本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。
皆様はFacebookに登録なさっておりますか?
お友達と繋がるため、あるいはお気に入りのお店のホットな情報を入手するためなど、様々な理由で活用なさっている方が多いかと存じます。
ちなみにFacebookの全世界の登録ユーザー数の合計は19億人にも及んでおり、Facebookは2017年現在最もユーザー数の多いSNSとして君臨しております(ちなみにTwitterは約3億2千万人)。
そのユーザー数の中には多重登録しているアカウントやお店のアカウント、法人のアカウント、あるいは既に亡くなってしまった方々のアカウントなども含まれているのですが…
…もし亡くなられた場合、そのアカウントからはメッセージが送られてくるなんてことないですよね?
今回ご紹介するのは、Emily(エミリー)という女性のアカウントのお話。
Emilyは既にお亡くなりになってしまっているというのですが、
死後もボーイフレンドにメッセージを送り続けている
というのです。
今回は海外の都市伝説Creepypastaからのお話です。
目次
死んだはずの彼女からのメッセージ
以下、Creepypastaを私なりに翻訳したものです。
はじめに
俺のカノジョのEmilyは2012年8月7日に死んだ。
その日、俺は最悪の知らせを受けた。彼女は職場から家に車で帰る途中に、3台の衝突事故に巻き込まれたんだ。誰かが赤信号なのに突進してきたそうだ。
そして、Emilyは数分も持たず、現場で息を引き取った。
俺達はその時点で5年間も交際してきたんだ。彼女は結婚に関する話はあまり好きではなさそうであったが、俺はEmilyと付き合い始めてから3ヶ月の段階で結婚を考えるようになってた。
Emilyは明るくて、何にでも挑戦するような女の子だった。キャンプするときなんていつも幸せそうだった。それにコンピューターにも長けてた。Emilyはいつも笑ってた。
それでもEmilyは自分自身が完璧ではないと言ってたけどね。彼女はいつも、
私の良い所だけを挙げないで。私は決してそんな人じゃないわ。もし君が言ってくれなかったら、私が損をするのよ。私には多くの欠点がある。それを含めて私自身なんだから。
と言ってた。…俺はこれに従って、強いて言うなら系で彼女の欠点を述べようと思う。
まず、彼女が好きと言っていた音楽のジャンルと実際に好きになった音楽のジャンルが全く違う点。次に「愛情はハグ」、何だそれ?。そして最後に、チンパンジーみたいな長いつま先だったな。うん。
ああ、ちょっと脱線してしまったのはわかってる。ただこれから君たちに話すことを聞いてもらう前に、Emilyが生前どんな存在だったのかを理解してもらわなきゃと思ったんだ。
Emilyが死んでから13ヶ月後、彼女は俺に最初のメッセージを送ってきた。
2013年9月4日
————-2013年9月4日————–
Emily
こんにちはNathan(ネイサン←投稿者)
お前、誰だ?
Emilyのアカウントからメッセージが届くなんておかしいんだがNathan
??
ああ、そうか。
それでは、今後、たとえEmilyのページについて語り合いたいという場合であっても、彼女のアカウントじゃなく、貴方自身のアカウントからメッセージを送ってください。Emily
こんにちはNathan
Susan(スーザン)?あなたがEmilyのアカウントを使っているんですか?
これがはじまりだ。俺はEmilyのアカウントを消さずにおいたんだ。時折、いないはずの彼女にメッセージを送ったり、彼女のアカウントに追悼文を表示したり、昔の写真を流し見したりするために。
そんなの異常だ、あるいはEmilyも望んでないと思ったが、この出来事を忘れないためには一番の方法だと思ったんだ。
俺はEmilyのアカウントIDとパスワードを彼女の母親のSusanと共有してる。つまりSusanもEmilyのアカウントにログインできるということだ。
俺は少し動揺したが、これはSusanによるメッセージだと思ったんだ。
2013年11月6日
————-2013年9月4日————–
Emily
こんにちは
今週の日曜日に○○駅に行きましょNathan
一体、お前は誰なんだ?Emily
バスの歌Nathan
頼む。誰なのか教えてくれ。
俺はSusanはEmilyが死んだ週以降、Emilyのアカウントにログインしていないことを確認した。だが、Emilyの知り合いは多い。だから、どこぞのハッカーの友達の1人がEmilyのアカウントをハッキングして、俺にいたずらしてきたんだろうと思った。
2014年2月頃
だいたい2014年2月頃だろうか、Emilyは俺の写真に彼女自身のタグを付け始めた。
俺はその通知に気づくことには気づくんだが、いざ写真を見に行くとその頃にはタグは削除されてしまっていた。
タグが消される前に確認できた写真のうち、最初のものは俺が誰かに腹パンを食らったときの写真だろう。「彼女」はもっともらしい場所、彼女がいつもいた場所に、彼女自身のタグを付けていた。
俺は2枚のスクリーンショットを撮ることに成功した(スクショに失敗してタイムラインの別の画像が映りこんでしまっているものがあったので、スクショの左にトリミングしたものを添付する)。
この辺りから、俺は寝れなくなる。腹が立って、眠れなかった。
彼女は数週間ごとにランダムな写真に彼女自身のタグをつけた。これは最近になってわかったことなんだが、タグが付けられたのに気づいていたが、特にそれに関して何も言わなかった友達が何人かいたんだ。彼らによると、バグか何かかと思ったとのこと。
彼らの内の何人かは俺をFacebookのフレンドリストから削除した人までいた。
この段階で、
「どうして、Facebookを消さなかったの?」
と不思議に思った人もいるだろう。俺も消せばよかった、と思う。だが、俺がひきこもりだったころ、ネットの友達とチャットするって楽しいと思った。Emilyの名前の横のアイコンが緑になったとき、Emilyの部屋に遊びに行く(ネット上で)のは楽しいと思った。
・・・俺はEmilyが生きていたときから、社会的に隔絶されてたんだ。彼女の死で俺はほとんど世捨て人に等しい状態になった。俺の唯一の社会とのつながりと言ったら、FacebookかMMOゲーム(オンラインゲーム)だけだったんだ。だからやめられなかった。
2014年3月15日
Nathan
なんでこんなことするんだ?
