メガネを注文したことのある方ならば、
「ちょっと度を弱めに作っておきます」
という言葉お聞きになられたことがあるのではないでしょうか。
そして、皆様の内にも
「メガネは度が弱めの方が目にはいいんだ」
と思い込んでいらっしゃる方は少なくないのではないでしょうか。
実は
メガネの度を弱めに作ると、目が悪くなる
という説もあるのです。
今回はこの説についてご紹介いたします。
目次
メガネの度は弱めの方がいいという考え
「メガネをかけると、目が悪くなる」
「視力が落ちても、できる限りメガネはかけないほうがいい」
「遠くを見るときだけメガネをかけて、普段は裸眼がいい」
と、このようにメガネは目に悪影響を与えるという考えをお持ちの方も多くいらっしゃいます。裸眼最強説です。
では、その根拠はなんでしょうか。「なんとなく」という方もいらっしゃるかと存じますが、私の方で理由を勝手に考えさせていただきました。
目が甘える
自然なものには極力手を加えない。甘やかさない。という考えは正しい場合が多々ございます。
たとえば、野生動物の保護。あまり甘やかしすぎると、再び自然界に帰った場合、その自然の厳しさに耐えることができないといわれています。
他には御老人の足腰。いままで元気に歩行することのできていた御老人が、一日動かずにいたら、翌日からはもう寝たきり状態になってしまっていたなんてこともございます。
このように、生物は「しなくてはならないことは、できるようになっていく」という進化をしながら、「しなくても済むことは、できなくなってくる」という進化もするのです。
メガネは目の補助器具です。たしかにメガネをかけると目が見やすくなります。
そういった観点から「メガネをかけると、目を甘やかす」という考えをお持ちになるのではないでしょうか。
「目が甘える」とは?
「目が甘える」とは具体的にどのようなことを意味しているのでしょうか。
目の働き
目はカメラのような働きをしています。
対象に焦点を合わせるために関係するのは3つの要素。
A:目から対象までの距離
B:瞳(水晶体)の形状(分厚さなど)
C:眼球の大きさ
これらが全て適切にそろえば、焦点は目の奥にある神経に集まり、脳に鮮明なイメージが送信されるのです。
Aについては今回は割愛させていただきます。
B:瞳の形状
目に関して皆様が恐らくもっとも意識なさるであろう、瞳。
瞳の中には水晶体と言って、その周りを囲う筋肉(毛様体筋)の伸縮によって薄くなったり厚くなったりするレンズが入っています。
「凸レンズ」というレンズについての画像をご覧頂きましょう。凸レンズはメガネにも使われるようなレンズですが、一番イメージしやすいものとしては「虫眼鏡」のレンズですかね。
凸レンズが薄くなれば遠くに焦点が合わさり、厚くなれば近くに焦点が合わさることがわかりますでしょうか。
目の水晶体も同じように、遠くをみるときには薄く、近くをみるときには厚くというように調整されるのです。
C:眼球の大きさ
皆様にとって盲点になっているかもしれない眼球の大きさについて。
人の体が成長するように、眼球の大きさも当然のように大きくなります。その期間は他の体の部位の成長の期間と同じ、大体20歳くらいまで大きくなり続けるといわれております。
眼球が大きくなると、瞳から焦点を当てるべき神経への距離が伸びます。これによりBで述べた水晶体の形状も少しずつ変えていかなければならなくなりますね。
メガネをかけると水晶体が動きづらくなる
目の働きをご覧いただきましたが、ここで挙げられる考えが、
メガネをかけると水晶体の動きが鈍くなる
というもの。
先ほど述べたように水晶体は毛様体筋という筋肉の伸縮で動きます。
メガネは目の補助器具という考えから、メガネをかければ毛様体筋がそんなに動く必要はなくなるという考えにいたるのも不思議ではございません。
そして動く必要のなくなった毛様体筋が自然の摂理で衰え、視力が悪化すると考えるのではないかと存じます。
メガネの度が弱めだと本当はどうなるのか
さて今までは「メガネの度はぴったりよりも弱めの方がいい」という意見の理由を私なりに考えてみたものです。
ここからはメガネの度が弱めだと本当はどうなるのかについてご説明いたします。
毛様体筋には確かに負荷がかかるが
先ほどメガネをかけると目を甘やかすと述べましたが、確かに目が悪い状態でメガネをかけなければ毛様体筋に負荷をかけ続けることができます。
しかし、ここで考えていただきたいのは、
「物を見るという人間にとって日常的な行動に際して、常に通常よりも負荷がかかる」
という状況がどのような影響を及ぼすかです。
当たり前ですが、物を見る行為が辛くなりますよね。もっと具体的に述べるならば、焦点を合わせるのが疲れると感じ始めるのです。
かえって焦点を合わせられなくなる
以上のように、弱めのメガネのように度の合わないメガネをかけていると、毛様体筋に常に負荷がかかります。
その結果、これ以上負荷をかけないために、体が防衛反応を示し、毛様体筋を衰えさせてしまうのです。
でも、「見たい」という気持ちは皆にあるのです。したがって、意識で焦点を合わせようとする。するともっと毛様体筋に負荷がかかり…
というような悪循環により、視力はみるみる落ちていきます。
さらに複合的な症状も生じる
このように度の合わないメガネでは、自然に物を見ることができないのです。物を見る際に、無意識の内に、余計な力を使っています。
その結果、視力の低下以外にも以下のような症状が起こるといわれています。
- 乗り物酔い
- 3D酔い
- イライラしやすい
- 仕事や勉強の効率の低下
- 目が小さくなる(見る機能が退化するため)
- 眉間のしわが濃くなる
etc…
まとめ
メガネはしっかり選びましょう
最後までお読みくださいましてありがとうございます。