最近では若者の間でもファッションとして流行している「タトゥー」。
皆様は銭湯の前で入れ墨について、以下のような注意書きをごらんになったことはございませんでしょうか。
入れ墨をしていると銭湯やプールを利用できないことが多いです。
さらに他にも、感染症に感染する可能性が上がることから保険に加入することができなくなったり、就職活動でも不利になるなど、
入れ墨を入れるにはかなりの覚悟が必要になりそうです。
- 自宅に快適なお風呂もプールもあります!
- もういい保険入ってます!
- 自営業で相当儲けてまっせ!
- 社会の目なんて関係ないよ!
上記のように、これらの障害をクリアできる猛者もいらっしゃるかもしれません。しかし、今回ご紹介する都市伝説によると、
入れ墨によって
MRIの検査を受けられなくなる
というのです。
今回は入れ墨を入れているとMRIを受けられなくなるのかをご紹介したく存じます。
目次
入れ墨の仕組み
マジックで体に落書きをしても、水で洗い落とせますよね。油性でもしかりです。
しかし、入れ墨は一度体に入れてしまうと、手術をしても場合によっては完全に取る事ができない可能性があります。
一体、何をどのようにして体に模様を刻みこんでいるのでしょうか。
人間の肌は生まれ変わる
人間の肌からは寿命を終えた細胞が常に剥がれ落ち、剥がれ落ちた部分には新しい細胞が出てきます。
ですので、基本的に人間の表皮が汚れても、時間が経てばその汚れはなかったことになります。
よく化粧水などのCMで出てくる「ターンオーバー」という現象が起こっているのです。
タトゥーは表皮よりも深くを染める
細胞が剥がれ落ちてしまう部分をいくら染めても、上記のターンオーバーによって効果は持続しません。
そこで細胞が剥がれない皮膚のより深くに色素を入れることで、色素を体内に定着させる技術が発明されました。それが入れ墨。
ちなみに、入れ墨に使う機械の元になったものは、白熱電球で有名な発明家トーマス・エジソン氏の発明品「彫刻機」。
人の免疫を利用
彫刻機の針のように太くて鋭利な針を体に刺して、色素を定着させる必要があるので、入れ墨を入れるには痛みが伴うそうです。
入れ墨機の針は、血管や神経が通っている「真皮(しんぴ)」という部分まで到達し、1分間に約2,000回震動して少しずつ肌に色を付けていくのですね。
針によって出来た傷に免疫細胞が集まり、傷を修復し始めます。これにより、色素を流し込んだ穴は塞がれ、色素が落ちなくなるのです。
その免疫系によって塞がれた部分の皮膚はいわば「仮の肌」。この部分がターンオーバーして、普通の表皮になるまでは、例えば日焼けを避けたりしなければならないのです。
MRIの仕組み
上記でタトゥーの仕組みをご理解いただけましたでしょうか。
ということをご理解いただければ大丈夫です。
さて、一方のタトゥーの体に影響を及ぼすといわれているMRI。MRIはどのような仕組みで体の中を透視するのでしょうか。
水分を見る
人間の体の70%は水分で出来ている(by ビートたけし)
と言われているように、人間の体のほとんどは水分で構成されております。その水分を見ることができれば、各臓器の様子を見ることができるというわけです。
(厳密には水の分子に含まれている水素の原子核「プロトン」の様子を見るのですが、本エントリーではそこまでご理解いただかなくても大丈夫です。)
磁気により水を整列させる
MRIとしばしば並んで考えられる「CT」「レントゲン」。
CTやレントゲンはX線を用いて体を透視する技術ですので、放射線被爆します。
そこからMRIも被爆するのでは?と心配の声があがることも少なくないのですが、実はMRIで放射線被爆することはございません。
なぜならば、MRIはCT、レントゲンと異なり、磁気を用いるからです。
MRIは強い磁気により、体内の水を整列・震動させ、その結果を画像に落とし込む技術なのです。
入れ墨とMRI
入れ墨がMRIでNGとなる理由は、
入れ墨で用いるインクが、
MRIの磁気に反応してしまうから
なのです。
入れ墨のインク
入れ墨のインクには平成以前は「酸化鉄」という磁石にくっついてしまう性質(磁性)を有しているものが用いられておりました。
これがMRIの磁気と反応してしまうわけですね。
平成以降はチタンなどの磁石に反応しないインクが用いられることが多くなったので、MRIで異常が起こる可能性は減りましたが、入れ墨がある場合は最深の注意を払うそうです。
MRIを受けるとどうなるの?
MRIを受ける際に、
という指示を受けることがあると存じます。これは磁性のある金属がMRIの検査に際して良からぬ影響を及ぼすからです。
では磁性金属はMRIにどのような影響を与えるのでしょうか。
金属が水よりも磁力に反応しやすいのはご存知かと思います。むしろ水が磁力に反応するということの方が、マイナーな知識ではないでしょうか。
よって金属によって水の分析が阻害され、検査結果に異常が出てしまうのです。
・・・それだけではないのです。
磁性のある金属がMRIの強い磁力をうけると、激しく震動して、発熱します。
つまり磁性のあるタトゥーインクを用いた入れ墨を彫っていた場合、火傷を負ってしまうのです。
まとめ
私はノータトゥーです。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。