済ませた。幸い、彼女は妊娠しなかったようだった。結婚生活の序盤に子供を授かるっていうのは個人的には嫌なんだ。早いうちに子供を授かってしまうと、新婚旅行のための資金もキツくなってくるし、お互い子供中心になっちゃうような気がするんだ。彼女だけを愛せる時間が欲しかったわけだわ。

そんなこんなで彼女が俺の家に本格的に引っ越してくることになって、彼女の私物を運ぶのを手伝ったりなんかもした。俺ら夫婦のスタートは極めて順風満帆。完璧だった。

異変

数ヵ月後、俺の仕事の同僚ケビンが体のいたるところを刺され亡くなっているのが発見された。ケビンは俺達の結婚式に出席してくれた同僚の1人だ。何の目的で誰がやったのか不明であった。警察によると数日後の司法解剖の結果を見て総合的に判断するらしい。

俺はこの事件で正気を失ってしまった。遂におかしくなってしまった。かなり激しい頭痛が襲った。過労からだろうなんて思い込んでいたんだが。

その夜、やはりハードな残業から帰宅してもう夜は更けきっていた。クリスティはもう寝ているようであった。お腹も空いていなかったし、俺もクリスティと一緒に寝ようと寝室に行った。

なんとなくケビンの死についてクリスティに話したんだが、突然クリスティがむくっと座ったんだ。そして俺を見て微笑んだ。…明らかに場違いな態度

「心配ないわ。彼は元気。」

俺は彼女の言葉に驚くべきか、それともそのまま受け取って元気を出すべきか悩んだ。ともあれ彼女の性格から俺はその悩みは捨てて、そのまま寝ることにしたんだ。

恐ろしいカラダ

翌朝、俺は著しく体調を崩した。咳が止まらず、吐き気もした。やむを得ず仕事を休み、家で休養することに。その日クリスティは

「愛してるわ。元気になってね。」

としばしば声をかけてくれた。俺はクリスティのこの言葉にずいぶん癒された。

夜も更け、彼女は静かにベッドに入ってきて電気を消した。俺は彼女に抱きつこうと腕を回したんだが、その瞬間手先が凍りついた。彼女の肌が氷のように冷たかったのだ。

「クリスティ、大丈夫?」

俺は尋ねた。だが、彼女からの返事はなかった。

俺は彼女の様子を見るために向こうを向いていた彼女をくるっと回転させた。…最恐の事態が明らかになったんだ。ありったけの声で叫び、思わず彼女の体を自分から遠ざけ、洗面所に駆け込んだ。

俺が何を見たかって言うと、クリスティであることにはクリスティなのかもしれないが、眼球のない血だらけの目の穴、皮膚に浮き上がりただれた血管、生気のない肌色… いかんせん部屋が暗くて細かくは把握し切れなかったが、こんな恐ろしい彼女がそこにいたんだ。

俺はその場に座り込んで泣き叫んだ。

翌朝の様子

翌朝目が覚めた。気がつかないうちにそのまま寝てしまっていたんだな。

不思議なことに朝のすがすがしさはやはりかわらなかった。だが、昨夜のことを思い出してすぐにそのすがすがしさは失われ、恐怖が蘇った。視界はぼやけて歪んでいた。おそらく昨夜泣きすぎたせいだ。

昨夜俺が見たものが何であれ、新しい一日が始まったんだ。いつまでも怖がっているわけにはいかない。俺はゆっくりと洗面所のドアを開け、物音がしていないことを確認した。

ゆっくりと慎重にベッドルームに行くと、そこにはもう彼女はいなかった。

カンカン

物音がした。何か金属同士をぶつけたような音、台所からだ。俺は台所に駆けつけた。

…台所ではいつもどおり美しい妻が床に落ちたパンを拾っていた。彼女は俺を見ると、またパンを落としてしまった。

「昨夜はどうしたの?」

彼女は尋ねてきた。怒っているという感じはなく、心配しているような感じだった。

「すごい吐き気がして…吐いたんだ」

俺は嘘をついた。

「あら…お大事にね」

幸いごまかすことはできたようだ。俺にキスをすると、再び朝食を食べに戻った。週末だったんだが、幸先が悪すぎた。

悪夢で見た?

