本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。
皆様は「エゴサーチ」をなさったことはございますでしょうか。
「エゴサーチ」とは端的に述べれば、自分について検索することです。例えば自分の本名をGoogleなどで検索することですね。
特段個人情報を開示した覚えも無く、Facebookなどもやっていなければ、通常は同姓同名の別人のページがヒットすることが多いかと存じます(どんな人か見るのも楽しいですけどね)。
ただエゴサーチをして悲劇に結びついてしまう場合がございます。エゴサーチをしていると時々、自分のWikipediaの記事がヒットすることがあるそうです。
呪いのWikipedia
今回は海外の都市伝説Creepypastaより、「Annora Petrova(アノーラ・ペトロバ)」さんのケースをご紹介したく存じます。
Annora Petrova
以下は海外の都市伝説を翻訳したものです。なお原文はメール形式になっております。
弁明
To : Breeiceq@i○○.com
件名:このメールを読んで!
ブリー、このメールを削除しないで!
あなたが私のこと嫌ってるのわかってるけど、昔は親友だったよね?お願いだからこのメールを読んで!私はとんでもないトラブルに巻き込まれてるんだと思う。
あなたができることはないかもしれない。だけど、あなたには今、私が陥っている状況を理解して欲しいの。
あの試合から一度も会って話してないよね。あのときあなたに起こったことは、私のせいじゃないの。少なくとも100%私のせいというわけではないのよ。他の皆は私が100%悪いって思ってるのもわかってるけど、私はあなたを傷つけるつもりなんて決して無かったの。
エゴサーチ
とにかく、今から書くことは狂っているように思われるかもしれない。でも、私は少なくともあなたには知っておいて欲しいって思ってる。
私が中学生だった頃、それは始まったの。クリスタル・クラシック大会(フィギュア・スケートの大会)の前夜。私は家にいて眠れなかった。大会のことで頭が一杯でね。そこでパソコンでネットサーフィンとかしてたんだけど、全然集中できなかった。ぼーっとパソコンの前に座ってるだけ。
ふと思い立って、私の名前をGoogleで検索してみたの。
ブリー、これはやるべきじゃなかったのよ。最初は普通に検索結果を眺めてたわ。どれも他愛も無い私とは特に関係の無いサイト。その中に私の名前のWikipediaがあったの。
予言のWikipedia
私は部活の仲間とかお父さんが作成したんだと思ったわ。そこにはそんなに多くの情報はなかった。例えば、フィギュアスケートをいつから始めたとか、どこの町に住んでるとか。でもね、その中に「その年のクリスタル・クラシック大会で優勝する」って書いてあったの。
正直笑っちゃった。誰かが勇気付けてくれてるんだって思ってね。私はお父さんにこの件について聞いてみたんだけど、お父さんは作ってないって。
翌日のクリスタル・クラシック大会で優勝した私はとても嬉しかったわ。それが私がいままでで初めて優勝した大会だったし、嬉しいったらなかったの。その後、どんなに努力したことか。両親がセルゲイさんを私のコーチとして雇ったのよ。あなたならこれにいくらかかるかわかるわよね。
ともかく、それ以降私は大会の度に私のWikipediaを見るようになったわ。大会の前日になると何位になるか記載されていたのよ。15歳には地域でトップになるって書かれてたわ。そんなのも後に全部真実になったの。
その後セルゲイさんが両親にオリンピックを狙ってみるように説得してきたわ。私は学校を辞めざるを得なくなったわ。
毎日スケートをしたけど、セルゲイさんのトレーニングには付いていくことすらできなかった。できる限り練習したはずなのに、セルゲイさんは認めてくれなかった。
記事を編集
大会が近づいてきたら…私は優勝しか考えられなくなって、やるべきでないことをしちゃったの。皆は私を優勝候補だといってくれたけど、私は負ける気がして仕方が無かった。そこで私はWikipediaのアカウントを作成して、例の記事を編集したのよ。「優勝する」ってね。
