本エントリーは卑猥な内容を含んでおります。ご注意ください。
線路はつづくーよ どこまでもー♪
この『線路はつづくよ どこまでも』という歌はNHK教育テレビでも取り扱われことが多く、ほとんどの方がお聞きになられたことがあると存じます。
明るく、楽しい汽車旅を歌っている歌ですよね。
この歌は西部開拓時代、アメリカ中西部とアメリカ西部を結ぶ線路を建設している際に歌われた労働歌でした。もともとは子供用の歌ではなく、大陸横断鉄道の建設に携わった肉体労働者たちの歌なのです。
実は『線路は続くよどこまでも』のおなじみの歌詞は日本の作詞家が独自につけたもので、オリジナルのアメリカ版は
とんでもなく大人向けなものだった
のです。具体的には卑猥な隠喩や浮気などの要素が含まれているのですが…
今回は『線路がつづくよどこまでも』のオリジナル歌詞についてご紹介したく存じます。
目次
おなじみver『線路はつづくよどこまでも』
まずは1962年からNHKで放送された『線路はつづくよどこまでも』のおなじみの日本版の歌詞は健全であり、全く問題ないことをご説明いたします。
動画
以下は『線路はつづくよどこまでも』の動画です。
歌詞
タイトル:線路はつづくよ どこまでも
作曲:アメリカ民謡
作詞:佐木敏
線路はつづくよ どこまでも
野をこえ 山こえ 谷こえて
はるかな町まで ぼくたちの
たのしい旅の夢 つないでるランラ ランラ ランラ
ランラ ランラ ランラ
ランラ ランラ ランラ
ラン ラン ランランラ ランラ ランラ
ランラ ランラ ランラ
ランラ ランラ ランラ
ラン線路はうたうよ いつまでも
列車のひびきを 追いかけて
リズムにあわせて ぼくたちも
たのしい旅の歌 うたおうよ
明らかに楽しいイメージですよね。
列車に乗ってどこか旅にでも行きたくなってしまいます。
社畜ver『線路の仕事』
実は上記は子供向けに改めて書かれた歌詞でした。その前にすでにメロディは日本に入ってきており、1955年に『線路の仕事』という曲名で日本語の歌詞も付けられました。
その歌詞は『線路はつづくよ どこまでも』に比べて恐ろしく厳しく、昔も社畜がいたのだと思い知らせてくれます。
動画
歌詞
タイトル:線路の仕事
作曲・作詞:アメリカ民謡
訳詞:津川主一
編曲:荒木栄
線路の仕事は いつまでも
線路の仕事は はてがない
汽笛のひびきがなりわたれば
親方はさけぶ ふきならせつらい仕事でも しまいには
つらい仕事でも はてが来る
汽笛のひびきがなりわたれば
つるはしをおいて 息たえる
先の童謡とは異なり、上記の歌詞では線路を作る労働者をテーマにした歌になっていることが伺えますね。
確かにアメリカ中西部と西部を結ぶ鉄道を作ろうとした場合、労働者の方々にとってはどこまでも続く作業のように感じたかもしれません。今ほど効率化もなされておりませんしね。
ちなみに上記の津川氏の歌詞はアメリカの原曲『I’ve Been Working on the Railroad』をかなり忠実に翻訳したものなのですが、それでも原曲のアダルティさには敵いません。
それでは原曲を見てみましょう。
原曲『I’ve Been Working on the Railroad』
さて、お待ちかね原曲の『I’ve Been Working on the Railroad』をご紹介いたします。
歴史
時は1860年代のアメリカ西部開拓時代まで一気に遡ります。
大陸横断鉄道
1863年、アメリカ合衆国にて兼ねてより企画されていた西部開拓における一大プロジェクトが始動しました。それが大陸横断鉄道の建設。
「ユニオン・パシフィック鉄道」が中西部から西に向かって線路を延ばし、「セントラル・パシフィック鉄道」が西から中西部に向かって線路を延ばしていきました。
2社が同時進行で工事を行っていたとはいえ、その線路の長さは合計約3,000km。2,3年で終わるような仕事ではございませんでした。
駆り出された下流労働者階級
線路建設に従事した労働者はアイルランド人移民、南北戦争の退役軍人、モルモン教徒、中国人移民など、当時比較的貧困層にいた方々でした。
給与は一日3ドル。だいたい5,000円ほどでした。
超薄給ですよね。
※さらに中国人移民の方々については、「体力が無い」という偏見があり、より低い賃金で雇われていたそうです。つらいですね。
上記の鉄道建設工事は6年続き、1869年、ついに大陸横断鉄道が開通しました。
原曲動画
さて、そんな過酷な労働環境にいた労働者が歌っていた『I’ve Been Working on the Railroad』の動画をご覧いただきましょう(カバーです)。
歌詞
タイトル:I’ve Been Working on the Railroad
