本エントリーは怖い話を扱っておりますので、ご注意ください。
国内でも、人気のディズニーランドですが、当然元祖はアメリカです。
アメリカにはディズニーパークが大きく分けて
ディズニーランド・リゾート(カリフォルニア)
ウォルトディズニーワールド(フロリダ)
アウラニ・リゾートアンドスパ(ハワイ)
と3つございます。(2017年3月10日現在)
しかし、上記3つのほかにも、度々新しいテーマパークプロジェクトが生まれては消えを繰り返しているらしいのです。
その中には、オカルト的な噂のあるプロジェクトもございます。今回は、海外では有名な都市伝説、ジャングルブックをテーマにした
モーグリの宮殿
についてまとめてまいりたく存じます。
目次
Abandoned by Disney
以下は海外の掲示板での書き込みを私なりに翻訳したものです。読みづらい部分や、誤訳等あるかとは存じますが、何卒ご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。
ディズニーの「生ける」廃墟
ディズニー社は少なくとも1つ、「生きている」廃墟を生み出しちまったっていう噂があるんだだが、皆の中にはそれを聞いたことがあるっていうやつもいるかもしれない。
ディズニー社はバハマのベイカーズベイっていうところに、「トレジャーアイランド」っていうリゾートを建設したんだ。当然、最初は、廃墟としての竣工ではなかったんだ。ディズニーの豪華客船が実際にそこに停泊し、観光客はそこで贅沢なおもてなしをうけるっていうプロジェクトだったのさ。
これは事実だ。調べればわかる。
ディズニー社はそれに3,000万ドル投資したんだ…そう、3,000万ドルだ。
だが、それをヤツらは捨てちまった。
ディズニー社は船が安全に航行するにはあまりにも浅すぎると批判し、さらには、キャストとして働く従業員がバハマ出身だからという理由で、彼らが怠け者であると決め付けた。要は、バハマ人はちゃんとした仕事をできないと責任をなすりつけたんだ。
▲出典:http://grown-up-disney-kid.tumblr.com/post/115958766239/disney-tbt-the-lost-treasure-island-bahamas
モーグリの宮殿
まぁここまでが事実として語られていることだね。でも、本当の理由は砂浜や、「外国人は怠け者」だからという理由じゃないんだよね。どちらもとっても便利な言い訳に過ぎない。
あ、いや、別にこれらの言い訳が合法と言いたい訳ではないんだ。なんで、俺が公式の弁明を受け入れないんだと思う?
モーグリの宮殿
それのせいだよ。
ディズニー社は、1990年代後半、ノースカロライナ州のエメラルドアイルという海岸沿いの町の近くに、「モーグリの宮殿」の建設を始めたんだ。そのコンセプトは真ん中に「宮殿」を思わせるような大きな建築物がある森をテーマにしたものだった。
モーグリというキャラクターにピンと来ない人は、『ジャングル・ブック』の話をよく思い出してみてくれ。まぁ、『ジャングル・ブック』を見たことない場合は、昔ディズニー社が映画化したアニメで、その登場人物だっていう認識でいい。
知らない人のために説明すると、モーグリは生まれてすぐに捨てられた男の子で、ジャングルの動物に教育されたり、それと同時に他の動物に脅かされたりする、『ジャングル・ブック』の主人公的存在だ。
前途多難なプロジェクト
モーグリの宮殿は、始まったときから、物議をかもすプロジェクトだったんだ。ディズニー社はそのプロジェクトのために、広大な土地を高値で買ったんだが、その購入に際して実際ちょっとスキャンダルがあったんだ。地元自治体は、その土地を「住宅街として有名な地区」であるので売却できないと主張していたんだが、それが一転して、その土地をディズニー社に売却してしまったんだ。そこにはちょうど建設して間もない家もあったのにも関わらず、なんの説明もなしにね。