編集を反映して、記事を確認したらね…
「Annora Petrova は自分で自分に賞を与えようとする自分勝手なビッチである」
私は壊れてしまったわ。これがその翌日の凶事に繋がるの。震えが止まらなかった。私はあなたの単純作業を見てたわ。あなたがスケート靴のブレードを外して、そして…ふと記憶がなくなって、私は地面に座ってた。顔は血で覆われてたわ。額をあなたのスケート靴のブレードで斬ってしまったようなの。
これについて皆は、私があなたのスケート靴を試合前に隠そうとしたに違いない、自業自得だと言っていたわね。でもね、正直に話して私はあなたのスケート靴に何もしていないわ。確かに優勝はしたかったけど、あなたを傷つけてまで優勝しようとは思っていなかったわよ。
私はそれ以降の大会に出場停止になったけど、そのときも皆自業自得だと言ってたわ。誰も私の話なんて聞こうとはしなかった。
その後、セルゲイさんが私のコーチをやめると言ってきたわ。彼曰く、私が彼の人生をダメにしたみたい。誰も私とまともに話そうとはしてくれなかった。
皆から追放される気分を知ってる?練習時間もとれなかった。そして例のページはどんどん酷くなっていったのよ。私が確認するたびに、罵詈雑言が書き加えられていっていたわ。その内の半分も言えないけれど、言葉はとても卑劣だったのは確かよ。
何か対応をしなければいけないと思ってWikipediaの運営に苦情を申し立てたの。時に彼らに電話をかけたこともあったけど、そんな記事はないって言われるばかり。
ある金曜日の夜、私は1人で家にいたの。Wikipediaに通報もしたことだし、そろそろ例の記事がなくなっているんじゃないかと思って確認したのよ。ページはまだ残ってたわ。今度は
「Annora Petrova は哀れで幼い孤児である。」
もう何が何だかわからなかったわ。両親に助けを求めようと電話したんだけど、聞こえてくるのは恐ろしい笑い声だけ。電話先の恐ろしい笑い声がなくなるなるまで、だいたい100回は電話したと思うわ。
その事件のあと、警察に頼んで両親の電話の着信記録を見せてもらったの。あの日の夜の私からの着信はなかったわ。
孤独、そして…
私はすっかり廃れてしまった。毎日一生懸命練習して通信教育も受けてたころは、永遠の孤独なんて考えたこともなかった。あなたは救いの手を差し伸べてくれようとしていたのは知ってるけど、そのときはうつ病で何もかもをシャットアウトしてたの。
私が18歳になって、裁判所から和解金をもらったとき、スイスに行ったわ。自分自身を再発見した。私のスケート人生が再スタートしたの。1年も経っていなかったけど、一連の騒動が大昔に起こったことのように思えた。
今はプラハの郊外の古いホテルからメールを送っているわ。明日はアイス・サーカスのオーディションに参加するつもりよ。これはかつて私達が軽蔑していた道だけども、今の私にとっては本当にやりたいことなの。本当に緊張していたから、つい前の癖で例の記事を見ちゃったの。
言いづらいんだけど、私が明日のオーディションに受かるかどうか見ようと思ったら、
「Annora Petrova は友人もなく、孤独に死んだ。」
そして、今日の日付が命日として記載されていたの。
涙と震えが止まらないよ。タイピングも難しいくらい。でもあなたには真実を知ってほしくて。信じて、ブリー。信じてもらえるように、スクリーンショットを貼るね。今伝えたこと、全部わかると思うから。どうすればいいの。この辺りに知り合いもいないし、誰も英語をしゃべれない。ページを更新しつづけてるけど。
ああもうだめ。更新しても内容が変わらない。もうすぐ深夜、何をすればいいのかわからない、部屋の鍵を閉めたわ。もう深夜まで数分しかない。できることはページを更新するだけ。疲れたけど、止められない。次に何が起こるかわかるまで、パソコンの前から離れられない。
スクリーンショット
以下分割版
少々画像がショッキングなので折りたたませていただきます。
まとめ
エゴサーチは精神的によくない
最後までお読みくださいましてありがとうございました。