『プリティ・ウーマン』は元はバッドエンドだった?

Pocket

『プリティ・ウーマン』という映画、ご存知の方は多いかと存じます。

映画の内容自体は詳しく知らないという方も、主題歌の『オー・プリティ・ウーマン』を聞いたことがない方は少ないのではないでしょうか。

今回はこの『プリティ・ウーマン』に関する都市伝説。

映画上『プリティ・ウーマン』はハッピーエンドで終わるシンデレラストーリーなのですが、実は

元々はバッドエンドの物語を制作する予定だった

というのです。

スポンサーリンク
レクタングル大

『プリティ・ウーマン』内容

まず、『プリティ・ウーマン』の内容をご存知でない方もいらっしゃるかと存じますので、概要をご説明させていただきます。『プリティ・ウーマン』をご存知の方も確認程度にお付き合いいただければと存じます。

概要

監督:ゲイリー・マーシャル

脚本:J・F・ロートン

配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ

キャスト

エドワード・ルイス役 リチャード・ギア

ビビアン・ワード役 ジュリア・ロバーツ

あらすじ

ビバリーヒルズでの友人のホームパーティーに招かれた実業家のエドワード・ルイスは、パーティーを抜け出さなければならなくなり友人の超高級車を貸してもらう。しかし彼は慣れないマニュアルシフトに手こずった上に道に迷ってしまい、ハリウッドの路肩に車を止めてしまった。

その時、超高級車に釣られてやってきたコールガールのビビアン・ワードに声をかけられる。彼女は道案内をしてくれるというのだ。助手席に彼女を乗せ運転を再開するが、相変わらず運転は最悪。運転までビビアンが買って出た。彼女の運転でエドワードは無事、超高級ホテルにたどり着く。そして何を思ったのか、ビビアンに1晩300ドルで話し相手をしてくれるよう頼んだのだ。

ペントハウスではしゃぎながらも「体は売っても唇へのキスはお断り」というビビアンに惹かれたエドワードは、ロサンゼルス滞在中の6日間、ビビアンをアシスタントとして3000ドルで雇う。10億ドルで買収した会社を分割して売却して儲けるというエドに、ビビアンは「盗んだ車のパーツを売るのと一緒ね」と言う。

仕事の一環として、エドの仕事の会食に同伴することになったビビアン。エドから渡されたお金で会食用のドレスを買いに行ったものの、派手かつ下品な装いのせいで高級ブティックでは入店を断られてしまう。しかし、見かねたホテルの支配人のおかげで、見事完璧なレディに変身する。テーブルマナーも学び、ディナーに臨む。

エドの行動に危機感を感じた顧問弁護士はビビアンをスパイと疑い、調べ上げ、素性をばらす。傷つき契約金も受け取らないで出て行こうとするビビアンを引き止め、二人は過去を慰め合う。

翌日は仕事を休み、二人でオペラや散歩を楽しむ。

約束の6日目がやってきて、生活の援助を申し出るエドに「幼い頃から、白馬にまたがった騎士(王子様)が助けにきてくれることを夢見ていた」と、エドが自らを幸せに迎えてくれないと失意したことを間接的に告げて、ビビアンは契約金を受け取らずにホテルを出る。エドは顧問弁護士の反対を押し切り、造船会社との買収を友好的な業務提携に変更する。故郷に戻って高校をきちんと卒業しようと決心したビビアンがアパートを出た時、赤いバラの花束を手にしてエドが迎えに来た。

と、ひょんなことからであった住む世界の違う二人が、様々な障害を乗り越えた末、結ばれるシンデレラストーリーのようです。

プリティ・ウーマン [Blu-ray]

原案『$3,000』

そもそも映画『プリティ・ウーマン』の原案はもっと悲壮な物語であったといいます。

『マイ・フェア・レディ』『ピグマリオン』

『プリティ・ウーマン』は『マイ・フェア・レディ』という映画を下敷きにしてできた映画です。その『マイ・フェア・レディ』もハッピーエンドなのですが、問題はさらにその原作にあたる、ブロードウェイミュージカルの名作『マイ・フェア・レディ』や戯曲『ピグマリオン』にあるのです。

『ピグマリオン』あらすじ

以下は戯曲『ピグマリオン』のあらすじです。

ロンドンの下町の花売り娘イライザは、誰の発話からも出身地を当てるという音声学の天才である言語学者ヒギンズと、ひょんなことから出会い、彼の家に押しかけ、もっとよい仕事につくために洗練された喋り方を教授してくれと頼む。実験精神に富んだヒギンズは彼女を家に住まわせ、彼女のコックニー訛りをレディらしい英語に直す。イライザの父親がヒギンズの家に押しかけてくるなどのちょっとした騒ぎもあるが、イライザは血のにじむような話し方の訓練を受ける。ヒギンズとその友人のピカリングは、修行の仕上げとしてイライザを舞踏会に連れて行ってレディとして通そうとし、三人はこれに成功する。

しかしながらイライザは立派にやりとげた自分に対してあまりにもヒギンズが大人としての敬意を払わないことに怒り、ヒギンズの家を出て行ってしまう。イライザがいなくなったことに驚いたヒギンズとピカリングはヒギンズの母の家でイライザを見つける。イライザとヒギンズは対決する。イライザは友人であるフレディと結婚するかもしれないと述べ、ヒギンズはこれに動揺する。イライザは自分の父親の結婚式に出席すると言ってヒギンズに別れを述べて出て行ってしまい、ヒギンズはイライザが帰ってくるはずだと自分を慰める。

ちなみに、ブロードウェイミュージカル版『マイ・フェア・レディ』も同じような内容です。

つまり、最終的に2人は上手くいかないんです。

『$3,000』

『$3,000』は映画『プリティ・ウーマン』でエドがビビアンに支払った一週間分の報酬の額です。この原題を提出したところ、ハリウッドのお偉いさんが「SF映画みたいなタイトルだから却下」と言って、『プリティ・ウーマン』に変更されました。

この『3000』の当時の内容は現在の『マイ・フェア・レディ』からは想像もできないくらい悲惨なものだったそうです。具体的には、

  1. エドワードにはニューヨークに交際中の恋人がいる
  2. ビビアンは薬に溺れている
  3. エドワードは最終的にビビアンを見下し、ニューヨークに帰る
  4. ビビアンは再び路上生活をおくる

他にも悲惨な内容はあったそうですが、詳しい部分は一部の人しか知らないそうです。しかし、ビビアン役を熱演なされたジュリア・ロバーツ氏は

「本当に暗くて、気が滅入る話だった。すごく嫌な2人の、本当に酷くて恐ろしい話。私の役は、麻薬中毒で気性が荒くて、口汚くて悪趣味で、知性のかけらもない売春婦だった。エドワードはすごくお金持ちでハンサムだけど、でも(ヴィヴィアンと同じように)すごく嫌な人物だった。そのすごく嫌な2人の、本当におぞましい、醜い話だったのよ。」

と語っております。かなり酷かったんですね。

まとめ

ダークにならなくてよかった

ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

スポンサーリンク
レクタングル大