「全自動卵割り機」の生みの親はティム・バートンだった

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「あっと驚く主婦の味方」とお聞きになられて皆様は何を思い浮かべますでしょうか?

「全自動卵割り機」ですよね。

全自動卵割り機はアニメ『サザエさん』2007年5月27日放送回「父さん発明の母」で登場した超便利アイテムです。

具体的な機能としては「卵を装置に設置してレバーを引くと、装置が卵を割ってくれる」という卵割りが苦手な方にとってはかなり有用なものとなっております。それ以外の使い道はございません。

全自動卵割り機はアニメ放送後、あまりの奇抜さに反響を呼び、SNSや動画サイトなどで度々ネタにされることがございます。「びゃあ゛ぁ゛゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛」というやつです。機械で割った卵は美味しすぎるそうです。

…実は全自動卵割り機は『サザエさん』以前より皆様の前に登場していたのです。

それも発明者は映画界の巨匠ティム・バートン氏

同回の脚本家の雪室俊一氏はティム・バートン作品からインスピレーションを受けたのではないかと言われております。

※工場などで用いられる業務用の全自動卵割り機(割卵機)のことではございません。あらかじめご了承ください。

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全自動卵割り機

冒頭で「全自動卵割り機」について簡単にご説明申し上げましたが、問題の回をご覧になられていない方にとってはあまりイメージしづらいかと存じます。


TAKE2 クラック エッグシェルブレーカー(たまご割り器)
そこでまずは「全自動卵割り機」について改めてご説明申し上げます。

作品No.5875「父さん発明の母」

上述の通り、全自動卵割り機はアニメ『サザエさん』2007年5月27日放送回「父さん発明の母」で登場しました。

以下に同回のあらすじを記載いたします(ネタバレ注意)。

ある日、波平は会社の帰りに「全自動卵割り機」という素敵な道具を買ってきた。波平曰く「あっと驚く主婦の味方」 らしい。

全自動卵割り機は卵を自動で割ってくれるという代物だが、「卵を規定の場所に設置し、レバーを引く必要がある」など、ほとんど手動で卵を割っているのに等しく、役に立たない道具であった。

全自動卵割り機を面白がる子供たちとは対照的に、必要以上に卵を割ったりと家族はいい迷惑。

次の日、このことを知らないノリスケが、露店でこの商品が売られているのを見掛けた。それについて磯野家で話題にしたが、波平がそれを買っていたとは知らずに

「手で割ったほうが早い」

「あんな物を買う人は卵なんか割ったことがない関白亭主」

と本人の前で散々言って激怒させ、磯野家を出禁になってしまった。

その後ノリスケが自分の発明した「グルグルダシトール」の概略を磯野家に持ってきたことにより事実上和解した。ただしノリスケの発明は致命的な欠点を抱えた無用の長物だったが、彼らは気付かなかった。

開封レビュー

アニメではしっかりと波平さんが開封レビューをしてれております。

全自動タマゴ割機 (youtube)


これが全自動卵割り機の外箱です。正確には「全自動タマゴ割機」と記載するようですね。


筐体上部の容器にタマゴをセットするようです。複数セットできますね!


筐体下部のレバーを引くことで先ほどの容器から卵が一つずつ落ちてくるみたいです。そしてその卵を中ほどの手がキャッチ。まるで人間が卵を割るかのように割ってくれます!


卵の受け皿はそのままお皿として使用できるようになっており、連続で卵割りを行っても耐えられる容量を備えております(実測10個)。冷蔵庫の卵を全部一気に割ってしまっても大丈夫です。

実写版でも登場

上記の全自動卵割り機は数あるサザエさんエピソードでも群を抜くギャグアイテムとなっております。

その人気を利用しようと実写版『サザエさん』にて全自動卵割り風の道具が登場したのです。

問題のドラマの回は2010年8月8日(日)に放送された『夏休みスペシャルドラマサザエさん2!! アニメとドラマで2時間半!』のこと。

片岡鶴太郎氏が演じる波平さんが全自動卵割り機風の道具を自ら作ってしまったのです。

saza実写 サザエの夏休み3(youtube)

コレジャナイ感が半端ございませんが、そもそもコレもアレもないのです。この発明品は「自動卵割り機」という名前ですので、似て非なるものということでしょう。

ちなみにこの発明品は失敗作で製品版のようにパカパカ卵を割ることは不可能です。

ティム・バートンの全自動卵割り機

さてここからが本題。『サザエさん』で爆発的な人気(?)を博した全自動卵割り機ですが、明らかに似ている装置がティム・バートン監督の作品に多々登場するというのです。


ティム・バートン[映画作家が自身を語る]