俺は見たもの、起こったことを頭の中で整理することにした。説明できない…。過去に同じような、似たような経験はあったか?…あるはずない。

いや…。

あった。

昔、悪夢を見たことがあった。

生気の無い体に、眼球の無いクリスティ。だが、クリスティのその恐ろしい姿が最大の脅威というわけではなかった。最も怖かったのがその体が俺にしてきたことだ。彼女の体は操り人形のように起き上がり、俺の目の前に顔を寄せてくるんだ。やけにリアルな腐臭が鼻をついた。

「逃げ場は無い」

淡々と囁いてきた。

「私たちは永遠に一緒」

彼女は時折美しい笑顔を見せて笑っていた。とはいえ、その笑顔がもたらすものは悪寒以外の何者でもない。

防衛

すでに俺は狂っていた。

「それ」がどこにでも見えるようになった。部屋の家具の陰に隠れている。公園で横たわっている。俺は「それ」から狂ったように逃げていたが、逃げ切れることはなかった。俺はクリスティが欲しかった。俺の愛したクリスティが欲しかったんだ。ゾンビではない。終わらせなければいけなかった。

翌日、俺が家に帰ると、キッチンに「カラダ」が立っているのを見かけた。なんとそれは悪夢と同じような姿勢にかがんだのだ。

このままでは俺がやられる

俺は先手を打ってそれに飛び掛かった。その判断にものの数秒もかからなかった。激しい抵抗を受けたが、ようやくオーブンに押し込めることが出来た。扉を閉め、スイッチオン。ひどいことであるとは思ったが、俺の方が危なかったんだ。オーブンが激しく揺れ、かなりの悲鳴が上がったから、俺は家の外で様子をみることにした。

悲痛な叫び声は10分ほどで止み、家は黒煙に包まれた。

やってしまった

家の中に戻ると、家は死んだように静かになっていた。怪物はどこにもいなかった。残骸を調べるべくオーブンに向かい、扉を開けた。俺はやってしまった。

目がある

信じられなかった。俺は最愛の妻クリスティをオーブンで焼いてしまったのだ。膝を落として、ただただ絶句していた。

30分して誰かからの通報を受けたのか、警察が駆けつけた。警察は俺を立ち上がらせ、現場にいた容疑者として逮捕した。

警察の取調室で執拗な質問を受けたが、なんとか言い逃れの道を見出した。結局、俺は仕事から家に帰ってきたら最愛の妻の変わり果てた姿を発見した悲劇の旦那という嘘をついた。警察はそれを一旦は信じてくれたようだ。捜査中はホテルを借りなければいけないらしい。

…俺はこの嘘が最後まで通用するとは思っていない。

それにさらに悪いことがある。いまだに彼女を見てしまうんだ。いや「彼女のカラダ」か。どうして。俺は殺したんだ。俺は彼女を殺した。俺は、彼女を、殺した。

俺は自分を許すことができない。俺は自分の人生、彼女の人生、みんな台無しにした。

職場の公害

…このまま働かなければ、もう廃人になってしまう。俺は翌日には職場にいくことにした。職場のドアに近づく。しかし職場のドアには黄色い警戒線が張られ、扉に紙が貼り付けてあった。

本建造物において公害物質の流出が確認されたため、州法に基づき閉鎖します。州保健局

俺はピンと来ると同時に、ゾッとした。何の公害物質かとか細かいことはわからない。俺は検査をしなければと思ったんだ。車で病院に直行した。

車のドアも閉めずに、病院に駆け込むと、待合室には誰もいない。病人は俺1人のようだった。看護師が医者の部屋に案内してくれた。俺は有害な化学物質を摂取したおそれがあることを説明し、検査を受けた。

俺はどうやら公害物質を吸い込んでしまっていたらしい。副作用は

片頭痛・嘔吐・疲労感・幻覚幻聴

まとめ

環境に優しい産業を!

<<アメリカ・デンバー国際空港の闇>>

<<Siriが俺に危害を加えてくる件>>

<<三谷幸喜「赤い洗面器の男」の結末>>

<<ある老人の秘蔵怪奇写真集>>

ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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