なんでEmilyのタグを付けてるんだ?
俺はハッカーだと思って、上記のメッセージを送った。
2014年3月25日
そして10日後の3月25日、俺は「回答」を受け取った。
————-3月25日————–
Emily
こんにちはEmily
こんにちは
こんにちはEmily
こんにちはNathan
これ、マジでひどいよ?
これの何が楽しいんだよ?Emily
すごい シナモンの香りがするロウソクだってNathan
地獄に落ちろEmily
なんでこんなことするんだ?
上記のチャットから数ヵ月後、初めて気づいたんだが、Emilyのアカウントは俺のメッセージも繰り返していた。
改めて見ると、俺のこのメッセージは子供っぽくて、精細を欠いていた。これじゃあ、仮に相手が面白がってやっている場合、余計に面白がるだけじゃないか。俺は彼女(彼なのか?)にエサを与えちまってるようなもんだな。
ともあれ、この時点で俺は相手は他人の苦しみを楽しむようなタイプの人間だと思ったわけだ。俺はこの人物を特定する方法を探すべく、パソコン系の掲示板に投稿したり、Facebookの運営に問い合わせたりもした。
証拠を集めるため、ログも消すわけにいかなかった。
ちなみに俺はEmilyのアカウントのパスワードや秘密の質問を既に何回か変更してた。
2014年4月16日
俺は以下のメッセージを受け取った。
————-2014年4月16日————–
Emily
私達でジャムを作ろうよ
やばし Samantha 🙁
いや 違う
通る機会はない
通る機会はない
いくつ?
ガレージのサイドドア
通る機会はない
ランダムな言葉の羅列。今までと同じく過去の会話から文章を切り貼りしている。
2014年4月29日
————-4月16日————–
Emily
ベイクドビーンをトーストに
知らない ただ「Nathanに聞いたら」って
「Nathan
「Nathan
「NathanNathan
何が起こっているんだ
どうやってんだよ
頼む、やめてくれEmily
頼む、やめてくれ
何が起こっているんだ
手がかりは何も得られなかった。
Facebookの運営はEmilyのアカウントにログインした場所を教えてくれた。しかし、彼女の死後からは、それらは全て俺がアクセスできる場所だった(自宅、職場、彼女の母親の家など)。
上記の「Nathanに聞いたら」っていうのはしょうもない内輪ネタなんだが、「彼女」がこの言葉を送ってきたのを見た俺は衝撃を受けた。正直、実写で見たら引くレベルのリアクションを取ってたと思う。
この彼女からの最後の数行でだんだん怖くなってきたが、まだこの段階ではその感情を受け入れるつもりはなかった。まだただのハッカーなんだと思ってたんだ。
2014年5月8日
Emily
I*
I*
-12
-15Emily
ジャンパーは乾燥機の中で、本当にさむい 🙁
本当にさむい
さむ
さむ
Nathan
頼む、やめてくれ
I*
さむ
こ ゴエ る
何が起こっているんだ
「こ ゴエ る」は彼女からの(?)最初のオリジナルの言葉だった。
この日から俺は悪夢を見るようになった。今も見る。彼女がキンキンに凍りついた、青と灰色の車の中にいるんだ。俺は車の外にいる。車の外はというと暖かいんだ。俺は彼女に必死に車から出るように叫ぶんだ。彼女は俺がいることにすら気づかない。たまに彼女の脚だけが俺の側に出ていることがある。
2014年5月24日
————-5月24日————–
Nathan
ほんとに酔っちゃったよ
会いたいよ
このアカウントにいるのが誰であろうと、構いやしない
仕事から帰ってきてパソコン越しにキミに逢えることを期待してる
もうそろそろ慣れてもおかしくないだろ?Emily
うーん 歩かせて
俺は本当は呑んでなかった。酔ってなかったんだ。Emilyは積極的な女の子ではなかった、だから俺が「愛してるよ」なんて言ったり、急に抱きついたり、愛のポエムを詠ったりして、よく彼女をイラつかせることもあった。俺が酒に酔っていたときは幾分甘く見てくれていたようで、俺はしばしば泥酔したフリをしていた。
彼女からのこの返信を受けて、俺はEmilyのアカウントをいわゆる追悼アカウントにしてしまおうと思った。それで終わる気がしたんだ。
ちなみに以前のコメントに比べれば大したこと無いかもしれないが、これは俺が彼女を友達のところから迎えに行こうかと提案していた会話からコピーされたものだと思う。
事故の際、ダッシュボードが彼女を押しつぶした。右のお尻から左の腿にかけて、斜めに体が分断されたんだ。彼女の足の1本は後部座席の下で見つかったそうだ。
2012年8月7日
少々、時間を遡る…
————-2012年8月7日————–
Nathan
おーい、帰り道?
