長寿大国日本ですが、それに拍車をかけるように健康番組が多く放送されています。
今のところ生き物には例外なく必ず死が訪れます。しかしながら、その死から逃れる日も来るのかもしれません。
それはさておき、今回は菌のお話。
最近、甘酒が健康食品として一躍脚光を浴びてます。
なかでもお米を麹菌で発酵させた甘酒は、その栄養価の高さから「飲む点滴」とも呼ばれており、健康飲料として頭角をめきめきと現してきています。
噂ではお米を麹菌で発酵させたから、善玉菌も豊富だとか…
でも、この菌に関する噂、工程を確認してみると嘘っぽいんです。
今回はお米から作る甘酒の麹菌についてまとめていきます。
麹菌について
麹とは米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたものです。
コウジカビは、増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する酵素を生産・放出します。米麹の場合、培地である蒸米のデンプンやタンパク質を分解して生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖します。
と難しいことをツラツラ並べてみましたが、皆様に把握していただきたいことは、
米麹は
コウジカビがお米の成分を食べて増殖してできる
ということです。つまり生きているということ。
生きていてこそ善玉菌としての効果が望めるのです。
甘酒の作り方
いきなり料理番組かよって突っ込みたくなりますが、流し読みでもいいのでお付き合いください。記事上、大事な工程は太線にします。
①炊飯器に米を入れ、お粥を炊きます。(米1合に対して水は4合の目盛りまで入れます)
②お粥を混ぜ60℃位に冷まし、米こうじを入れ混ぜます。
③炊飯器のフタを開け、50~60℃位に保ち、時々混ぜながら5時間~10時間で完成です。
簡単ですね。
ただ、ここで注目したいのは、60℃という温度設定。
この温度が問題となります。
コウジカビの生存可能な温度
端的に述べれば、60℃ではコウジカビは絶滅します。
厳密に言えば、繁殖しやすい温度は25℃~30℃、生きられるのは50℃が限界だと言われております。
ではなにが甘酒を甘酒としているのか(哲学)。
コウジカビの有するデンプンやタンパク質などを分解する酵素(アミラーゼ)が甘酒を造っているのです。
よってこの製法で作られた甘酒に関しては、麹菌は絶滅していると考えていいでしょう。
まとめ
甘酒はおいしいし、栄養価は高い。でも多くの場合、麹菌は絶滅しています。
なぜならば、工程で菌を滅ぼしているから。
ただし、植物性の乳酸菌は生きているので腸内環境にはいいそうです!
<<七夕の短冊の色には意味があり、真剣に選んだほうが良い>>
麹菌、なんだかかわいそうだけど、私は甘酒が好きです^q^
最後までお読みくださり、ありがとうございます。