本エントリーは怖い話を扱っております。ご注意ください。
皆様は家の増改築を行ったことがございますか?
内装のリフォームや、若干のエクステリアのリフォームのような改築を行いになられた方は多々いらっしゃるかと存じますが、「増築」とまではなかなか行かないはず。
増築は土地を余分に持っていないとまず不可能であり、かなりハードルの高い工事かと存じます。上にフロアを増設する「お神楽建築」もかなり危険です。
しかし、38年間、毎日のように増築を続けた家がアメリカにあるというのです。その家の名は通称
ウィンチェスター・ミステリー・ハウス
一体何故、「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」は38年もの間、増築が続けられたのでしょうか。
実はその理由は心霊的なものだったのです。
今回はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに存在する「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」についてご紹介したく存じます。
目次
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの見た目
「38年続いた増築」とお聞きになられても、どこかピンとこない方もいらっしゃると存じます。
増築の規模が大きすぎて、38年かかってしまったのか?
そうではないのです。
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスについては、38年間、24時間365日、別個の増築工事が行われていたのです。
その結果、外観も内装もとんでもないことになっております。
まずはウィンチェスター・ミステリー・ハウスの見た目をご覧頂きたく存じます。
ダンジョンのような外観
以下はウィンチェスター・ミステリー・ハウスの外観です。
一見、素敵な豪邸ですね。しかし、外からでも良く見るとその異常さがわかります。
例えば、
DOOR TO NOWHERE
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスには、2階に外に繋がるドアがあるのです。
もし知らずに中からこのドアに入ってしまった場合、地面に落下することは免れません。
ちなみに現在このドアは「DOOR TO NOWHERE(どこにも通じていない扉)」としてウィンチェスター・ミステリー・ハウスの名所と化しています。
逆さまの屋根?
上記の「DOOR TO NOWHERE」のすぐ隣には、何故か下に屋根がついております。
下にあるものを屋根と申し上げるのが正しいのかどうかは微妙なところですが、下が尖がっております。
よりダンジョンな内部
上記、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの外観は少々奇妙だとは思いますが、そこまでおかしくはないですよね。
屋根の色も基本的に統一されており、まだ秩序を感じます。
しかし、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの本領はその内部。明らかに常軌を逸しているのです。
※ウィンチェスター・ミステリー・ハウス内部の撮影は原則禁止となっておりますので、ご観光でお行きになられるという方は予めご了承ください。
不合理な階段が40
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスには階段が約40個もあります(40段ではないです)。
その中には
画像左のような一回下った直後に上るような階段
画像右のような細い上に、一段一段が浅すぎて折り返しがとんでもないことになっている階段
などなど不合理な階段がわんさかございます。
極めつけは、
階段の先が天井になっていたりします!
部屋数160部屋
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスは見た目どおり、その部屋数も凄まじいことになっております。その部屋数はなんと160部屋。
例えば、
こんなスチームパンク調の重厚なお部屋であったり、
ロイヤル感満載のお部屋、
豪華な部屋しかないのかと思いきや、配管整備のためのボロボロの部屋があったりします。
1枚目:もっとも巨大なミステリースポット /ウィンチェスター・ミステリー・ハウス│最東対地の嗤う壷
2枚目:San Jose, CA: Winchester Mystery House|Living Our Dream
3枚目:The Winchester Mystery House|Frederic S. Durbin’s Weblog
普段設定されているツアーではウィンチェスター・ミステリー・ハウスの160の部屋の内、110部屋に案内してくれるそうです。
110部屋でも途方もない数ですよね。
トラップ
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスには、その外観から確認できた「DOOR TO NOWHERE」の他にもトラップが沢山あります。
ドアを開けたら壁!そんな扉が複数ございます。