その土地は、今となっては実現しなかった高速道路計画のためのものであったんだろうと思われている。事情をよく知っている人間は、それを「ミッキーマウスハイウェイ」なんて呼ぶようになった。
その後、コンセプトデザインができた。ディズニー社の広報担当が実際に、市の説明会を開催したんだ。広報担当は、そのプロジェクトが市民にどれだけ有益なものかを説明した。そのとき、市民の皆がコンセプトデザインを見たんだ。ジャングルに囲まれたインド風の宮殿・アフリカ風の民族衣装を身にまとうキャストと思しき男女…。言うまでもなく、市民はその案を受け入れなかったわけだわ。
インド風の宮殿に、アフリカのジャングル、当時、アメリカの南部では、「異文化嫌い」が激しかったのに、何故そこでそんなものを?それになんでそんな奇妙な架空の組み合わせのコンセプトなのかわからない。
市民の1人がステージに襲い掛かかって、プレゼンボードの一つをぶち破ったが、すぐに警備員に制止された。
その後、ディズニー社は、当時のコミュニティーを支配し、事実上、ぶち破ったんだ。家屋は荒廃し、土地は暴落、形容できないほどの惨事だった。地元メディアは当初リゾート開発を批判していたものの、どういうわけか、彼らの意見も一転してしまったんだ。
完成したものの
とにかく、バハマのトレジャーアイランドと同じことが、モーグリの宮殿でも起こることとなる。
建設は完了した。ゲストが実際にリゾートに宿泊したんだ。周りの町は、車で溢れかえり、当時失われていた観光客の流入で、てんやわんやになった。
だが、その後、それはすぐに止まってしまった。
ディズニー社はどういうわけか、そのリゾートを閉鎖したんだ。皆、一体どうすればいいかわからなかった。でも、まあ皆、それについてはある意味、ハッピーだったんだよね。だって、ディズニー社が莫大な損失を負ったわけなんだから。
俺は正直言って、10年前に閉鎖されたことを聞いてから特段気にも留めなかったんだ。俺はエメラルドアイルから4時間もかかるところに住んでいて、俺はただ騒ぎを聞いただけで、何にも経験しなかったからね。
俺は『トレジャーアイランド』を探索し、そこで発見したものをまとめたブログを見たんだ。怒り狂った元従業員によって破壊された様々なものがまとめられていた。まぁ、『モーグリの宮殿』みたく、『トレジャーアイランド』の地元の人も相当頭にきてたんだろうね。
余談だが、ディズニー社は『トレジャーアイランド』を閉鎖した後、『ストック』というサメも飼っている水族館をオープンしたらしいな。
なんで誰もバッシングしないんだろうな。
『モーグリの宮殿』探し
ともあれ、その『トレジャーアイランド』のブログが俺に閃かせたんだ。閉鎖以来何年も経っていたんだが、俺は『モーグリの宮殿』で廃墟探検をするのがクールだと思った。何枚か写真を撮って、そこでの経験をいろいろ書いて、なにか思い出に残せたらなって思ったわけだ。
その後、『トレジャーアイランド』のブログの管理人が、エメラルドアイルに行くということを知ったもんだから、俺は少しでも早く探索しなきゃって思った。
その年の内に、俺は『モーグリの宮殿』について研究した…いやしようとした。
当然ながら、公式のサイトやリリースではそれに関する情報はなかったんだ。きれいに洗い流されていた。
でも、俺よりも前に誰も『モーグリの宮殿』の写真を撮って投稿しているようなブログ記事を投稿していなかった。地元のメディアも一時期批判していた時期があったから、それについて見つかるかと思ったんだが、その記事もない。あからさまな隠蔽工作で、逆に目立っているくらいだった。
最近、正当な理由があって検索エンジンの運営元に頼めば、特定のサイトを掲載しないことができるということを知った。だが、正当な理由なんてないだろ?思い出すと、誰もリゾートについて話さない、言葉自体がアク禁をくらっているような感じだった。
