荒廃した不気味な世界が魅力的なホラーゲーム『サイレントヒル』
1999年にコナミからその第一作目が発売され、現在でも続編がリリースされるなど根強い人気を誇るテレビゲームです。
海外での人気は日本での人気よりも高く、「最も怖いテレビゲーム第一位」に選ばれ、日本未発売の続編も発売されております(日本でも是非発売して!)。
さてそんな『サイレントヒル』では「サイレントヒル」という町が冒険の舞台となるのですが、そのモデルについて議論があります。
日本では「サイレントヒル⇒静かな丘⇒静岡」ということで、モデルは静岡県であるという説が有力なようです。
日本国内だけでなく、海外でも「サイレントヒルってどこにあるんだ?!」という疑問が度々述べられており、その場合は当然「静岡」という結論にはたどり着かないようです。
そして海外のユーザー達はある映画に『サイレントヒル』の舞台に関するヒントを得てしまったのです。その映画とは…
『キンダガートン・コップ』
あの『コマンドー』でお馴染みのアーノルド・シュワルツェネッガー氏が主演を務める「コメディ映画」。よりにもよってコメディなのです。
しかしこの説を推す方々が挙げた理由が意外にも本当っぽいのでご紹介いたします。
目次
『SILENT HILL』
『サイレントヒル』自体はスピンオフ作品を含めると何本も出ておりますが、今回は第一作目をベースに考えていきます。
そこでまずは第一作目の『サイレントヒル』に関してご説明いたします。
概要
タイトル:SILENT HILL
ジャンル:ホラーアドベンチャー
対応機種:プレイステーション
発売元:コナミ
発売日:1999年3月4日
ストーリー
ライターとして生計を立てていたハリー=メイソンは娘のシェリルとともにアメリカ北西部の閑静なリゾート地「サイレントヒル」を訪れた。
兼ねてよりシェリルからは「サイレントヒルに行きたい」という要望はあったのだが、ハリー自身は多忙でなかなか休暇をとることができなかった。そこでようやく休暇を取れたということで娘の希望を叶えようと今回の旅に踏み切ったのだ。
自身の車でサイレントヒルへ向かう途中、日々の疲れからかハリーは運転をしながらつい睡魔に襲われた。ふと目が覚めると、車線上に中学生くらいの少女が道路の中央へ飛び出してきたのだ。あわててブレーキを踏むも、ハンドルを切り損ねて事故を起こしてしまう。
目が覚めると、シェリルがいなくなっていた。娘を探し、ハリーは季節外れの雪が降り、霧の立ち込めるサイレントヒルへと足を踏み入れる。
恐怖演出
「サイレントヒルのモデルはコメディ映画」といわれても正直プレイした側としてはにわかには信じられません。『サイレントヒル』は先述の通り最も怖いゲーム第1位に選ばれるほど、恐ろしいホラーゲームなのです。
とはいえ、プレイなさったことのない方もいらっしゃるかと存じますので、様々な恐怖演出をご紹介いたします。
ビックリではなく、心に迫る恐怖
ホラーゲームにはいきなり大きな音を鳴らしたり、ショッキングな映像を表示したりすることでプレイヤーをビックリさせるものが多いのではないでしょうか。
こういったいわゆる「ビックリ系」がもたらす恐怖と、『サイレントヒル』がもたらす恐怖は若干違う気がするのです(個人的な意見で申し訳ございません)。
例えば『サイレントヒル』では比較的普通の世界である「表世界」と、赤錆にまみれた「裏世界」を冒険することになります。
特に裏世界では通常の精神状態では考えられないような気の狂った描写が多くなされるのです。
この裏世界とは一体何なのか、何故主人公は裏世界を進まなければいけないのか、明確にわからないのです。ただ普通にゲームを進めていたら、急に裏世界に飛ぶイベントが始まって、おどろおどろしい世界を進むことを強いられます。
どこか日常にじっとりと影を落としている恐怖を感じることができてしまうのです。
視界の悪さ
『サイレントヒル』の多くの場面で、プレイヤーはかなり劣悪な視界の中での操作を強いられることになります。
そもそも冒険の主な舞台となるサイレントヒルの街道も深い霧に覆われており、主人公はその中を進んでいかなければいけません。そのほかにも夜間や地下などより視界の優れないシーンがございます。
そして分厚い霧の中には無数の怪物が待機しているのです。その存在を音で知らせてくれるアイテムもありますが、怪物が近いということがわかるだけで、どの方向にいるのかまではわかりません。必死に逃げる先に新たな怪物がいることだって稀ではないのです。
霧はどうしようもないとして、暗闇を払う道具として懐中電灯も登場します。しかしこれを使うと、怪物もこちらの場所を把握できるようになってしまうのです。戦闘は避けられません。
このようにサイレントヒルでは当たり前の視界が使えないのです。
見えないものって怖いですものね。
などなど、もちろんストーリーも優れていますが、恐怖演出は他と一線を画するというか、独特なものがあります。どのナンバリングから始めても楽しめるようになっておりますので、是非一度プレイしてみてください!