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの歴史
上記で、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスでは常軌を逸した増築が繰り返されていたことをおわかりいただけましたでしょうか。
次にこのウィンチェスター・ミステリー・ハウスが何故このような不可思議な状態になってしまったのかご紹介いたします。
ウィンチェスター社の鉄砲
「ウィンチェスター」とお聞きになられて、西部劇に出てくるような鉄砲「ウィンチェスター・ライフル」を思い出される方も多いかと存じます。
DENIX(デニックス) ウィンチェスターM92 グレー アメリカ1892年モデル 全長94cm [1068]
『スーパーナチュラル』のウィンチェスター兄弟もいますが、彼らもまたこの鉄砲の「ウィンチェスター」にちなんで名づけられているのです。
ウィンチェスター・ライフルを開発したのはオリバー・ウィンチェスター氏で、1873年の西部開拓時代のことでした。同時に「ウィンチェスター社」が設立されました。買収されて現在はウィンチェスター・リピーティングアームズになっております。
実はウィンチェスター・ミステリー・ハウスも、このウィンチェスター家と切っても切り離せない関係にあるのです。
巨万の富を築いたウィンチェスター家を襲う悲劇
上記のウィンチェスター・ライフルは世界中で大ヒット。戦争や紛争で西側諸国に正式採用されるなど、ウィンチェスター家は巨万の富を築きました。
アメリカンドリームを見事手にしたウィンチェスター家は一躍大富豪の仲間入り。
一代目ウィンチェスターは栄華を極めました。
しかし、二代目ウィンチェスターである「ウィリアム・ウィンチェスター」と彼の妻「サラ・ウィンチェスター」の間に生まれた子供「アニー・ウィンチェスター」が生後1ヶ月でお亡くなりになってしまいました。
さらにウィリアム氏もその後まもなく亡くなってしまいました。
ウィンチェスター家の呪い
1人残されてしまったサラ・ウィンチェスター婦人。彼女自身には上記の他にも様々な悲劇が起こったそうです。
精神的に耐えられなくなってしまったサラ婦人は、その筋で有名な霊媒師さんに相談することにしました。すると、その霊媒師さんは驚くべき助言をしたのです。
曰く、
- 続発する災いの根源は、ウィンチェスター社が製造する銃器で殺害された犠牲者の怨霊がウィンチェスター家を呪いにやってくるため。
- 災いから逃れるには、犠牲者が特に多い西部へ引っ越し、怨霊を鎮めるためにその家を拡張し続け、霊魂の居場所を作ってあげるしかない。
これを真に受けたサラ婦人はさっそく兼ねてからのニューヘイブンにあった豪邸を手放し、サンノゼのサウスウィンチェスター通り525番地に引越しました。
広がり続けたウィンチェスター・ミステリー・ハウス
「災いから逃れるには、家を拡張し続け、霊魂の居場所を作ってあげるしかない」
サラ婦人の使命感に燃え、新居を増築し続けました。
幸い十分な財産的には問題はなく、サラ婦人がお亡くなりになった1922年まで、実に約38年間の24時間365日休まず絶えず、22人の大工さんによって増築工事が続けられたのです。
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの怪奇現象
つまり、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスが増築され続けたのは、ウィンチェスター家の富の犠牲になった霊魂を鎮めるためなのです。
サラ・ウィンチェスター婦人の亡くなった現在、ウィンチェスター・ミステリー・ハウスの増築は止まっております。
では、ウィンチェスターによる犠牲者の霊魂はどうなったのでしょうか。ウィンチェスター・ミステリー・ハウスで何か起こったりしないのでしょうか。
ラジオが勝手に鳴り出す
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスでは
ラジオが急に勝手に鳴り出す
というのです。
これは怖いですね。ただ、ラジオにどのような音が流れるのか等、詳しい情報は不明ですので、誰か行ってみてくれ!!
方位磁針が正常に動かない
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスでは
方位磁針が正常に動かない
というのです。
ウィンチェスター・ミステリー・ハウスは確かにおかしな建築物ではございますが、壁に強い磁力のある金属が埋め込まれているわけではございません。
にも関わらず、方位磁針が正しい方向を示さないというのです。
迷路のようになっているウィンチェスター・ミステリー・ハウス。方位磁針も正常に動かないことも考えると、もはや誰かを迷わすようにできているとしか考えられません。
実は、霊魂を鎮めるほかに、霊魂を迷わせサラ婦人にたどり着けないようにしていたのではないでしょうか。
まとめ
お金があっても幸せになれるとは限らないのです。むしろお金があればあるほど、その代償は大きくなり、幸せからは遠くなるのですね。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。