だから俺は結局、詳しい場所までは把握できなかった。俺は90年代に郵便で受け取ったパンフレットの地図を研究したよ。こいつは、80年代後半くらいにディズニーリゾートを利用したゲストに送られてきたプロモーションのためのパンフレットだ。
俺はそれに託すしかなかったわけだ。そのパンフレットは当時、子供だったころのアニメとかの絵がプリントされてて、大人ながらトキメいたね。ただ俺の両親がタンスの奥深くにそれをしまいこんでて、探すのは、大変だっただけど。
現れる廃墟
研究の結果、ついに見つけたんだ。そこの近所の海岸の移住者に「モーグリの宮殿はどこに…」と聞こうとしたとたん、嘲笑され、失礼なジェスチャーをされたよ。もう、場所はわかってるからいいがね。
ドライブしていると、まっすぐと続く道に出たんだ。熱帯植物が、まるでそこに生息しているかのように、本来そこにある植物と混ざり合って、独特の雰囲気をかもしだしていた。
俺はリゾートの正面玄関に立ったとき、ある意味畏敬の念を持っていたよ。巨大なセクアイアから切り取ったであろう左右の支柱、そして荘厳な一枚板の木製の門が目の前にあったんだ。その門には、ところどころキツツキにつつかれた跡があった。
門の上には前の従業員による抗議なのか、「ABANDONED BY DISNEY(ディズニーに捨てられた)」と書かれた切り抜きが貼られた金属のシートが掛けられていた。
門は歩いてやっと通れるくらいしか開いていなかったから、仕方なく車を降りて、デジカメとパンフレットを持って歩き始めた。
中は、外側同様、荒れ果てていた。ヤシの木は、落ちたヤシの実に支えられなければ、立っていられないくらいグラグラしていた。バナナの木も、悪臭を放ち、虫がわいていたゴミの中から生えていた。秩序と混沌が衝突しているかのようだった。多年草の花を慎重に植えた列には、不気味な雑草や臭いキノコが混じって生えていた。
屋外に残されたものは、木材、その他すべて壊れていた。インフォメーションセンターや屋台かと思われるものも、ハリケーンかなにかで壊れていて、面影が見えるだけだった。
敷地内で最も興味深いのは、メインビルの中庭に立っていたジャングルブックの友好的なクマのキャラクターであるバルーの像だ。彼の毛皮は鳥のフンで覆われ、土台はぶどうの蔦にからめれながらも、彼は歯を見せておどけた笑顔で凍り付いていた。
宮殿内
俺は宮殿の中で発見できたすばらしいものを皆に伝えられればいいんだが、、、例えば、捨てられた彫像だったり、金銭登録簿だったり、ホームレスの秘密結社だったり…でも、なにもなかった。
中は壁紙や断熱材が盗まれたのか、うちっぱなしのような状態だった。カウンター、机、偽物の木々、、、盗むには大きすぎるものだけが、静寂の中、おいてあるだけだ。
俺はパンフレットを見て、面白いものがありそうな場所を見て回ることにした。
キッチンは…想像通り。すべての家電製品、そして十分なスペースを完備した産業用のキッチンだ。もし、そこで開業するなら、追加費用はかからないぜ!すべてのガラスが割られ、ドアが突き破られて、金属の表面はゆがみ、くぼんでいる。ジョークだよ。なんだか排泄物のような嫌なニオいがしたな。
巨大な冷凍庫は、もちろん作動しておらず、棚の中は空っぽ。天井からはフックがぶら下がっていて、何か肉の切れ目みたいなものがくっついてた。俺が内部でそうこう観察していると、ふと、あることに気づいたんだ。そのフックが揺れているんだよ。
各フックは不規則な方向に揺れていたんだが、その動きはわずかなものだったから、すぐには気づけなかったんだ。俺は、その揺れが俺自身の足音の振動などによって起こっているんだと思い、俺はじっと止まってみてみたんだが、それでもフックは揺れたんだ。俺は気味悪くて、その場を後にした。
バスルームも他の場所と同じくめちゃくちゃな状態だった。『トレジャーアイランド』のときと同じように、洗面台はヤシの実などの道具を使って粉々に破壊されていた。床には嫌なにおいが染み付いていて、俺はとてもじゃないがその場に長くはいられなかった。