サイレントヒルのモデルは?
さてここからが本題。「サイレントヒル」のモデルとなった町なのですが、現状
- 「静岡県」説
- 鉱山のゴーストタウン「セントラリア」説
- 『キンダガートン・コップ』の「ロサンゼルス」説
の3つが挙げられます。以下に各々をご説明いたします。
静岡県説
先にチラッとご紹介したこの「静岡県説」。
「SILENT HILL」⇒「静かな丘」⇒「静岡」
ということですが、『サイレントヒル1~4』は日本で制作されたことは事実なので、あながちモデルとして静岡県が採用される可能性は否定できません。
海外に出すサンプルの仮タイトルとして静岡を直訳して「サイレントヒル」としたところ、海外のスタッフの間で評判が良かったため、そのまま本タイトルにしたという説が有力なようです。
スタジオの所在地
論拠として追加で語られる情報として、「コナミのメーカーが静岡にあったから」と制作スタジオの所在地が引き合いに出されることが多々ございます。
『サイレントヒル』を開発していたのは「コナミコンピュータエンタテイメント東京」。実際コナミ本社やこの制作スタジオが静岡に所在していたことはないので、これは論拠としては蛇足感がありますね。
熱海?
さらに「サイレントヒルのモデルは静岡県の熱海である」と地域を絞る場合もございます。
その論拠としてしばしば語られるのが、ゲーム内のサイレントヒル市の地形や市街の風景は熱海を参考に製作されたという情報。
これについてはある程度信用に足る情報なのではないかと存じます。
セントラリア説
いきなり登場した「セントラリア」という地名ですが、これはアメリカのペンシルバニア州にある町です。
セントラリアは炭鉱で栄えた町であったのですが、とある事故をきっかけにゴーストタウン化。現在でもわずかな人しか住み着いておりません。
その事故というのは、1962年に発生したゴミ焼却処理後の不始末による火災。なんとこの火災現在も続いているのです。その期間、55年。
具体的にはゴミの焼却処分後、火を完全に消すことができておらず、その火が坑内の石炭に引火してしまったのです。現在も坑内の燃料が燃え続けていると…。
なぜいきなり「セントラリア」をサイレントヒルのモデルとして持ち出したかと申しますと、実は映画版『サイレントヒル』のモデルとなった地なのです。劇中でも似たような坑内火災の件は登場します。
それゆえその原作ゲームの『サイレントヒル』もセントラリアをモデルとしているのではないか、とのこと。しかし、原作ゲームには坑内火災どころか炭鉱すら登場しないので、微妙なところですかね。
キンダガートン・コップ
そして最後にご紹介するのが『キンダガートン・コップ』で登場するロサンゼルスです。
『キンダガートン・コップ』といえばコメディ映画で、さらにロサンゼルスといえばどこかギラギラしてそうですよね。不気味な『サイレントヒル』とは縁遠いように思えます。
しかし以下の画像をご覧頂きたいのです。
左が『キンダガートン・コップ』で登場した小学校。そして右が『サイレントヒル』で登場した小学校。なんとなく一致している気がしますよね。
このように似たような風景が登場するので、少しご紹介いたします。
シュワちゃんの後ろの犬のポスターが、『サイレントヒル』にも登場するのです。何故ここまで…。
この青いポスターも登場します。もう偶然の一致ではありませんね。
注意書きのレイアウトまで同じです。
薬棚に貼ってあるラベルも概ね一致していますね。
スクールバスの車両も同じものです。数字も「7」で一致しています。
まとめ
どうせならシュワちゃんも『サイレントヒル』シリーズに出てほしい。筋肉論破してほしい。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。