あるガソリンスタンドでのこと

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本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。

皆様はガソリンスタンド、利用したことございますか?

店員さんがいるガソリンスタンドもあれば、セルフのガソリンスタンドもございますよね。

今回は店員さんがいるガソリンスタンドでの話でございます。

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本編

以下は、私が見知らぬおじさんから伺った都市伝説です。

新車でうきうき

ある女性が新車を購入して、休日のドライブを楽しんでおりました。新しい車、気分は上々。海辺や峠、山道を走りぬけ、気がつくとすっかり夜になってしまいました。

カーナビもない時代。そして気ままに道を突き進んでしまったものですから、すっかり道に迷い、民家の一つも見当たらない山道を行ったり来たり…。山道って走ったことがある人はわかると思いますが、どこも景色が同じようで、夜になるともうどうしようもないんですよね。

ガス欠

うろうろ走っているうちに、雨が降ってきました。女性の気分は当初とは打って変わって、どんどん憂鬱になっていきます。ふとガソリンメーターに目をやると、もうガソリンが尽きかかっているではございませんか。

あれもこれも、無計画に道を進んでしまった自分のせいではあることはわかっていながらも、いらつく女性。それと同時に、このままここでガソリンがなくなってしまったらどうしようという不安にも駆られるのでした。それもそのはず、民家がないどころか、対向車線に走る車すら見かけていないのです。

ガソリンスタンド

雨は次第に勢いを増していきます。孤立。孤独。遭難。そんな不安が胸の中をどんどん圧迫していく中、焦りからひたすら車を進める女性。すると、薄暗い電灯に照らされたガソリンスタンドが目に入りました。よかった。いままでの負の感情が和らぎました。

ガソリンスタンドに駐車しました。…いつまで経っても出てきてくれない店員さん。急かすと悪いかなと思いつつも、自分も何か不安を感じていたので、思い切ってクラクションを何度か鳴らしました。…現れた。血?いや、油で汚れた作業着を着たぶっきらぼうな男。どうやら、この男が店員さんのようです。

女性「レギュラー満タンで」

店員「お支払いは…」

女性「カードで」

接客も無愛想を通り越して、不気味。女性は今すぐ逃げ出したい気分でしたが、とはいえ、愛車にはガソリンが必要。タンクが早く満タンにならないかと、じーっと待っていました。カード決済をすべく事務所に戻る店員。

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カードが使えません

はやく満タンになれ…はやく満タンになれ…

ドンドン!

不意に車の窓がノックされました。ノックしたのは…当然、あの店員です。そのガソリンスタンドには屋根がなかったので、店員はもうずぶ濡れで、一層気味が悪く見えました。

店員「このカード、使えない。カード会社に電話するから、ちょっと来て」

店員はそう言いました。女性はふと最近、買い物をしすぎていたことを思い出しました。あぁ、限度額をこえちゃったんだ。そう思い、正直、あの店員についていくのは嫌でしたが、しぶしぶ従うことにしました。

ツーツーツー

事務所まで屋根がないので女性もずぶ濡れです。事務所に入ると、店員が備え付けの電話で電話しているようでした。女性を見るや否や、受話器を差し出してきたので、女性は素直に受話器を耳に当てました。聞こえてきたのは、

ツーツーツー

ビジートーン。つまり、通話先は話中か、切断したか。そんなことはどうでもいいことでした。なぜ店員はビジートーンの鳴っている受話器を渡してきたのでしょう。

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そのとき、女性は後ろから肩を掴まれました。

もしかして、暴漢か?犯罪者か?サイコパスか?どっちにしても、最初の印象から店員はまともな人間とは思えませんでした。女性は敢えて心を落ち着かせて、目の前に打開策がないか探しました。

手にある受話器、テーブル、ペン…

灰皿!
ガラス製の重厚な灰皿がそばのテーブルの上に置いてありました。

女性は思い切って、

ドゴッ!

店員の頭を灰皿で殴りました。非力な女性でも、灰皿の重量が助けたのか、店員はあまりの激痛に地面に転がり、苦しみ悶えています。

結末

女性は今よと言わんばかりに、すぐさま先ほどの出入り口に走りました。…開かない!!

あまりのパニックでドアを押します。引きます。バンバン叩きます。開きません。ふと、視線を落とすと鍵が掛かっていました。なるほど、あの店員が施錠したに違いありません。女性が解錠すると、ドアが開きました。

女性は車に戻りました。

その後、女性は山中の車の中で変わり果てた姿で発見されたそうです。

終わりに

店員は人付き合いの苦手な人でした。件の女性に気味が悪いと思われても仕方がありません。しかし、非道の行いをするような人でありません。では、何故ガソリンスタンドで女性を閉じ込めようとしたのか。

見てしまったのです。女性の車の後部座席に潜む男を。普通の人ならすぐに伝えることができます。ですが、彼にはその能力がなかったのです。そこで、女性を救おうとした彼はまず彼女を車から遠ざけようとしたのです。その後、どうにか伝えようと。どうにかわかってもらおうと。

しかし、すべての行動は裏目に出て、最悪の結末になってしまったのです。

さて、あなたがこの女性なら、どのように行動するでしょうか。

まとめ

私が女性だったら、たぶん灰皿で殴ってもダメージを与えられません。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。

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