でもおかしなことに、トイレの水(女性用のも確認したが)が流れるんだよ。俺は、なんで廃墟になってから長いこと経っているのに、水道を止めないのだろうと不思議に思った。
謎の囁き声
リゾートには沢山の部屋があったが、さすがに全部を見て回る時間はなかった。俺が気まぐれでひょいと立ち寄った部屋は、どこもかしこも荒らされていて、こりゃ何も見つからないなと思った。でも、ふと静かな会話が聞こえてきたんだ。俺は近くにテレビかラジオがあるんだなと思った。
それは囁き声だったにも関わらず、俺の呼吸がこだまし、さっきのトイレの水の音が聞こえてくる中でも、以下のように言っているのがわかった。
1.「私はそれを信じていませんでした。」
2.(短い、謎の返答)
3.「私はそれを知らなかった。知らなかったんです。」
4.「お前の父が、教えたんだ。」
5.(謎の返事、もしくは泣いているだけ)
あぁ、わかるよ。皆は釣りっぽいって思ってるんだろ?でも信じてくれ。俺は経験したことを皆に話しているだけだ。単にそこでなにかが再生されているなと思っただけで、別に危ない目にあったわけじゃないんだ。
無駄足だったか?
俺は再び宮殿の正面玄関に戻ってきて、何も見つからなかったもんだから、無駄な旅だったと思った。
んで、ドアをボーっと見てたんだが、中庭に面白いものがあることに気がついたんだ。明らかに見落としてたよ。たとえ写真の一枚でも、撮れれば悔いはないと思った。
そこには長さ約25メートルくらいのとぐろを巻いたリアルなニシキヘビの像があったんだ。もう日が暮れかかっていたのもあって、ちょうど像に日が当たっててね、写真には完璧なアングルだったよ!
俺はニシキヘビに近づいて、写真を撮った。そんで、さらにつま先で立って、もう一枚、顔の細部を写真に残そうと思って近づいたんだ。
そしたら、そのニシキヘビ、頭をゆっくりと持ち上げて、俺の目をじっと見たんだ。…本物だったんだよ。腰を抜かしていると、そいつはとぐろをほどいて、向こうの草むらを越えて、森の中へ消えていった。
25メートルのニシキヘビ。そいつはずっと、森の中に姿をくらましていた。
ディズニーは外来種をこの土地に放ったんだ。俺のパンフレットには「爬虫類の家」という項目が掲載されていた。俺は『トレジャーアイランド』のサメについて知っていたから、これもそんなことなんじゃないかと思った。
俺はバカだ、ほんとに大バカ者だよ。俺が我に帰るまで、どれだけの時間がかかったものか。開いた口がずっと塞がらなかったよ。俺は蛇が戻ってくるんじゃないかと、キョロキョロあたりを警戒しながら、宮殿に戻った。
俺は計画は失敗に終わったと思っていながらも、あきらめ切れなかったんだ。だから、もういちどこの建物に賭けてみることにした。
再び宮殿へーーマスコット専用エリア
深く深呼吸して、自分を落ち着かせて、俺は前に進んだ。
もうこの時点で、足は棒のように疲れていたので、まず座る場所を探した。もちろん壊れたガラスや枯葉のかかったカーペットに腰をかけたり、机の上に乗っかるように座る以外、座れそうな場所はなかったよ。椅子は全部、破壊されているか、盗まれているからね。
俺は宮殿のロビーの近くに階段があるのを見つけて、そこに腰をかけることにしたんだ。
階段は建物の入り口からは離れたところにあったから、幾分きれいではあった。ほこりは凄まじかったけどね。俺は「ABANDONED BY DISNEY(捨てられた)」と落書きされた鉄板が壁に打ち付けられているのをまた見つけたんだ。俺はすこしでもきれいなところに座りたかったから、それを剥がして、下にひいて座った。
地下へと続く階段が見える。俺はカメラのフラッシュを即席の懐中電灯として、奥を照らしてみたが、その階段は金属製のメッシュのドアで閉ざされていた。ドアの看板…おい、ドアの看板には「入れるのはマスコットだけ!よろしくね!」と書かれてるじゃないか!!
