平素お世話になります。
本エントリーは虫に関する情報を扱っております。苦手な方は十分お気をつけください。
皆様、食品の原材料表示、確認していますか?本エントリーは、よく食品に色をつけるために使われる着色料のお話。着色料の中にも植物や化学薬品を使っているものもあれば、びっくりするような材料を使っているものもございます。今回は、
コチニール色素(イチゴミルク色の着色料)
銅葉緑素(抹茶色の着色料)
についてまとめさせていただきます。
目次
イチゴミルクの色「コチニール色素」
コチニール色素(cochineal extract)とは、染料あるいは食品添加物として使用される赤色の色素のことでございます。別名として、カルミン酸色素、カルミンレッドK、カルミンレッドMK-40、カルミンレッドKL-80、クリムゾンレーキ、ナチュラルレッド4、C.I. 75470、E120というものがあげられますが、基本的に同じものと考えていただければと思います。
使用されている食品例
- 清涼飲料水
- お酒
- ハム・ソーセージ
- かまぼこ・かにかま
- お菓子類
日本においては、上記のような食品にコチニール色素が使用されていることがあるようです。清涼飲料水、お酒、お菓子とまとめてしまいましたが、ピンクや赤のものです。
どれも皆様の生活に馴染み深い食品ばかりかと存じます。
気になる原料
コチニール色素は、確かに鮮やかな色で、綺麗です。では、その原料は何なのでしょうか。
その原料は…
カイガラムシ(エンジムシ)
という昆虫でございます!なんと、鮮やかな赤はこの虫から抽出されるというのです!
(虫の画像なので折りたたみます)
ちなみにこのカイガラムシ、オスとメスで形・役割が全く異なります。オスは蚊のような形をしており羽で移動しますが、メスと交尾するために存在し、食べ物を一切摂取できません。逆にメスは固い殻に覆われたような形をしており、一切移動しませんが、植物からの養分を吸収し、次世代を育てていきます。色を出してくれるのはメスです。皆様はどちらの生き様がお好みですか?
安全性について
コチニール色素は、上記事実に照らすと、確かに少々気持ちが悪い気もしますが、いわば天然由来の着色料です。毒性や発がん性なども認められず、他のケミカルな着色料と比較しても優れた着色料ということができるでしょう。
しかし近年、アナフィラキシーショックや喘息などのアレルギー症状が発生する例が報告されております。これは材料のカイガラムシのたんぱく質、いわば人間と異なるたんぱく質を摂取することにより、抗原抗体反応(不純物をやっつけようとする反応)が体で起こるからです。
とはいえ、それが起こることは稀であり、毎日大量にコチニール色素を含む食品を摂取したり、コチニール色素を含む化粧品を塗ることがなければ、抗原抗体反応はおこらないのでご安心ください。
抹茶色「銅葉緑素」
銅葉緑素とは、食品添加物として使用される緑色の色素のことでございます。これが緑色ということは、漢字からなんとなくは想像できますよね。
使用されている食品例
- ガム
- アイスクリーム
- お菓子
抹茶系の食品には銅葉緑素が含まれている可能性が高いです。しかしながら、こだわって本物の抹茶を使っている商品にはしっかり着色料として「抹茶」と記載されております。
気になる原料
この銅葉緑素も、抹茶のように鮮やかな緑で綺麗です。では、その原料は何なのでしょうか。
その原料は…
蚕の糞
なのです!
(虫の画像のため折りたたみます)
なんと、蚕は、シルクだけでなく、着色料も生産してくれていたのですね!ありがたいことでございます。
この蚕の糞は「蚕沙」(さんしゃ)と呼ばれる漢方薬としても利用されます。成分としてはアミノ酸、クロロフェィル、ビタミンA、ビタミンB、他にも動脈硬化予防に有効なペクチンなども含まれています。
ただし、現在は養蚕家も減少し、技術も発展しているので、植物から直接抽出することが多いそうです。個人的には蚕の糞のほうがいいですが…
安全性
コチニール色素と同じく天然由来であるこの銅葉緑素も安全といえます。さらに、蚕は桑の葉っぱしか食べないと近年まで考えられてきていたので、養蚕家達は桑の葉しか与えません。したがって、毒素もほとんどないと考えられます。
まとめ
この記事をお読みくださって、いちごみるくや抹茶アイスを摂取できなくなった場合の責任は一切負いません。
もし仮に、何者かの陰謀で日本に飢饉が訪れた場合、昆虫も食料の候補となることを忘れないでください(無理やり陰謀論に結び付けようとする)
最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。あ、レモンの葉っぱについたカイガラムシを駆除しなくちゃ!!