以下にいくつか挙げさせていただきます。

1985年 ピーウィーの大冒険

ティム・バートン監督の初の実写作品である『ピーウィーの大冒険』。

子供向けの作品を作ろうとしても作れなかった(作らなかった)ティム・バートン氏の独特な感性が業界人に買われて、実写作品の担当をすることになったそうです。


ピーウィーの大冒険 特別版 [DVD]

あらすじ

とある郊外の一軒家に住むピーウィー・ハーマン(ポール・ルーベンス)は、大切にしている赤い自転車が大のお気に入り。

ある日、マジック・グッズを買いに町へ出たピーウィーは何者かに自転車を盗まれてしまう。あまりのショックに取り乱したピーウィーは、自転車を探すべく独自に調査をし始める。

調査の一環で訪れたインチキ占い師から、「アラモ」へ向かえと告げられたのを鵜呑みにし、ピーウィーはテキサスを目指す。そんなピーウィーに道中様々な騒動が巻き起こる。

引用:Wikipedia

朝の全自動卵割り機

主人公ピーウィーはかなりの変わり者で、朝の起き方も変わっております。

  1. 目が覚めたらレコードを流し、朝の装置を起動する。
  2. ダンベルを持ち上げながら、起床する。
  3. すべり棒で階下の食卓へ向かう(何故か着替えが終わる)。

などなど…。謎の朝の装置で着替えも朝食もできてしまうのです。ともあれこの装置の中に全自動卵割り機が含まれております。

それが以下(gif動画)

落ちた卵を掴んで、上から衝撃を与える感じは完全に全自動卵割り機の挙動ですね。

2003年 ビッグ・フィッシュ

ティム・バートン氏が「父と子の和解」を始めてテーマにした作品である『ビッグフィッシュ』。

前年にお父様を亡くされたティム・バートン氏の熱意がかなり込められており、感動できる作品かと存じます。


ビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション

あらすじ

身重の妻ジョセフィーンと暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム。彼の父エドワード・ブルームは自らの人生を巧みに語って、聞く人を魅了するのが得意だ。ウィル自身も幼い頃は父の奇想天外な話が好きだったが、年を取るにつれそれが作り話であることに気づき、いつしか父の話を素直に聞けなくなっていた。

3年前の自分の結婚式にエドワードが息子ウィルの生まれた日に巨大な魚を釣った話で招待客を楽しませた時、不満が爆発する形でウィルは父に今夜の主役は自分であると訴え、父は自慢の息子の結婚式を盛り上げるためだったが裏目に出てしまい、ウィルは一方的に父と疎遠になる。

そんなある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入る。ウィルは妻と共に実家へと戻る。しかし、病床で相変わらずな話を語り出す父と、本当の父を知りたいと葛藤する息子は理解し合えぬままだった。

父の荷物を整理していたウィルは古い証書を見つけると、エドワードの過去を聞くために、証書に名前の記された女性ジェニファーに会いに行く。お化け屋敷のような場所に1人で住むジェニファーの話から、これまでウィルが完全なほら話と思っていた話の中に実は真実が含まれていたこと、そしてエドワードが多くの人に愛され、妻子を深く愛していたことを知る。

さらにウィルはベッドで寝たままの父から今迄の人生を聞く。

エドワードは若い頃から楽天的で人を幸せにする事が大好きだった。ある日、エドワードは旅に出る事になり、信じられないような大男と会ったり、サーカス団に入ったりし、靴を上に吊るされた長い紐に投げて裸足で過ごす村でサンドラに出会い、サンドラを強引に妻にしようとする男に殴られて花畑でボロボロになる。サンドラは「何故攻撃しなかったの?」と泣きながらエドワードを介抱するが「暴力で幸せを僕は見た事がない」と語り、サンドラにプロポーズする。

エドワードの葬式に、これまでほら話だと思っていた人々がたくさん集まってくるのだった…。

アッシュトン高校科学祭

父のエドワードが高校生のとき、アッシュトン高校の科学祭で受賞するシーンがあるのですが、その際の作品が全自動卵割り機なのです。

波平さんも一歩間違えれば、科学賞を受賞していたかもしれませんね。

まとめ

やっぱり機械で割った卵は一味違いますね!

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ボーン

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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