作曲・作詞:アメリカ民謡
(翻訳は後述します)
I’ve been working on the railroad
All the livelong day
I’ve been working on the railroad
Just to pass the time awayCan’t you hear the whistle blowing
Rise up so early in the morn
Can’t you hear the captain shouting
Dinah, blow your hornDinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow your ho-o-orn
Dinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow
Dinah, won’t you blow your hornSomeone’s in the kitchen with Dinah
Someone’s in the kitchen I kno-o-o-ow
Someone’s in the kitchen with Dinah
Strummin’ on the old banjo!Singin’ fi, fie, fiddly-i-o
Fi, fie, fiddly-i-o-o-o-o
Fi, fie, fiddly-i-o
Strummin’ on the old banjoSomeone’s makin’ love to Dinah
Someone’s making love I know-o-o-o
Someone’s making love to Dinah
‘Cause I can’t hear the old banjo
以下は上記の翻訳です。
俺は線路で働いている
まる一日中だ
俺は線路で働いている
あっという間に時間が過ぎてゆく警笛が鳴り響くのが聞こえるだろ
こんな朝っぱらから起きろってさ
親方の叫び声が聞こえるだろ
ダイナ、ホーンを吹き鳴らせってさダイナ、吹き鳴らしてくれ
ダイナ、吹き鳴らしてくれ
ダイナ、吹き鳴らしてくれ、お前のホーンを
ダイナ、吹き鳴らしてくれ
ダイナ、吹き鳴らしてくれ
ダイナ、吹き鳴らしてくれ、お前のホーンを誰かがキッチンにダイナと居る
誰かがキッチンに居る、俺は知ってるんだ
誰かがキッチンにダイナと居る
あの古いバンジョーをかき鳴らしてるんだ!歌ってやがるぜ、フィ、フィー、フィドリーオって
フィ、フィー、フィドリーオー
フィ、フィー、フィドリーオ
あの古いバンジョーをかき鳴らしながらな誰かがダイナと愛し合ってる
誰かが愛し合ってる、俺は知ってるんだ
誰かがダイナと愛し合ってる
あの古いバンジョーが聞こえないからな引用:線路は続くよどこまでも – Wikipedia
大人要素
上記の歌詞をご覧になられて、もう『線路は続くよどこまでも』の楽しさは失われていると思われた方が多いかと思います。
しかしこの曲にはいままでの日本版2パターンに含まれていない大人の要素が含まれているのです。
『線路の仕事』にて社畜環境についてはご紹介申し上げましたので、以下では『I’ve Been Working on the Railroad』固有の大人向け要素をご紹介いたします。
女と電車
男性と女性があんなことやこんなことをすることの表現に「乗る」という表現がございます。(ご存知でない方には大変申し訳ないのですが、この表現に関する詳しい説明は控えさせていただきます。)
この「乗る」という表現は実はアメリカにもあって…
実はダイナは「列車」と「女性」の両方を意味していると言われております。
お前のホーンを鳴らしてくれ
「ダイナ、吹き鳴らしてくれ、お前のホーンを」
ここですぐに思い浮かぶのは列車の汽笛なのでしょうが、実は裏には卑猥な意味が込められております。
お前のホーン → 俺の股間部のリコーダー
なのです。
下ネタかよ!
女房の浮気
誰かがキッチンにダイナと居る
誰かがダイナと愛し合ってる
先述の通り、線路工事は過酷な労働環境でした。
忙しいあまり、「線路はどこまでもつづく…」と思ってしまうほどに。
当然家庭が恋しくなりますが、帰ることもできません。家庭がおざなりになってしまう労働者が多かったのです。
そこでこの歌では皮肉として「妻が浮気して、どこぞの馬の骨とあんなことやこんなことをしてる」という旨の詞が歌われているのです。
まとめ
これがナツミSTEPに繋がるというわけか…
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最後までお読みくださいましてありがとうございました。