これには2つの理由でグッときたね。1つとしては、おそらくブログのネタとして面白いものが見つけられるだろう場所だったから。もう1つとしては、なんかお宝を持って帰れるんじゃないかという、まぁ、最初からあった下心かね。
解錠するのに時間はかからなかった。鍵のついている部分の金属板がだいぶ風化していたから、そんなに叩かなくても、すぐに捻じ曲げて、そこから鍵を開けることができたんだ。我ながら、ここでは賢い行動だったと思う。
マスコット専用エリアは、いままで見てきた場所と違って、俺をえらく歓迎してくれたよ。まず、蛍光灯がぼんやりではあったが、点灯してたんだ。また、経年劣化で壊れたものはあったものの、何も盗まれたり破壊されたりした形跡がなかったんだ。
テーブルには筆記用具や時計がそのまま。壁のタイムレコーダーにも、記入済みのタイムカードが残っている。椅子が散在していて、動かなくなったテレビや腐った飲食物がそのまま残してある休憩室まであった。
まるで、このパニック映画で避難した状態がそのまま残っているような感じだった。
俺がマスコット専用エリアの迷路のような廊下を進んでいくと、目に入るものがどんどん面白いものになっていったんだ。俺はさらに進んだんだが、ふいに木材にぶつかって、それにかけられた深紅のカーペットが、塗れた床に落ちて、どんどん腐った水に侵食されてしまったんだ。
ほんのちょっとぶつかっただけだ。その衝撃でカーペットの掛かってた木材は砕かれちゃったんだ。再び、カーペットをかけなおそうと思ったんだが、無理だった。
そんなことより、雲行きが怪しくなってきた。だんだん蛍光灯の光が弱くなってきている気がした。
でも、結局進んだ俺は、黒と黄色の縞模様の扉に、「キャラクター控え室1」と書かれているのを見つけたんだ。
ドアは最初はびくともしなかった。俺は、この中に衣装が保管されていたんだろうと考えた。絶対臭いだろうけど、その写真を残したい。でも、どんな手を使っても、開かなかったんだ。
俺はあきらめて歩き出した。だが、そのとき、急に何かが飛び跳ねる音がして、ドアがゆっくり開いたんだよ。
部屋の中は暗かった。まさに漆黒。俺は電灯のスイッチを探すために、ドアでカメラのフラッシュを焚いたんだが、何もなかった。
その瞬間大きな音がしたもんだから、俺はドキッとした。そして頭上のライトが、ちかちかと点滅し出したのだ。漆黒の闇が照らされ、目がくらんだ。
目がなれれるのに、2秒はかかった。ようやく、ぼんやりと見えるようになってきた。電球がちかちかしている。完全についたかな?と思うと、ぼやけるという感じだ。
衣裳部屋の怪物
部屋は想像通りだった。様々なディズニー衣装が壁にぶら下がっている。だが、これでは、まるで、いや、なんでもない。
後方には民族衣装が掛けられていた。
俺が妙に思ったもの、すぐに写真をとりたいと思ったものは、部屋の中央にあったミッキー・マウスの衣装だ。他の衣装とは違って、何かの犠牲者のように床に横たわっていた。衣装の毛皮は腐敗が進み、皮がむき出しになっていた。
しかし、さらに妙だったのは、衣装の色だ。実際のミッキーの反転バージョンとでも言うべきか。本来の彼の黒い部分が白く、白い部分が黒くなっていた。さらに通常は赤色であるオーバーオールは水色になっていた。
その光景は、すべてを撮影するにはなれないほど不気味だった。