EmilyNathan
このメッセージを見たら、電話して
すぐにね
○○(職場)に電話したけど、4時に出たらしいじゃん
不安になってきた
胃が痛いわ。頼むから電話してくれNathan
Emily
Emily
電話に出てよ
上記のメッセージは俺が彼女の死んだ日に送ったメッセージだ。彼女はいつもなら4:30には家にいる。これといくつかのボイスメッセージが彼女が生きていると思って残した最後の会話。
なぜこれを見てもらったのかはもうすぐ分かる。
2014年7月1日
俺は昨日以下のメッセージを受け取った。
Emily Memorial
おーい、帰り道?Emily Memorial
EmilyEmily Memorial
このメッセージを見たら、電話して
すぐにね
頼む、やめてくれ
○○(職場)に電話したけど、5時に出たらしいじゃん
不安になってきた
頼む、やめてくれ
さむEmily Memorial
Emily
Emily
何が起こっているんだ
さむ
こゴエる
「歩かせて」という旨のメッセージから数日後、俺はEmilyのアカウントを追悼アカウントにした。それ以来、彼女は何も送ってこなくなったし、俺の写真へのタグ付けも止まった。
もうこれ以上何をすればいいのかわからない。俺は彼女のアカウントを消すべきなのか?でももしこれが本当に彼女だったら?吐きそうだ。何が起こっているんだ。
ちょうどまた通知が来た、アラートが聞こえたんだ。でももう見るのが怖い。
通知を見てみた。これらの文章を書きながら見たんだ。以下が届いたメッセージだ。
Emily Memorial
こゴエる
これは俺の部屋のドアだ…
俺のパソコンも映ってる…
このメッセージは3時間前に受け取ったものだが、今でも確認しにいくのが怖い。
普通に怖い。誰がこの写真を撮ったのか想像もつかない。
今はガレージからタブレットで書き込んでる。友達の家に車で避難しようと思う。だがパニックでガレージの大きいドアを開け忘れた。勇気を出して一旦外に出ないといけないんだが、怖すぎる。
寄せられた返信
実は上記は海外の掲示板に書き込まれたものでした。
「Facebookに死んだ彼女からのメッセージが届く」という不可解な現象を経験したNathan氏。彼に対してある返信が投稿されました。
それは
Emilyからのメッセージは、
実はNathan自身が書いていたのでは?
という推理でした。
以下にその翻訳を記載いたします。
現実的な視点
Username : acematt
語弊を恐れずに言うが、別の誰かにEmilyのアカウントのパスワードを変えてもらった方がいいんじゃないかな。
論理的に考えると、墓場から愛した人が送っているというよりも、これら一連の現象はあなたの自作自演だと考えたほうが辻褄が合う。それを証拠にメッセージではあなたの言葉が使われてるじゃないか。
信用できる誰かにパスワードを変えてもらえ。ともあれ、事態が良くなることを祈っているよ。
反論
Username : BlueSolitude
>>acematt
俺もそれを言おうと思っていたんだが、そうしなかった理由は最後にNathanがアップロードした写真にあるんだ。
これ、よく見ると、椅子に座っている奴がいるだろ?これたぶんNathanなんだと思う。じゃあ、これを撮ったのは誰?ってことになるだろ。
実際にEmilyの追悼アカウントがある
この手の話が釣りの場合、追悼アカウント自体が存在しないというケースが多々あるかと思います。
しかし、今回のEmilyの場合、実はFacebookで実際に追悼されており、様々な思い出が綴られておりました。
※なお、投稿自体は追悼アカウントを伏字にしておりましたので、本エントリーでそちらのアカウントをご紹介することは控えさせていただきます。
まとめ
こんな話もあるもんだから、私はFacebook登録してないんです。こじつけです。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。