「カルピス」の語源

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皆様は「カルピス」という乳酸菌飲料、お好きでしょうか。


カルピス <希釈用> 470ml×3本
カルピスはカルピス株式会社から発売されている乳酸菌飲料です(カルピス株式会社は現在アサヒグループホールディングスの完全子会社となっております)。

原液を水や牛乳で薄める飲み物です(カルピスウォーターは元々薄めてあるのでそのまま飲めます)。

皆様はカルピスの語源をご存知でしょうか。「カル」は何となく「カルシウム」の「カル」かなと想像できるかもしれませんが、「ピス」はいかがでしょうか。

実は海外ではこの「ピス」についてあらぬ噂が立ち、カルピスという名称は用いられておらず、「カルピコ」という名称で展開しております。

今回は「カルピス」の語源について、海外の誤解と、本当の語源をご紹介させていただきたく存じます。

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海外では「カルピコ」

先述の通り、海外でもカルピスは販売されているのですが、その際に用いられている名称は「CALPICO(カルピコ)」

日本では「CALPIS」と記載されることもあるのに何故あえて「CALPICO」という名称を使っているのでしょうか。

「ピス」は尿?!

「カルピス」の「カル」については変更されていないことからお分かりになると存じますが、問題ございませんでした。

問題は「カルピス」の「ピス」。実は「ピス(piss)」は英語では「尿」という意味があるのです。具体例を示しますと…

I just pissed myself.
今お漏らししちゃった。

なるほど飲料に用いるにはかなり危ない雰囲気ですね。

事業的失敗

アメリカの卸業者からは

カルピスだと「牛の尿」に聞こえるから名称変更したほうがいい

と忠告を受けたカルピス株式会社。カルピス→カウピス→Cow Piss…確かにそのように聞き取られてもおかしくはありません。

しかし社名にもカルピスを使用しており、何せ大正から発売している超ロングセラー商品。

こんな急に名称変更をしろと言われても…ということで、最初は「カルピス」という商品名のままゴリ押しで海外進出を図ったそうです。

やはり名称が「牛の尿」に聞こえると気味悪がられ、売れ行きは伸び悩んでしまいました。

そして苦肉の策で、「CALPICO(カルピコ)」に名称を変更。無事、海外進出を果たしたわけです。

本当の由来

当然、「カルピス」の「ピス」は「尿(piss)」ではございません。実は古代インドで用いられていたサンスクリット語に語源があるのです。


新・サンスクリットの基礎〈上〉

仏教の乳「五味」

サンスクリット語を礼拝用言語として用いる仏教において、牛乳を始めとした動物の乳の精製は重要視されてきました。乳の精製の過程を人生に例えていたりしているのです。

そしてその乳の精製過程は大きく5つに分けられております。具体的には

  1. 乳味(にゅうみ)
  2. 酪味(らくみ)
  3. 生酥味(しょうそみ)
  4. 熟酥味(じゅくそみ)
  5. 醍醐味(だいごみ)

の5つ。これらをまとめて「五味(ごみ)」といいます。この並び順では下に行くほど格の高く、美味しいとされております。

「人生の醍醐味」などの「醍醐味」はここからきています。ちなみに醍醐味はカッテージチーズのような味だったそうです。人生のカッテージチーズ!

「カルピル」?!

ここでカルピスの創業者は当然最も格の高い「醍醐味」から名前を頂戴しようと考えたわけです。「醍醐」はサンスクリット語で「サルピル・マンダ」

ここから「カルピル」がいいのでは?!という意見があったのですが、なんとも発音しづらいということで遭えなく不採用となってしまいました。

「カルピス」の語源

そして最終的に目をつけたのが「醍醐味」のワンランク下の「熟酥味」。「熟酥」はサンスクリット語で「サルピス」

これに「カルシウム」の「カル」を融合させて、「カルピス」という名称が誕生したのです。

ですので、尿という意味ではないのです。

まとめ

「醍醐味」を基にした「カルピル」でも良かったような気がするのですが…

<<ファミコン版『ゴーストバスターズ』の真のエンディング>>

<<外房にそびえる絶壁「おせんころがし」>>

<<誰にでも輸血できる血液は同量の金より高価>>

<<クマンバチは航空力学的に飛べるはずがない?!>>

<<マクドナルドのハンバーガーは腐らない?>>

ボーン

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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