俺は壁にぶらさがった衣装の写真を撮った。上から撮影したり、下から撮影したり、全体を写すために横から撮影したり…いくつかのプラスチックの目は抜け落ちていた。
そして俺は演出することにしたんだ。べったりと汚れた床に、ちょっと変わったキャラクターの頭を1つおいて写真を撮ろうと思った。
俺はドナルド・ダックの衣装の頭の部分に手を伸ばした。壊さないように、慎重に。
そのでかい目をした顔を見た瞬間、カランカランと大きな音が鳴ったので、恐怖で飛び跳ねた。
足元をみると頭蓋骨があったんだ。マスコットの頭から落ちて、床で砕けていた。その空洞は俺を見つめているかのようだった。
皆もそうするとおもうけど、俺はドナルドの頭をすぐに放して、ドアのほうに走った。出口に着いたとき、俺はあの頭蓋骨のほうを振り向いた。
俺はそれを撮影しなきゃとおもったんだ。どんな理由であれ愚かだとおもうかもしれないが、ここでは、「しなきゃ」って思ったんだ。
俺は何が起こったのか証明しなければならない!特に、ディズニー社が隠蔽しようとしている場合は!!過失であったとしても、ディズニー社はこれの責任を負うべきなんだ。
だが、例のミッキーが起き上がりはじめたんだ。
最初に座って、そして立ち上がった…そのミッキーマウスの衣装…いや、その中のヤツとでも言うべきか、ともかく部屋の真ん中で立っていた。つくられた顔でこっちを見ながら。俺は錯乱して「違う」と何度もつぶやいていた。
手が震える。心拍数が上がっていく。それに、もう足は棒になっている。だが、俺はカメラを持ち上げ、目の前のソイツに照準を合わせた。
デジカメの画面には、ノイズがはしり、対象物の形をかたどったものしか映らなかった。だが、それは確かに、ミッキーのシルエットだった。震える手でカメラを別の場所に向けると、そのノイズは解消されたが、ミッキーの輪郭を捉えると画面に異常が出ちまうんだ。
その後、俺のデジカメは故障した。真っ白になり、そして動かなくなった。
俺はもう一度ミッキーマウスのほうを見た。
「ねぇ」
それはあまりにもひどい、完全にぶっ壊れたミッキーの声で言った。
「ボクのあたまのなかみをみたいのかい?」
ソイツは自分の頭を引っ張りはじめた。あのおなじみの手袋で。まるで噛み付いた怪物を剥ぎ取る怪我人のような苦しそうな動きをして。
首には無数の傷が。血が。
あまりに深い傷で、膿んで血が黄色くなってた。
俺は眼を背けた。布にこすれる肉の音がした気がする。ここを離れなくては。
この部屋の出口の上に、金属や骨や爪でメッセージが書かれていた。
「ABANDONED BY GOD」
(「神によって捨てられた」)
俺は決してカメラから写真をダウンロードしなかった。この件に関して、ブログエントリも書いたことはない。俺はその施設から逃げ出した後、ディズニー社が何故あの場所を隠すのかを知ったのだ。
彼らは私のような人間が入ることは望まなかった。
彼らは何も表に出したくなかったのだ。
▲画像はイメージです。
出典:http://creepypasta.wikia.com/wiki/Abandoned_by_Disney
まとめ
反転ミッキーは、皆の知っているミッキーじゃない!(雑)
もちろん信じるか信じないかはあなた次第ですよ!事実ではない可能性のほうが高いですから!
最後までお読みくださり、ありがとうございます。